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コラム 『ビジネス未来』
~ 弊社メンバーが交替で“旬”な話題を毎週火曜日にお届けします ~

タイトル

#180 2024/4/23 コンサルタントのより良い使い方とは。
#179 2024/4/16 MLBNPBのプロ野球選手の年棒格差について

#178 2024/4/9   白ワインの「辛口」とは辛いの?
#177 2024/4/2   リチウムイオン電池 セル電圧を推定する
#176 2024/3/26  “より有意義な会議に向けてのコツ”こぼれ話 シリーズ⑨

#175 2024/3/19  企業経営と学校運営
#174 2023/3/12  CO2削減はいつになったら?
#173 2024/3/5  H3、打ち上げ成功!!
#172 2024/2/27  リサイクルは3Rから6R+Uの時代へ
#171 2024/2/20  “頑張りすぎない介護”に見る外部支援活用の有効性
#170 2024/2/13  サッカー日本代表森保監督のボトムアップ型マネージメントについて
#169 2024/2/6  プロジェクトマネージャーは本当に必要ですか?

#168 2024/1/30  リチウムイオン電池 SOH
#167 2024/1/23  “より有意義な会議に向けてのコツ”こぼれ話 シリーズ⑧

#166 2024/1/16  あなたは""を覚えていますか?
#165 2024/1/9  COP28閉会(アラブ首長国連邦;UAE2023.11.30
12.13)
#HNY  2024/1/2  新年ご挨拶

#180  2024/4/23
コンサルタントのより良い使い方とは。


今日は“コンサルティング会社”というものにフォーカスしてお話をしてみたいと思います。
自分語りをすると“手前味噌”になってしまって率直に受け止めて頂けないと思うので、ここでは業界分析をされたコラムを参考にして、客観性を持たせながらお話ししてみたいと思います。

ダイヤモンド・オンラインへ寄稿されている独立系コンサルタントの森泰一郎さん(森経営コンサルティング代表取締役)のコラムを今年1月に読む機会があり、注目しているのですが、この方のコラムが弊社の来し方や在り様を映すような内容が多く、皆さんに「コンサルタントを使うことの是非」・「付き合うべきところ」という観点で知って頂くのにちょうど良いと思いました。そこで今回は、いくつかの記事内容を参考・要約&総括しつつ、私たちビジネス未来&Co.の活用ポイントについてもお話ししてみたいと思います。

【取り上げた森氏寄稿記事】

●コンサル倒産急増  2024/1/5 
  https://diamond.jp/articles/-/336235

●コンサル活用術(前編:コンサルを使って「大金をドブに捨てる会社」と「伸びる会社」の差) 2024/2/20
  https://diamond.jp/articles/-/339031

●コンサル活用術(後編:コンサルに「お値段以上」の仕事をしたいと思わせるコツ) 2024/2/20
  https://diamond.jp/articles/-/339032

●コンサル活用術(「優秀なコンサル」と「パワポ職人」の決定的な差、“机上の空論”を見破る4つのポイント2024/3/22
  https://diamond.jp/articles/-/340762

●コンサル活用術(マッキンゼー、ボスコン、BIG4…コンサルはどこに頼んでも一緒?本当に付き合うべき会社とは)  2024/4/16
  https://diamond.jp/articles/-/341353

■独立系コンサルティング会社の実態とビジネスモデル

かつては「コンサルティングファーム」といえば、「有名コンサルファームの出身者集団」・「士業経験者」、それに「企業定年退職者」によるものでしたが、コロナ禍以降、『フリーランス&副業』・『定年前の独立開業』、そして『中小企業診断士』、更には『すご腕エンジニアがベンチャー企業向けの技術アドバイザー』を営むなど、異なるキャリアで参入する方が増えたようです。ご多聞に漏れず、弊社もまさにコロナ禍の創業であり、この傾向は組織の特徴としても現れています。

コンサルティング会社のビジネスモデルは、お客様が「中小企業」や「大企業もしくは上場企業」によって異なってきます。

『中小企業』の場合は、月額契約(もしくはサブスク契約)がベースになり、課題が山積する分、契約期間を長めに取りながら、実務サポートとあわせて取り組むスタイルになりやすいです。また、経営層との対話形式となるが故、「顧問」として経営に参画していくケースも出てきます。また、ビジネスマッチングによる貢献も期待されます。ここでは、人脈やキャリアがモノを言います。私は「人の幅」と考えています。コンサルとしてのロジカルな部分とは逆の、“人間力”の発揮が重要になってきます。私たちのメンバーは“現場発”なので、この人間力は高い方だと思います。

『大企業もしくは上場企業』の場合は、テーマ・課題を細かく設定し、課題単位にプロジェクト化して活動を進めます。3~6ヶ月程度の短期で行なう活動が多く、調査を伴う資料作成(実務サポート)が中心となり、資料作成・データ分析やインタビュースキルに加えて「コミュニケーション能力」が重要になります。ここでは、「クライアントが正しい問いを立てているか」「解決策は何が必要か」を対話しながら見極めていく力が要求されます。つまり、“幅”ではなく、ここでは「深掘り・深さ」が要求されます。弊社はキャリア30年以上のメンバーがほとんどなので、ここでも専門性は十分に指導できるレベルにあります。

では、例えば、近年の注目を浴びたテーマで、いまコンサル会社に何が起きているでしょうか。

■DXに見るコンサル会社の現在

デジタルトランスフォーメーション(DX)にも「攻め」と「守り」という傾向がありました。大手企業の関心は「攻め」であり、技術を活用してビジネスモデルやサービスの改善を図ろうという取組みになっています。かたや、中小コンサルが志向したのは「IT活用による業務効率化」です。これは技術を媒体にする為に独立系コンサルでも扱いやすく、またパートナーとして国や自治体から補助金等を得るアドバイスに注力する仲介業との関係が費用面から重要でした。しかし、ITも技術なので導入が一巡すると、相談案件が減り、コミュニケーション能力が不足する会社から危機に陥っているのが現在と見ています。エンジニアリングサポート企業が苦しい状況になっているのも同じ筋の話と言えます。
結果として、ソリューション系コンサル会社が生き残るのは簡単ではない訳で、顧客の様々な要望に応えられる要素を多く合わせ持つ「総合コンサル会社」が顧客にとっても長く柔軟に付き合える会社といえるでしょう。弊社は、各部門・各機能のエキスパートに集まってもらった集団であり、総合力が組織の個性と思っていますので、ソリューション(やツール)はその時々で最適なものを当然選びます。

■経営コンサルに依頼して伸びる会社/伸びない会社 <中堅・上場企業以上>

コンサルタントを使うのが上手な会社は、以下の特徴を明確にして、相互の「協力体制」を築きます。

・依頼したオーナーは誰か?
・依頼の目的は?
・期待する成果は?(ゴール)
・作業分担(自社とコンサルタントの担当範囲)
・コンサルタントを選ぶ要件

ここで「ゴール」と「役割分担」を明確にして、更に関わるユーザーやパートナーの情報収集を自ら行ないます。即ち、プロジェクトを成功させる下準備を行なうことや、相互の“歩み寄り”努力も成功要因ということになります。
反面、この点を曖昧にしたり、手を動かさない企業はやはり失敗する確率が大きくなります。内容の正しさや違いがわからず、この過程を把握しないと具体的な戦略は理解できない訳で、結果として、使えない資料を高いお金を出して作ってもらっていることになります。

つまり、依頼側のプロジェクト運営改善のポイントは、『資料の中身を正しく理解する』・『良好な協力体制を築く』という2点が重要です。

コンサルタントは「使う側次第」(高級なお道具箱)

「高級なお道具箱」。これは昔からよく揶揄される表現です。高級な・高いものだから使わない/不要ということではありません。会社内で活動を企画する際、「外部の客観評価がないと、予算が付かないし、始められない」というケースは多々あります。(大手企業ほどこのパターンはありますね。)これが、コンサルタントが必要とされる由縁です。そういう意味では、『コンサルタントをうまく扱えるかが勝敗を分ける』というのは間違いないでしょう。

コンサルタントを活用した成果への近道は、「コンサルタントとのコミュニケーションを改善する」ことです。昨今、コンサルOBが一般企業(実業)へネクストキャリアを求める例が多くなりました。ジョブ型雇用の浸透やワークライフバランスの観点などがその理由として挙げられますが、私が最初にコンサル業界に身を置いた約20年前でもこの傾向はありました。話を戻しますが、コンサルOBは、その経験からコンサルをどう使えば、どう動かせばよいかを知っています。ゆえに、協力体制を築きながら進めます。反対に、コンサルOBを雇えない/うまく使えない会社は課題解決がなかなか進みません。これは、組織や会社風土に難があり、プロジェクトの進め方が曖昧になってしまい、大きな成果が得られないからです。ここの知見があるかないかで今後の業績の優劣も決まってくると考えて頂きたいと思います。

優秀なコンサルタントとは

ご判断いただくのはクライアントである「お客様」です。
優秀と思われた人は、「お客様に支持頂いた人財」でありますが、同じ人でもお客様次第で変化する点でもあります。
“パワポ職人”と揶揄される人との違いはどこにあるでしょうか。以下が指摘されています。

  1. クライアントが気づかない課題や論点の発見
    ➡ 当初の協議段階で課題の本質を見極められるかにかかっている
  2. その1.項の重要性の論理的な説明
  3. 説明に定性・定量データを根拠として示せる
    ➡ 2.と3.は、「説得力」であり、地道な集約作業が行える
  4. これらを通じて、クライアントのビジネスを「大きく前進させられる」
    ➡ 実行に繋がらないコンサルは、顧客に価値を提供するというビジネスの本質への理解不足

これを俯瞰すると、「パワポ職人」は、3.項の構成要素の一部でしかないことがわかります。つまり、資料が出来たとしても新しい発信を伴わない訳です。即ち、コンサルタントが「結果を出す」にあたり、“きれいなスライド資料”を作るスキルは必須要件ではありません。社員に対して“パワポ職人”にならないよう指導している企業もありますよね。
弊社では、お客様社内で報告される資料は出来るだけお客様にまとめて頂くよう提案しています。何故なら、社内を通す資料(経営報告や稟議など)はお客さま以上に上手に作成できる者はいないからです。もちろん依頼頂けば作業しますが、上記のような先々を考えた場合に効果が半減するので、お奨めしていないです。私たちは、知識・経験を要素として提供する形で、確実に「人が育つやり方」でお手伝いしています。

コンサルタント選びで困った時は「人」を見るべし

コンサルタントもOutputばかりしているとInputが不足します。その時にどのような努力・工夫をしているかも見極めるポイントです。即ち、「どのコンサルファームに依頼するか?」ではなく、「どのコンサルタントに依頼するか」を決めることがビジネスを進めるうえで重要です。私たちは、メンバーの関心事をこのコラムのコーナーで発信していますが、それぞれが生活全般のどんなことに関心を持っているのか、肌感覚で伝わるようにしたいと思ってこのコーナーを運営しています。「人」を身近に感じて頂けるなら、大変ありがたいと思います。

今回は、森さんの記事を参照・要約・総括して弊社の思うところを加えていますが、原文記事も是非読んで頂ければと思います。コンサルタントという職業は色眼鏡で見られがちな一面がありますが、よくわかる解説になっています。是非一読ください。

BMCは、ベテラン揃いですが、メンバーそれぞれにInput:自己研鑽に励んでいるので、幅広い感性でご相談に応えていく人財も揃っています。個性的な人財・スキルを持ったメンバーの集まりですが、お仕事の取組みではポイントをしっかり押さえて、確実に進めていきます。中小企業固有の小さな相談から大企業のプロセスマネジメントに至るまで、知見を提供できるスタイルで支援させて頂きますので、是非お声掛け頂ければと思います。

(鯨井)

#179  2024/4/16
MLBとNPBのプロ野球選手の年棒格差について


 日本経済のデフレ脱却に向け、「賃金値上げ」「賃金の日米格差」等が話題となっていますが、今回、賃金値上げ、賃金格差の例の一つとして、極端ではありますが、米国のMLBMajor Leage Baseball)と日本のNPB(Nippon Professional Baseball Organization)のプロ野球選手の年棒格差について書いてみることにしました。

 ご存じの通り、MLB ロサンゼルス ドジャースは、202312月に、大谷翔平選手と10年総額7億ドル(約1,070億円、約107億円/年棒)のプロスポーツ史上最高額で契約を結びました。ちなみに、NPB12球団の総年棒(推定)は約412億円です。そして、2024年度個人年棒(推定)のトップが、村上宗隆選手(ヤクルト)、坂本勇人選手(巨人)の約6億円と言われておりますので、NPB選手から見ても、大谷選手の年棒がいかにケタ外れで、巨大な年棒かということになります。

 それでは何故、ドジャースは、大谷選手に対して、このようなケタ違いの年棒が払えるのか、どうして日米プロ野球において、このような選手の年棒格差が発生しているのか、を調べてみました。

 MLB各球団の主な収入は、以下のように紹介されています。

① チケット販売
② 
放映権料
③ 
グッズ販売
④ 
スポンサーシップと広告

 特に、①チケット販売と②放映権料が大きな収入源と言えるようです。

 まず、ドジャースの「チケット販売」での集客力ですが、2023年はMLBトップで、年間約384万人、1試合平均47371人をスタジアムに集めました。一方、観客動員だけで言えば日本のプロ野球も負けてはいません。2023年のNPBトップは阪神タイガースの2915528人で、1試合平均は41064人。「チケット販売」の収入総額という観点では、試合総数とチケット代金で差は出てきますが、1試合平均収入という点では、日米の大きな収入の差異にはなってない状況と言えます。

 そうなると、残る大きな収入源の「放映権料」が、MLBNPBの大きな球団の収入源、選手の年棒格差を生んでいるようです。そこで、MLBNPBの大きな違いとなっている放映権料について、さらに詳しく調べてみました。

 放映権料については、MLBNPBを比較すると、放映権料の金額だけでなく、放映権収入の仕組みも違っています。

 MLBは機構全体で、全米で中継するFOXTBSESPNの放映権料だけで、7年間、176000万ドル(約2,693億円)で、巨額の一括契約を交わしており、全国放送の放映権で得られる利益は、MLB30球団に均等に配分される仕組みを持っています。また、一方でMLB自身が自前の映像配信サービス「MLB.TV」を提供しており収入に貢献しています。

 加えて、各球団は、独自で放映権の契約を持つことが可能であり、地域の放送局と結ぶ契約の総収入も23億ドル(約3,519億円)とされています。さらに、米アップル社と契約するインターネット配信の権利料なども加わる形となっています。

 上述したMLBの放映権の仕組みにより、ドジャースは、MLB機構からの放映権の分配金を、毎年、安定した基本収入として見込めることになります。さらに、ドジャースは、地元の『スポーツネットLA』と放映契約を結んでおり、契約額は年平均で23900万ドル(約366億円、米データサイト『fangraphs』による)。これはメジャーリーグ30球団でもトップの数字とのことです。結果として、ドジャースは、放映権、集客力により、球団総収入は56500万ドル(約865億円、2022年概算)に上ると言われています。

 一方、NPBの場合は、NPB機構自体が放映権を一括契約する仕組みも無く、各球団が独自で放映権の契約を行う形となっています。そして、NPB全体の202312月時点の放映権料は、推定約500億円と言われており、日米の放映権の収入格差は、10倍以上あるとされています。

 結果として、ドジャースが大谷選手に支払う巨額な契約金の主な原資の一つが、潤沢な放映権料であり、これが、MLBNPBのケタ違いの球団収入と年棒の格差になっていると言えます。しかも、放映権料は、長期で契約が締結されているため、5~10年単位での選手との大型契約が結び易いというメリットもあります。

 そしてさらに、放映権料の収入については、さらに、次の点で日米の格差は今後も拡大すると考えられます。

1) MLBとNPBの機構マネージメントの違い
2) 日米の放送ビジネス、文化の違い

1)MLBとNPBの機構マネージメントの違い

 放映権料の収入に関しては、MLBNPBの機構マネージメントの違いが格差をつくったと言われています。MLB機構は、全米中継を行う放送局とMLB全体の契約を束ねた一括契約を行うことで、放送事業者間の競争をあおり、価格を引き上げてきた歴史があります。一方、NPBは、球界一丸となって放映権を売る仕組みがなく、各球団が放映権をバラ売りしているため、NPBの価値を集めて一括で交渉することができず、価格が上がり難い状況となっているようです。スポーツ配信サービス“DAZN”とNPBは、放映権に関する契約はしているものの、球団別の個別契約となっているため、その収入は、巨人が年間30億円、他球団は5~10億円と言われており、ドジャースの10分の1以下の水準でしかありません。

 また、MLB機構は、MLB全体のコンテンツの価値を高めようとする活動を行っており、それが放映権料アップにもつながっていると言えます。その活動の一つは、全米以外にMLBのマーケットを拡大しようとするもので、日本、英国、韓国等でのMLBレギュラーシーズの試合開催やWBCWorld Baseball Classic)開催はその活動事例で、結果として、これらの活動は海外マーケットのMLBのファン、視聴者を増やすことに繋がっています。

 また、MLBは、外国人枠という制限を持たず、どの国の選手でも自由に制限なく獲得し、MLBの選手の質を上げると同時に国際化を進めようとしています。さらに、大谷選手に代表されるように、MLB全体として、国籍に関係ないスーパースターへの宣伝活動を行うことにより、MLBへの注目度を上げ、日本およびアジアのMLB視聴者を拡大させています。

 MLBNPBは、放映権料、市場価値をさらに上げるための活動に大きな格差があることは明白なので、今後も球団収入、選手年棒格差が広がっていくように感じます。

2)日米の放送ビジネス、文化の違い

 日米の放送ビジネスの違いも大きいと思います。日本のテレビ放送の市場規模は約35000億円ですが、米国は有料テレビ放送だけで2,000億ドル(約31兆円)あるとされます。無料の地上波を中心に発展してきた日本と、早くから有料放送が根付いた米国との歴史の違いが大きいものとなっています。

 日本の民放局の基本収入は広告であり、近年では、広告収入が減少傾向にあるテレビ各局にとってNPBへの放映権料の支払いは負担増となっており、放映される試合数は減り、NPBに対する放映権料が上がる可能性は低い状況となっています。

 さらに、民放局の放映権の限界は、野球以外のサッカー日本代表のW杯予選の放映権が獲得できない状況にも表れており、世界サッカーの放映権料の相場に対して、追随できない状況となっているようにも見えます。加入者をベースにする有料放送・動画配信会社が参加する最近のスポーツ放映権市場において、視聴率をベースに一定の時間内での広告収入を原資とする民放がスポーツ放映権を獲得するのは、厳しいことに間違いないと考えます。

 そして、日本の場合、放送文化の違いから、有料放送・有料動画配信サービスでも、NPBの放映権料アップは厳しいものがあると思います。

 NPBが契約したDAZNのような有料配信サービスについて、日本でも加入数は増加する傾向はあるものの、民放での無料の視聴に慣れた日本人にとっては、有料視聴には抵抗があるため、当面は、劇的な加入者数増は期待が薄いように感じます。NPB・球団にとって、有料配信サービスから放映権収入が増えないと、NPBでプレーする日本の有力選手の維持、または、海外から質の良い外国人選手が獲得できなくなるので、NPB自体の価値が上がらないことになります。現時点では、放映権料がMLBのように劇的にアップしていく状況は期待できず、ますます日米格差は広がっていくように推察します。

 今回のコラムでは、プロ野球の放映権という観点で、現在、日米の球団の収入格差、選手の賃金格差が明確に存在し、今後も、「MLBNPBの機構マネージメントの違い」と「日米の放送ビジネス・文化の違い」で、日米格差が広がっていくことを予想しました。そして、日本のNPBとは違い、「“野球の有料視聴”→“機構・球団の価値向上活動”→“放映権料”→“プロ野球選手の年棒”」の流れが循環するMLBのシステムおよびプラットフォームが、MLBのコンテンツの価値を創り、それによって、野球選手の年棒が上昇してきたことを理解頂けたのではないか、と思います。

 プロ野球選手の日米年棒格差から見ても、日本の賃金は、“デフレ脱却のための施策”として、単純で一時流行的な上昇ではなく、日本経済の中に、新たに、賃金が上昇する流れ、システム、ビジネス、文化等の構築が必要であり、それらの構築が無ければ、今後の賃金上昇は継続されず、日米格差は広がるばかりと考えます。

 ※ドル→円換算は、1 US$=153 (2024415日時点)で計算しました。

<参考>

(田口)

#178  2024/4/9
白ワインの「辛口」とは辛いの?
~ 「甘口」、「辛口」の違いを知って、ワイン選びに役立てましょう ~

写真:ビックカメラ

 こんにちは。 ワインを語るコラムの第八弾です。 

 昨年12月5日の#161コラムでは、赤ワインの「ボディ」についてお話をしましたが、今回は白ワインの「甘口/辛口」についてです。
そもそも、「白ワインの『辛口』って何? 唐辛子や胡椒のような『辛い』って言うことなのか?」と言った素朴な疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。今回はこの疑問についてのお話です。

1.辛口ワインは辛くない!

 白ワインの味わい表現のひとつに「甘さ(甘辛度)」があります。
 
とろりと蜜の様な甘いものから、優しくまろやかなもの、すっきり爽やかなもの、ピリッと酸味のあるものまで、白ワインの甘さは幅広くあります。
 
ボトルの裏ラベルの表示では、「甘口」>「やや甘口」>「やや辛口」>「辛口」の4段階で区分されている場合が多いですが、更に「極甘口」や「極辛口」で区分されるワインもあります。

 では、冒頭の疑問についてです。
 「甘口」ならば味の想像はある程度出来ますが、「辛口」って何だろう? 唐辛子や胡椒のような辛いって言うことなのでしょうか? 結論から先に言うと、ワインの「辛口」は辛くありません。

 辛いものが苦手な方へ、「安心してください!」
 ラーメンや韓国料理などの「辛口」は「唐辛子マークの数」で表現されるような「辛い」という事ですが、ワインの「辛口」とは「辛い」のではなくて、「甘くない」という意味です。英語では「Hot」ではなく、「Dry」と表現されます。

 では、「甘くない」とはどういうことなのか? それは、ワインの発酵工程に関係しています。
 発酵工程とは、ぶどうの果皮などに含まれる酵母菌が果実の糖分を食べる(分解する)ことで、アルコールと炭酸ガスが生成されてワインになります。その酵母菌が糖分を食べ尽くせば、甘味のないワイン、つまり辛口ワインとなります。酵母菌が糖分を食べ尽くす前に意図的に分解を抑え、糖分を残せば甘味のある甘口ワインとなります。
 
ぶどう品種、産地、収穫時期などによって、元々ぶどう果実に含まれる糖分に差があることで、出来上がるワインの甘口/辛口を左右しますし、全く同じぶどう品種でも発酵方法によって甘口から辛口まで造り分けることも出来るのです。
 
フランス、イタリアやスペインなどEUの基準では、残糖が1リットルあたり4g以下のワインを「辛口」としています。(例外として、非常に酸が強いワインの場合には、少し糖が残っていても辛口に感じる為、9g/L以下の残糖で辛口としています。)

 従って、白ワインの「辛口」とは「辛い・Hot」ではなくて、「甘くない・Dry」という意味であって、「残っている糖が少ない」ということを覚えておいてください。
「キリッと」、「すっきり」、「爽やか」というような印象の「甘くない」ワイン、それが辛口ワインです。
 飲みやすいものが良いと思って、お店で甘口の白ワインを注文したら、本当にジュースみたいな甘いワインが出てくる場合がありますので気を付けてください。

2.甘口/辛口の見分け方

-1.アルコール度数での見分け

 甘口/辛口の見分けはどうすれば良いか?裏ラベルに区分表記があれば迷うことはないのですが、全てのワインに記載されている訳ではありません。ではその区分表記が無い場合は、「アルコール度数」をひとつの目安としてください。
 前述の様に、ワイン製造工程で発酵が進むと糖分が分解されてアルコールに変わりますから、糖分が少なくなって「辛口」になる程、アルコール度数が高くなります。一般的に13%がボーダーラインと言われており、13%以上が「辛口」、それ以下が「甘口」となります。

ただし、これも全てのワインに言えることではありません。

「世界四大酒精強化ワイン」と呼ばれるポルトガルの「ポートワイン」と「マデイラワイン」、スペインの「シェリー酒」、イタリアの「マルサラワイン」などの「酒精強化ワイン」では、発酵中にアルコール度数の高いお酒(ブランデーなど)を混ぜて強制的にアルコール発酵(酵母菌の働き)を止めることで、「甘口」でありながらも、アルコール度数が1522度程の高いワインもあります。

-2.ぶどう品種での見分け

 ぶどう品種でもある程度は「甘口」か「辛口」かが分かります。

① シャルドネは「辛口」

 白ワインと言えば、圧倒的に有名なぶどうがシャルドネ(Chardonnay)です。フランス・ブルゴーニュ地方が原産で、現在では世界各国で栽培されています。シャルドネは「特徴のなさ」が特徴といえる品種であって、冷涼な地域で栽培されたものはフレッシュで酸味が効いていて、温暖な地域で栽培されたものは南国フルーツを感じる濃厚な味わいになり、樽熟成させるとどっしりと厚みのある味わいになるなど、栽培地域や醸造方法によって多種多様です。甘辛さは殆ど「辛口」タイプです。

② ソーヴィニヨン・ブランは「辛口」

 ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)はフランス・ロワール地方が原産で、現在では世界各国で栽培されており、シャルドネと同じく白ワインで定番のぶどう品種です。冷涼な地域で栽培されたものは、青草、ハーブや柑橘系の爽やかな香りが感じられ、温暖な地域で栽培されたものは、グレープフルーツや桃のフルーティーさを持ちますが、共にしっかり酸味の効いたフレッシュな「辛口」タイプです。

③ モスカートは殆ど「甘口」

 モスカート(Moscato)とはマスカットのことで、イタリアでの呼び方です。スペインではモスカテル(Moscatel)、フランスではミュスカ(Musucat)と呼ばれます。フレッシュなぶどうの香り、華やかな白い花、柑橘類、マスカット、白桃といったフルーティーなアロマがあり、ぶどう自体の糖度が高いため「甘口」タイプになります。デザートワインやシェリー酒の生産に使用されることもあります。しかし、フランスでは「辛口」タイプに造られますので要注意です。

④ リースリングは「辛口」から「極甘口」まで

 リースリング(Riesling)は、レモンやライムなどを感じるシャープな酸味があり、林檎や梨、ほのかに石油のような香りもあることが特徴です。口当たりが良くきりっとした辛口ワインから、貴腐ワインやアイスワインなどの蜂蜜を思わせる濃厚な極甘口ワインまで幅広く造られています。ドイツ(特にモーゼルやラインガウ)では比較的「甘口」タイプが多く、フランス(特にアルザス)では「辛口」タイプが多いです。

3.「極甘口」タイプに造られる白ワイン

 特殊な方法で糖度を上げたぶどうで造られる極甘口ワインを3種類紹介します。

貴腐ワイン

 ボトリティス・シネレア菌という貴腐菌をぶどうの果皮に付着させると、果皮の組織が潰れ、ぶどうの中の水分が蒸発して、糖分が凝縮された貴腐ぶどうになります。この糖度の高いぶどうを使うことで、アルコール度数は通常のワインと変わらずに、濃厚な極甘口ワインが出来上がります。
 天候や土壌、品種など特殊な条件下でしか貴腐ぶどうは出来ない上に収穫量も減少するため、高額となってしまいます。「世界三大貴腐ワイン」と呼ばれるフランスの「ソーテルヌ」、ドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」、ハンガリーの「トカイ」が有名です。

アイスワイン(Ice Wine

 アイスワインは、冬までぶどうを収穫せずに放置し、自然に凍結したぶどうを摘み取って造られる極甘口ワインです。ぶどうの実が凍ると、果汁の中の水分は凍っていますが、糖分などのエキスは凍っていない為、圧搾の際にエキスだけが流れ出します。この糖分が凝縮したごく少量のエキスだけを使って造ります。原料エキスの希少さから高価になってしまいます。(ぶどう1房からエキスはスプーン1杯程しか採れません。)主にドイツ、オーストリア、カナダで生産されています。

③ ヴァン・ド・パイユ(Vin de Paille

 ヴァン・ド・パイユは「藁ワイン」の意味です。収穫したぶどうを発酵させる前に、藁やゴザの上で数ヶ月間乾燥させ、水分を半分ほど飛ばして、糖度が凝縮した干しぶどう状態にしてから造られる極甘口ワインです。
 秋の気候が暖かく乾燥していて、風がよく吹く自然条件の地域でしか造ることができません。フランスのジュラ地方が有名です。

4.甘いほど高級なドイツワイン

 ドイツワイン法での格付けで最高峰クラスに位置するQ.m.P Qualitatswein mit Pradikat、クヴァリテーツヴァイン・ミット・プレディカート)は、収穫したぶどうの糖度によって更に6段階の等級に区分され、一般的に糖度が低いものから高いものへとランクや価格が上がります。その6段階は、①カビネット(Kabinett)→②シュペトレーゼ(Spatlese)→③アウスレーゼ(Auslese)→④ベーレンアウスレーゼ(Beerenauslese)→⑤アイスヴァイン(Eiswein)→⑥トロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese)に分類されます。
 このような名前が表記されたドイツワインは、甘口や極甘口ワインだと分かります。

5.白ワインの適正温度

 一般的に「白ワインは冷やして飲むもの」と言われていますが、冷やせば良いというものではありません。冷やしすぎると、味がぼやけるからです。おおよその目安として、「極甘口」は4~6℃、「甘口」は6~8℃、「辛口」は10℃前後です。温度で味の印象が大きく変わりますので、適温でいただくようにしましょう。 

6.赤ワインでの「甘口/辛口」表現と、白ワインでの「ボディ」表現

 「甘口/辛口」という表現は、赤ワインではあまり聞きませんが、赤ワインでも使います。「甘口」の赤ワインも生産されています。しかし、その生産はとても少ないです。通常、赤ワインは味わいの奥深さや複雑さを引き出す為に、糖分が無くなるまで発酵させて「辛口」にします。私達が口にする赤ワインの殆どが「辛口」なので、「甘口/辛口」という表現をする必要がないからです。その代わり「ボディ」という言葉で味わいの多様性を表現しています。
 
一方、白ワインでの「ボディ」という表現もあまり聞きませんが、これも使います。ボリューム感があって飲み応えのあるものを「フルボディ」と呼びますので。
 
「白ワインのボディ」については、次回のコラムでお話ししたいと思います。

 以上、今回のコラムでは白ワインの「甘口」、「辛口」という表現についてお話をしましたが、如何でしたか? ワインを選ぶとき、飲むとき、語るときに、ちょっと思い出していただけたら嬉しいです。楽しいワインライフをお過ごしください。

(前野)

#177  2024/4/2
リチウムイオン電池 セル電圧を推定する


過去数回にわたり、リチウムイオン電池のSOC、内部抵抗、OCV特性等、基本特性について紹介してきました。 実際にリチウムイオン電池を使用して、蓄電システムを設計する場合は、充電や放電に伴うリチウムイオン電池の両端電圧を予測し、決められた範囲に収まるようにコントロールする、内部抵抗や容量の劣化を推定する必要があります。
今回は充放電に伴う電池電圧の予測方法について紹介いたします。

電池には、起電力と内部抵抗があるということは、教科書にも書いてあるとおりで、リチウムイオン電池の簡単な等価回路は、下記の図1の様に示すのが一般的です。
尚、図1の回路図で、電池の起電力に相応する電圧をOCV(開放電圧)とよび、電池のSOCとの相関が高く、その関係を示したものがOCV-SOC線図です。

図1:電池等価回路、山田作成

また、三元系電池の、OCVSOC線図の事例を図2に示します。

図2:OCV-SOC線図事例、山田作成

1から分かるとおり、セル電圧VSOC,温度)は、下記式のとおりです。

VSOC,温度)=OCVSOC,温度)+ I×R0SOC,温度) + C1両端電圧(SOC,温度)
 + C2両端電圧(SOC,温度)・・・・式(1)
 

尚、C1およびC2の両端電圧は、時定数がR1×C1R2×C2の一次遅れの電圧となり、たとえば、C1両端電圧は下記の伝達関数で表されます。

I;充放電電流 → R1/(1+S×R1×C1) → C1両端電圧   S;ラプラス

R1R2C1C2は、SOC、温度で変化します。

注)グレーの網掛け部は、本来は線図、□表記。(HPシステムの機能上から表記を変えています。)

以上の式から、SOC、温度で変化するOCV特性、R0R1R2C1C2の特性がわかれば、セル電圧を計算することが可能となります。
しかし、OCV特性、R0は、電池メーカから提供されますが、R1R2C1C2については、詳細に提供されません、よって「一定電流でSOC0~100%の間で充放電したときのセル電圧特性」等から、限られた条件での「C1両端電圧+C2両端電圧」が推定できます。

これらにより、満充電時のSOCやセル電圧の設定、セル電圧を決められた範囲に収めるための充放電電流の計算、内部抵抗の推定等が可能となります。

(山田)

#176  2024/3/26
“より有意義な会議に向けてのコツ”こぼれ話
~ シリーズ⑨ 
会議がスタックしそうな時に!?
コレさえ有れば!無事脱出のコツ! ~


ビジネスに携わる皆さまにとっての日頃のコミュニケーション手段の1つとして、「会議」はとても重要な役割が有りますが、上手くいっていますか。何かお困りの点はございませんでしょうか。

会議のことでよくお聞きするのは、「会議がスタックしてしまって、その状況をどう打開していけばよいのか?困ってしまった。」「あまり経験が無い中で、チョットしたコツやきっかけで上手く切り抜けられたらよいのに…」といった意見等です。

実はそこでは、皆さんが懐刀として活用できるコツが、いくつか有るのです。
実際の現場でよく遭遇した際に活用し、有効で有った手法の一端をこぼれ話として紹介致します。
以下のいずれも、単独でも組み合わせでも、その場の状況に応じて引出しから出す感じでの活用が可能です。

沈黙が続いた時の対応策

● 万能策=「今から3分差し上げますので、手許で意見を(なるべく)箇条書きにしてみてください!」&「では、読み上げて紹介してください」&“進行役からその内容の理由や思いをやんわり尋ねてみる。

(※この際の留意点です;未だ最初ですので、ほんのチョットした事でも、話合いを回し始める“きっかけ“になれば程度でよいと、心内で割り切って、柔らかく序々に進め始めるのがコツです。決して詰問超にはしない事です。)

次に、「今の読み上げてくれた方の内容を聞いてどう思いましたか?」と他の人に発言の機会を振る。

(※この際の心中留意点です;既に関連情報の一端が披露されている為、次の方は連想ゲーム的に自らの考えを引き出し、表明し易くなる筈です)
(※それでも、誰も発言してこない場合は、合わせ技としてさりげなくアイコンタクトやボディーランゲッジ等でサイレント的指名を併用する手もあります)
(※更なるアドリブ手段としては「‥さん、何か“思い付いた(言いたそうな)”風に見えましたが如何ですか?」と柔らかく振って指名する手も、引出しの1つになります。コレなら、万が一返答が「イヤ。特に‥」でも、コチラも「アッ、そうでしたか~失礼しました~()」で済む感じの安心の引出しと心得て使えます。)

以上をTPOに応じて使い分け、繰り返していけば、きっと、場に議論のサイクルが回り始めます!

● 強引策=「では今から発信タイムです。時計回りに当てて行きますので、思っている事の途中迄でも何でもよいので、何か発信してください。パスは3回迄OKです()」と言って、ゲームっぽくどんどん当てていくと、ポロ…ポロっと喋れる人から発言を貰いながら何回か回しているうちに、やがて大部分の人が喋っていることに繋がっている筈です。

(※勿論、この際も、上記の万能策の※印の方策を混ぜるのもとても有効です。)

● ヒント貰おう策(個人編)=「では、チョッ〇〇さんの意見を参考までにチョットだけ聴いてみましょう!」と言って、(前向きな)意見が出せそうな方に振って(呼び水的に)意見発信の口火を切って貰う。

(※隠れたコツとして、日頃から何か言い始めてくれる方、議題の件に相対的に詳しそうな方(=敢えて事前に指名して会議に呼んでおく事もとても有効)等を議事進行役は予め心内に留めておくと安心です。)

● ヒント貰おう策(ワークショップ編)=「では、チョッとたまには他のグループの発言の様子を覗いてみましょう!」と言って、座ったまま、(状況が許せば3分と決めて各自会場内の他のグループの様子を立ち聞きしに行って)他のグループの議論に(3分とか時間を決めて)耳を傾ける時間を設ける。すると、それがヒントになって、自分で何か喋れるきっかけが掴める人が出て来るので、思ったコト、感じたコトを紹介して貰う。

(※隠れたコツとして、議題や目的の方向性に前向きに議論しているチームを議事進行役は議論中に探して予め心内に留めておくと安心です。)

WEB会議の場合はブレークアウト後に、ブレークアウト中に各グループで出た意見を共有し合えば、相互の意見の掛け合わせで新たな智慧の創造に繋がる事が期待できますね。

(※この時は、他のグループでの意見を要約して進行役が伝える事も有ります)

愚痴大会になった時の切替えし方法

  • 共感はするが、同意はしない!で、やんわりと先ずは受け留める。(→具体例は下記)
  • 具体的には、先ず、愚痴りたくなる気持ちを受け留め、しかる後に、この場がこのまま愚痴で終わってはまずい事に(なるべく各自に自ら)気付かせる。そして今ここで為すべき行動に気付かせる。その為の問いかけの例は下記。
  • 共感/受け留め例=「そうなんですか」「なぁるほど」「皆さんの愚痴りたくなる気持ちはよくわかります。(‥‥なのですねぇ~)」

(※心内で時間を決めて(通常15分を目安にTPO次第ですが)下記に転じていきましょう。内容によっては、俗に言うガス抜き的時間になってしまう場合も有りますが、本来の議論の目的に叶う方向転換を目指します。例は下記。)

  • 場の空気を転じる/変える=「ところで‥、このままでこの場を終わって大丈夫ですか?」と言って、本来ここに集まった目的に原点に立ち返る的に戻って考えてみるよう促してみる。
  • 複数グループでのワークショップで、少々でも前向きなグループが有った場合は、「(前向きな雰囲気のグループの方を目で示しながら)他のグループの様子を見てみましょうか?」と3分間見に行って戻って来る。コレで、次の行動に向けての前向き意見がポロポロ出始めれば、その流れに他の人ものせるようにする。(WEB会議の場合はブレークアウトタイムの活用)
  • 上記をやっても、未だ後ろ向きの雰囲気を抜け出せない時の脱出用話法例=「それはそうと、(そうはいっても、)このまま(愚痴っていることだけ)では、職場に戻ってからの今後のアクションに皆さんが困りはしないかと、とっても気になるので、せっかくのこの貴重な残り時間を、何かそこに役立つ智慧出しに使いませんか!?」とやんわり嘆願する。

そもそも愚痴大会にならない為の対策

  • トップからのメッセージの中に、「参加者への今後の行動への期待」をタスクとして込めておく。
  • 各グループは、議論開始の冒頭に、今からの〇〇分のゴールがそこである旨を、トップメッセージを復唱しながら、念押しして議論をスタートする。
  • 会議参加者対象に、議題や目的の方向性に詳しい方を指名して(ワークショップなら極力、各グループに)入って貰う。(但し、事前に、最初から全部言い過ぎてしまわず呼び水的に小出しに‥と依頼しておく)
  • 参加者に、最初の段階で「今日の意気込み」を述べて貰う時に、上記意図に反している場合は、そこで柔らかく突っ込みを入れ、(意気込みの書き換え迄はプライドもあろうコトなのでやらないまでも)ゴールの存在に(やや無理筋でも)結びつけたコメントを返して、ゴールはあくまで不変の旨の意思をやんわり伝える。それでも表情が納得していない場合は、(心中で要ケアー対象の方として)他の前向き意見が出ている時に、その流れに乗せるようなタイミングでの発言の機会を提供する。
  • それでも会議・ワークショップ中に必要性を感じたら、途中ででも、「皆さ~ん、チョットリマインドタイムで~す」と言って、今日のゴールや皆さんへの期待を再度確認するのも、けっこう有効です。

【今後に向けて】

今回は、より有意義な会議に向けて、会議がスタックしそうになった際の克服方法を中心にお伝えしました。いかがでしたでしょうか? いくつかのこぼれ話の中で、1つでも皆さまがもし拾えて活用できるものが見つかりましたら幸いです。
この件に関連して、より良い会議に向けて、ご興味の有られる方はビジネス未来&Co.にご一報戴けましたら、いつでもWEB等で気軽にご相談にのれる体制があります。皆さまのご連絡をお待ちしています

(井上)

#175  2024/3/19
企業経営と学校運営
~ それぞれの講演を聴き、共通点に気づいた ~

 先日、たまたま2つの講演会に連続して参加する機会がありました。1つは経営コンサルタントの方、もう1つは地方議会議員の方の講演で、会場・主催者・講演テーマは全く異なるのですが、両者の主張に共通点が多くてとても興味深かったので、今回のコラムはこの話題を紹介します。

◆ 上司道講演

 “上司道は、リーダーとしてもっと成長したい人、リーダーシップを発揮してチームの成果を上げたい人、リーダーとしての考え方、スキルを学びたい人のための勉強会で、私は2020年から参加しています。この回は、経営コンサルタントの吉野創氏の講演で、以下のような内容でした。

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「指示なしで動くチームの作り方 ~管理せずに最大の生産性を上げる自走式組織Ⓡ~」

 普通、経営者は社員のことを「会社の業績UPを考え、会社のために仕事してくれるはず!」と思いがちですが、約80%以上の社員は会社ではなく「自分」のことを考えています。
 
しかし、経営者が会社の目的は利益を上げることと考え、「やらされ感でもなんでもいい。時短・効率化せよ。数字が仕事だ」と“恐怖心”や“アメとムチ”という外発的動機付けで部下を動かしても、それは一過性のもので継続性はなく、効果は短期的・限定的です。
 
逆に「会社は社員が幸せになるためにある。会社で働く人が幸せになる道をみんなで考えて創造しよう」という経営を目指すことで、社員は自発的に仕事に向かい、楽しく充実し、価値を生み、感謝される。結果的に報酬も増えることになる。という内発的動機付けは、企業・株主の利益と社員・家族の幸せを両立させることにつながります。「幸福感の高い社員の創造性は3倍、生産性は31%、売上は37%高い」「幸福度が高い従業員は欠勤率が低く、離職率が高い」という調査結果があり、今や「幸せな人は、生産性・創造性が高い」は世界の常識です。
 
上司の役割は「見本」「信頼」「支援」の3つの要素を使って自立型の人材を育成することです。
 企業は、給与や福利厚生を充実するだけではなく、社員の仕事観(働く意義・姿勢)を考える機会の提供や、社員が自発的に提供価値を創造し、高める環境、仕組みの構築に、もっとエネルギーを注ぎましょう。
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◆ 教育文化講演

 私の高校の先輩で、妻の元同僚でもある地方議会議員 たけむら雅夫氏の講演会を、初めて聴講しました。なお、会場の雰囲気から私以外の参加者は全員が現役教師または教師OBと思われます。講演は以下のような内容でした。

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「忙しすぎる子ども・忙しすぎる先生 ~日本の学校教育はどこで間違ったのか~」

 学校教育は「学力向上」に主眼が置かれるあまり、表面的な「点数」に振り回された結果、本来の目的であるはずの「考える力・創造力・応用力」などを養うことを忘れて「成績公表」や「競争によって学力が向上する」といった皮相な論議が横行しています。
 その結果、全国学力・学習状況調査において、都道府県や学校の成績は「平均点」で評価されるが、子どもたちの学力は比較的高い学習意欲を維持しているグループと意欲を失っているグループに二極化した「フタコブラクダ」型になっていると言われるようになりました。

 上記調査で毎年高い成績を上げている秋田県は、過去に学力日本一になった東成瀬中学校のある東成瀬村には学習塾は1つもありません。実際にこの村を視察させていただき、ここでは子供たちの“競争”ではなく“共走、共育”により全員の学力が上がった結果、平均点も上げることができたことを知りました。
 逆に、この調査の試験日に一部の子どもを休ませることで好成績を上げようとしたことが発覚して社会問題になった首都圏の自治体もあり、学力の二極化も大きく関連すると思えるメンタル疾患・いじめ問題・不登校などの問題を多く抱える日本は国連から勧告を受けています。
 
学習意欲を失っている子どもたちに、どのようにして「勉強は楽しい」「学校は楽しい」と思ってもらえるかが、今の日本の学校教育にとっての大きな課題です。

最後に

 お二人の主張に共通していることは、人と組織を成長させるのは、「競争と強制」や「アメとムチ」ではなく、上司(教師)から部下(生徒)への「信頼と支援」や社員や生徒の「自発性とやりがい」であると感じました。とても共感できる主張と思う一方で、現実社会ではあらゆる分野でまだまだ前者の例もまん延しているとも感じます。
 実際、私が仕事で職場環境改善活動を支援しているさまざまな企業における“高ストレス職場”の多くは、仕事のノルマに追われたり高圧的な上司の下で社員が疲弊しており、さらにはメンタル休職や離職が止まらないという悪循環に陥っているケースがほとんどです。また、こういった職場の多くでほとんどの社員が仕事にやりがいや面白さを感じていません。これでは生産性の高い職場も社員の幸福も実現は難しいという、会社にとっても社員にとっても不幸な状況が起きています。このような会社や職場を減らすためにも、経営者や管理職の意識改革が求められると思います。

参考資料)
・ハーバードビジネスレビュー20125月号「幸福の戦略」P6263
・DIAMOND online「考える」を学校でどう教えるか 2015.12.5

(田村)

#174  2024/3/12
CO2削減はいつになったら?
~ CO2排出量の実態 ~


 前回の私のコラム#165で世界198か国が地球の温室効果ガス(GHG; Greenhouse Gas)気候変動問題について話し合うCOP28(Conference of the Partiesの略で、国連気候変動枠組条約の締約国会議)が開催され、温暖化対策のPDCAサイクルが回り始めたことを報告しました。
 
また、日本がCOP284年連続化石賞を受賞したこととその授賞理由が、化石燃料である石炭火力発電を廃止でなく高効率石炭火力発電に置き換えていくのは化石燃料の温存だ、と言うこと。そして、脱石炭世界連盟に2023/12/02に米国が加盟し、G7で加盟してないのは日本のみである、という理由であることも報告しました。
 
今回の日本の化石賞受賞の理由から、CO2の削減は実際どうなっているのか、削減以前にCO2の排出量はどうなっているのか、が気になって調べてみました。調べてみてわかったことは、驚きの一言と、何故?、でした。

1)驚きは、下記CO2排出量グラフ1(*1)より、世界計(合計)のCO2排出量の増加グラフは、中国単独の排出量の増加グラフにほぼリンクして見えることです。更に、CO2排出量の多い10ヶ国のグラフ2(*1)より、2001年にWTOに加盟した後の中国の排出量は、世界の工場として排出量を出し続けて、2020年のコロナ過でも他国のように下がることなく排出を伸ばし、全世界の排出量の1/3を、2番目に多い米国の2倍を排出していることに驚きました。

2)そして、何故、中国が2019年に一度受賞した後もこれだけCO2を排出しているのに化石賞を受賞しなくて、削減基調の日本が連続して4回も受賞しているのか、ということです。何故断トツでCO2を排出し続けている中国が化石賞を受賞しないで、削減に技術的な可能性を求めている日本が受賞するのか、私なりの個人的偏見で推測してみます。

  1. 化石賞の授与を決めているNGO CAN(Climate Action Network)は、遺憾砲ばかりで文句を言わない日本はいじめ易いから。そして、技術的に頑張っているので、“期待を込めて”と授与する言い訳がし易いから
  2. NGO CANは、WHOと同じく、パンダハガーだから
  3. COPNGO CANにとって、年に1回のお祭りであり、化石賞を授与して存在感をアピールするには、戦狼外交の中国は怖いから

​3) 中国の習主席は、2020922日の国連総会のビデオ演説で、二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに減少に転じさせ、2060年までにCO2排出量と除去量を差し引きゼロにするカーボンニュートラルを目指すと表明した。*2
上記グラフのペースで2030年までCO2を排出し続けて、本当に2060年までにカーボンニュートラルを達成できるのか、個人的には心配です。

4)前回のコラムで、日本の温室効果ガス観測衛星「いぶき」の観測データを使ってモンゴルのCO2排出量を検証する取組みが成功したことを報告したが、COP28期間中に、日本政府は下記図1が示す観測衛星「いぶき」の調査結果が中国の公表値と食い違っていることを報告し、中国側に報告書の内容を提供した。*3

《図1;読売新聞オンライン 2023.12.8 より》*3

日本政府では、日米で同じ条件下で観測値と公表値の食い違いはなかったことを確認しており、断トツの中国の排出量が更に上振れする可能性があります。

 今回の日本政府の指摘はCO2の排出量削減のPDCAを回すためには不可欠なデータであり、中国だけでなく全ての国に適用できれば、貢献度は計り知れないと考えますが、NGO CANは日本の化石賞を取り下げてくれるのでしょうか??

【引用元】
 *1; 資料:GLOBAL NOTE 出典:EI(Energy Institute)
 *2;BBC NEWS JAPAN  2020/9/23
 *3; 読売新聞オンライン 2023/12/8

(片岡)

#173  2024/3/5
H3、打ち上げ成功!!


いままで、「空飛ぶクルマ」や「航空機」など動くものについて、いくつかコラムで触れてみましたが、今回は、皆さんもニュース等でご存知の「H3打ち上げ成功」にちなんだ話題に触れてみます。

ところで、皆さんの子供の頃の夢は何でしたか?
私の夢のひとつは、「ロケットに乗って宇宙に行く」こと。子供の頃、よく押し入れの中を宇宙船に見立てて遊んでいました。就職先もロケット関連の事業を持つ企業に入りました。残念ながら、ロケット事業に携わることはできませんでしたが、今でも宇宙関連の話題にはワクワクするところがあります。
 

まずは、皆さんに日本のロケットや人工衛星に関する問題です。おわかりになりますか?
(参考:JAXAホームページ等より)

第1問:日本で最初に人工衛星を打ち上げたロケットの名前は?

  1. ペンシルロケット
  2. L(ラムダ)- 4 S ロケット
  3. N-Ⅰロケット
  4. H-AH2A)ロケット

第2問:日本で最初の人工衛星の名称は?

  1. きく
  2. おおすみ
  3. ひまわり

第3問:現在の日本の主力ロケットであるH‐ⅡAロケットの打ち上げ成功率は?
2024113日現在)

  1. 100%
  2. 97.9%
  3. 85.7%

<問題の答え>

1問:正解 2. L(ラムダ)- 4 S ロケット

  • 日本で最初の人工衛星は、東京大学宇宙航空研究所が開発した全固体ロケットL(ラムダ)-4Sロケットで、1970年(昭和45年)211日に打ち上げられました。4回の失敗の後、5号機での成功でした。
  • 1.ペンシルロケットは直径1.8cm、全⻑23cmという大きさから、「ペンシルロケット」と言われていました。日本の固体ロケット開発は、東京大学生産技術研究所の故・糸川英夫が中心となって開発した「ペンシルロケット」から始まったと言われています。
  •  3.N-Ⅰロケットは、米国のデルタロケットの技術や構成要素を基に開発、製造された日本初の人工衛星打ち上げ用液体燃料ロケットです。
  •  4.H-AH2A)ロケットは、現在の主力ロケットなので、皆さんもお聞きになったことがある名称ではないでしょうか。信頼性の高い大型ロケットとして2001年 から運用されています。 

2問:正解 2.おおすみ

  • 名称は、打ち上げ場所が鹿児島県の大隅半島に有ったことに由来しています。
  • 尚、1.きくは、宇宙開発事業団が打ち上げた初の人工衛星で、技術試験衛星です。3.ひまわりは、天気予報でお聞きになっているかと思いますが、気象衛星ですね。

3問:正解 2.97.9% (48回中、47回成功)

  • 現時点、H-AH2A)ロケットの打ち上げ成功は42回連続で、成功率は97・9%。ロケットは、打ち上げ成功率が95%を超えると一流と言われているとのことです。
  • 尚、N-Ⅰロケットの打ち上げ成功率は、7回中、6回成功で85.7%。N-Ⅱロケット(N—Ⅰロケットの後継機)は9回中、9回成功し100%です。

 

では 、H3に関する記事をいくつか紹介します。

 H3は17日午前9時22分、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げられた。5分後には初号機で失敗した2段目のエンジンの作動に成功した。その後、目標の軌道まで上昇し、超小型の人工衛星2基を投入した。地球をほぼ1周したのち、ロケットの性能を確認する重さ約2.6トンの電柱型の機器を分離した。
 日本で全く新しい大型ロケットの打ち上げに成功したのは、「H2」の1994年以来で30年ぶりだ。H2を改良した現行の「H2A」が初飛行した2001年から数えると23年ぶりとなる。
(「H3」打ち上げ成功 新型基幹ロケットで30年ぶり 軌道投入、衛星を分離 JAXA:
2024/02/17  日本経済新聞 夕刊 )

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 H3初号機は、今後の日本の宇宙ビジネスの期待を一身に背負って、202337日に打ち上げられましたが、残念ながら失敗しました。従って、今回の打ち上げに際し、関係者のプレッシャーは、相当の強さであったことは想像に難くありません。まずは、素直に関係者の方々に、賛辞を送らせていただきます。但し、今回の打ち上げ成功をポジティブに捉えつつ、 以下のような課題が提起されています。

 ロケットには信頼性とコストの条件が課せられる。スペースXは2022年に61回、23年に96回打ち上げ、いずれも成功させた。第1段エンジンを再利用することで、コストを約65億円に抑えた。
 H2Aも失敗はごくわずかで信頼性は高かった。ただ約100億円の打ち上げコストでは競争力に劣り、政府系案件の受注が大半だ。H3は部品を大幅に減らし、民生用機器を積極採用するなどの工夫に取り組んだ。約50億円という目標を早期に達成するとともに、実績を積む必要がある。
 課題となるのが国内のロケット発射場不足だ。H3の発射場は1カ所しかなく、年6回の打ち上げが限界とされる。顧客の要望に沿った柔軟な打ち上げは難しい。
(成功のH3これからが正念場(社説):2024/02/18  日本経済新聞 朝刊)

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挙げられている課題は 「コスト」と「打ち上げ回数」です。

1)コスト低減

この領域では、私が関係してきた自動車業界の取り組み、技術が反映されているとのことです。

  • 最も重要かつ複雑なエンジンの部品点数削減等によるコスト低減設計開発
  • 民生部品による部品単価低減。競争環境が厳しく コスト低減を常に行ってきている自動車部品の採用。電子部品の約9割を自動車部品等既成品としていくとの声もあり。
  • 生産ラインの効率化。打ち上げを重ねることで、生産効率化に取り組み、打ち上げに伴う費用を大幅に削減。

これらで、打ち上げ費用の半減 約50億円を狙っているとのことです。

2)打ち上げ回数を如何に増やすか。

スペースXとの年間打ち上げ数の差は極めて大きいものとなっています。そのひとつの要因が、国内の発射場が限られていること。現状、大型ロケット(H-AH2A)、H3等)の発射場は、鹿児島県の種子島宇宙センターのみです。一方、スペースXは米国政府が協力することで、複数の発射場が確保されており、日本でも政府の強いリーダシップのもと、大型ロケットの発射場の複数確保が必要です。現在、日本政府も従来は年間数基にとどまってきたロケット打ち上げを2030年代前半に30回に引き上げる目標を示したとのことで、早期実現が望まれます。

米国のリサーチ会社の予測によると、世界の宇宙機器(衛星打ち上げ、衛星製造、地上基地)の市場規模は、2040年に2321億ドル(約35兆円)で、2017年比66%増の成長が見込まれています。宇宙産業は、幅広い分野、裾野の広い分野の技術の集大成で成り立っています。自動車業界に携わっていた者として、是非、宇宙産業の発展に向け、特に自動車技術がより一層活用されて行く姿を引き続きウォッチしていきたいと思います。

さて、3月9日(土)には、スペースワン(日本のスタートアップ企業)が、和歌山県串本町にある「スペース紀伊」から、小型ロケット「カイロス」初号機を打ち上げます。小型衛星を搭載しており、軌道投入に成功すれば、民間では初となります。
こちらも、ワクワクする話ですね。

今後も、ロケット開発、宇宙ビジネスの話題は、目が離せません。
皆さんのビジネスにも宇宙ビジネスに進出するチャンスがあるかもしれません。
是非、ウォッチしてみてください。

(林)

#172  2024/2/27
リサイクルは3Rから6R+Uの時代へ
~ リサイクルも採算分岐点時期はどんどん早まっている ~


もったいない精神の実行はグルーバルには3Rから始まりました。
それでもなかなか採算分岐点に乗らずにリサイクル品のコストは高い、再利用率は低いという一般的覚があります。

いよいよ新時代が始まります。

採算分岐点早期化に向けたキーワードと6R+Uの考え方について考えてみたいと思います。

◆ 大きな視点から電池のリサイクルの状況を見てみましょう。

Reinforz Insight編集部20231224には
『2024年のバッテリーリサイクル市場は、新たな挑戦とビジネスの展望を迎えています。市場は2023年の185.8億米ドルから2028年には314.1億米ドルに成長し、予測期間(2023-2028年)のCAGRは11.07%を記録すると予測されています。リチウムイオン電池の価格下落や電池廃棄物処理への関心の高まりが、市場を牽引する主要な要因です。』

また、PwC20241月レポートには

欧州車載電池市場では
電動化率の上昇に加えて2030年に欧州のセル生産量が約900GWhに達すると、2040年には約6,000ktの退役電池が生じ ることとなり、欧州におけるEV車載電池リサイクル市場を押し広げる。

規制による後押し
アジアの規制を受け、欧州は2023年に規制体系を改定。特に2031年以降はリサイクル効率を70%に引き上げることを 義務付けた。

電池リサイクル技術
着実なテクノロジーの進歩とサプライチェーンの確立で、ハブ拠点にて
40kt、スポーク拠点にて10ktを分散処理するリサイク ル体制により最大50%のコストダウンが期待できる。

2030年における欧州の車載電池リサイクル市場展望
欧州の車載電池リサイクル市場には、2030年までに20億ユーロ超の投資が見込まれる。2035年に向けてさらなる市場成長に対応するためには70億ユーロの追加投資が必要である。

考察と提言
車載電池リサイクルは規制のハードルを乗り越え、約80億ユーロ規模の市場へと成長するとともに、電池価格低下(:正極活物質が2~4ユーロ/kWh)をもたらすことで、経済合理性のあるサステナブルなビジネスになる。』

上記のいずれの調査でもリサイクルの体制拡充や退役バッテリーがドンドン出てくることは予想されています。

◆ 採算分岐点早期化に向けたキーワードは何になるでしょう。

ここでは4つのキーワードをあげたいと思います。

1)量の拡大効果
2)ハブ&スポーク
3)リサイクル新技術
4)用途拡大とアップサイクル

キーワードを見て感じるには、1)の量の拡大効果については経済拡大効果、投資回収の早期化というように確かにわかりやすいと思います。2)のハブ&スポークについては企業間の協業が必要になります。日本でかんがえるなら、北海道、東北、関東、中部東海、関西、四国中国、九州というようなブロックごとに1箇所ハブとなる大規模リサイクル工場を置きます。各県には仕分け・大きな分別と処理を行うスポーク工場を置くことを想定します。これらの運営に参加各社が分業して役割を果たすという考え方です。今の日本ではこれを実現するための母体としてはB A S C(電池サプライ協議会)が考えられるかもしれません。3)の新技術としては、今までは湿式精錬が着目されて日本でも新工場もそろそろ立ち上がる時期を迎えています。さらに100倍の効率と言われる超音波精錬が実用化に向けて動いています。個人的には100倍には懐疑的ですが相当の精錬効率向上と精錬に必要なエネルギーの削減は可能なようです。(https://www.hielscher.com/ja/ultrasonics-for-the-recycling-of-lithium-ion-batteries.htm
4)の用途拡大とアップサイクルについてはちょっと聴き慣れないかもしれません。用途拡大の視点としてリサイクルバリューチェーンで考えてみましょう。3R(リデュース、リユース、リサイクル)から6R+U(リヒューズ、リデュース、リユース、リメイク、リプロダクション、リサイクル、アップサイクル)に向かうと言われています。それぞれで何が違うのかは諸説はあります。いずれにしても、キーワードの1)~3)で再生材料がたくさん出来てきても、それをどうやって何に使うのかが見えないと先には進みません。そこで着目されてきているのがリサイクルバリューチェーンの中でも“アップサイクル”というわけです。

◆ “アップサイクル”って何?

アップサイクルの現状認知度は30%程度のようです。

一応、定義としては: https://spaceshipearth.jp/upcycle/#:

『アップサイクルとは、廃棄予定であったものに手を加え、価値をつけて新しい製品へと生まれ変わらせる手法です。別名「クリエイティブ・リユース(創造的再利用)」とも呼ばれており、素材や形などの特徴を生かし、より良いものへと作り変えます。』

わかりにくいですよね。リサイクルと違い、原材料まで戻すことはしない。リユースとかリメイクとかとは違い、元々とは違う機能転用しかも元々よりも高付加価値にする。

手っ取り早く言うと(ちょっと間違ってるかもしれないけど)電池をニッケルとかマンガンとかまでの材料には戻さず、電池以外の他用途に利用して電池以上の付加価値を提供する。

本当にそんな他用途があるのかがポイントで知恵が試されます。電池以外では90年代から開発されていて実例も多く掲載されています。この実例をパクって電池に置き換えるようなワークは面白いかもしれません。
20236月のJETROレポート
米国における EV 用バッテリーの リサイクル事業の現状と見通し調査
ここでも言葉としては出てきて、国の予算をつけて開発するとありますが実例は出てきていません。ここはチャンスです。皆さんでアイデアを出す価値はあると思います。

 電池が大量に退役してくるまであと5年。いよいよ本格的に用途拡大に向けた技術開発の時代が来るでしょう。そのためには今の電池パック開発になんらかの技術を先行して織り込んでおくと退役時点で大きなメリットにつながるかもしれません。そのためのビジネスチャンスはすでに広がっています。

(東出)

#171  2024/2/20
“頑張りすぎない介護”に見る外部支援活用の有効性


 2/11(日)のNHKニュース『おはよう日本』の中で、増えているビジネスケアラーに関する特集が放映されました。この特集を見ながら、私たちコンサルタントを活用頂くことへの気付きや理解の深まりに繋がると感じたので、今回はこの特集内容を紹介・引用しつつ、活用の有効性のイメージを持って頂きたいと思います。

■「頑張りすぎない介護」とは、そして「ビジネスケアラー」とは

 親の介護が必要になった時、多くの人が自分の時間を削ってでも献身的に介護しようとするのですが、「長期的に見れば」、逆に頑張り過ぎない方が介護する側/される側双方にとってプラスになる、という考え方が「頑張りすぎない介護」なのだそうです。少子化や労働力不足の中、働きながら介護を担う人がいますが、それを「ビジネスケアラー」と言い、2030年には約318万人にも上るそうです。(経済産業省「会議政策」より) 「国は企業が取り組むべき支援策の指針を3月までに策定する」とNHKは伝えています。

■仕事と介護/本業仕事と改善プロジェクト ~関係性の類似性~

 特集では「仕事と介護の両立のノウハウ」について解説しています。ビジネスケアラー支援会社の方は「介護が必要になった時に子供から急に『同居しよう』はNG。介護される側は強がる。介護者が『言うことを聞いて』と言ったら、感情的になって手が付けられなくなる」と指摘しています。日ごろから相談することが大切だとして、「“頑張っちゃう介護”だと疲弊してしまう。気持ちも暗くなる。自分でも経験したことだから、皆さんにも経験してほしくない」とも語っています。

 この話を聴きながら、私がこのビジネス未来&Co.を創業した想いと通じるなと思いました。会社でもそうですよね。身内(内部・他部署)からの意見には聞く耳が持てない、指摘にはなかなか応えてもらえない。そこでひとり頑張ってもうまくいかずに失敗する…といった具合に。私たちも様々な失敗を経験してきたからこそ、皆さんには失敗してほしくないし、そこには日頃から良き相談者が必要だし、私たちがそうなれれば良いなと。

■取組み事例

いくつかの事例が特集では紹介されました。

◆認知症の母親の介護をすることになったキャリア女性。同居せずにプロのチームに任せた例

 ケアマネージャーへ相談し、娘さんをリーダーにチームを編成。以下の図のようなフォーメーションで臨みます。

 「どういう体制が自分的に幸せなのか?を自分中心で一度考えてみて、自分よりもヘルパー(支援者)がやる方が上手なのは間違いないので、“お願いできるもの”は“お願いできる範囲”でお願いした」、そして、「“自分がやることに意味がある”ことは自分で出来ると思うので、気負いすぎない」と、リーダーである娘さんは言っています。そして、日常の運営は、コミュニケーションではLINEを活用し、異変があったらすぐに駆け付けられるようになっています。費用も介護保険を活用して、月額6~7万円で済んでいるそうです。
 同居介護者である父親も「様々な人が関わる今の体制が家族にとって一番良い」「こういうスタッフが周囲にいなかったら、こんなに良い家族関係は維持できていない」「リーダー(娘)がひとりで頑張ろうと思っても、仕事を持ったら絶対無理だから、無理のない範囲で来てくれるのが良い」と語っています。

私たちの会社ビジネス未来&Co.は、まさにこの考え方と同じくするところで、様々な専門メンバーが集っています。そして、“気軽な良き相談相手”という形でお付合いさせて頂けるよう、サブスクリプション形態でのサービスも提供させて頂いています。下の図のような形で、“頑張りすぎない”を応援することが出来ると思っています。サブスク型のご相談のコストイメージもほぼ同じくらいです。

◆“頑張りすぎない介護”の体験談を聴いていて、スムーズに介護生活をスタートできた人

 この方もキャリア女性ですが、「“介護は情報戦”なので、知っている/知らないでは大きく違うと思う。介護リテラシーを高くしていかないと。知っているだけでなく、いつ使うか?」と重要性を指摘しています。この観点もコンサルタントなど外部支援者を使う価値や効果に通じるところです。

◆企業も重要性に気づき始める ~企業の取組み~

 この介護スタイルへの支援を会社制度に組込んでいる企業例を紹介しています。管理職の方が「企業にとっても介護が引き金で会社を辞めてしまうのが最悪のシナリオであって、自分たちが出来ることは何か?と考えた」と話しています。そして、介護者である従業員も、“大切なことの気づき”として「子供の頃のエピソードや仕事での苦労話など介護を始めてから知ることも多かった」と。

 会社でも改善プロジェクトを行なうと効果として現れるのが、まさにこの点。担当者は旧来の仕組みの導入経緯を知る機会になり、外部支援なども受けながらプロジェクトを遂行する中でその苦労やポイントを知る・経験することで、仕事の重要性や作業への理解が一層深まった、という声になり、大きな知見が磨かれて次世代へ転写されていく形になる訳です。

“経営陣の意識改革”が必要

 ビジネスケアラー支援会社の経営者は、「“仕事と介護の両立”となった瞬間、“キャリアは諦めるしかない”とほとんどの人が思っている。その暗い雰囲気を変えて、『仕事と介護は管理ができるプロジェクト』なんだと」 「“情報はここにあるよ”・“これをやった方がいい”と企業がサポートしていく」というような経営側の意識改革の必要性を指摘しています。

 改善プロジェクトに対する社内モチベーションの形成にも似たようなことがあります。このリーダーに選ばれることをネガティブに受け止める方が比較的多い印象を持っています。この機会は、社内の牽引役でもあれば先生にもなる人財を育てる「場」となります。改善・改革は、大なり小なり、プロジェクト的な立ち位置に置かれるものでもあり、そこを昇進・昇格のプロモーション機会に置くもよし、エキスパート育成の為の機能と置くことも出来ます。いずれもその重要性を社内に認知させるという意味で、経営陣の役割は小さくないと思います。

 井上二郎アナウンサーもまとめコメントで「介護には罪悪感みたいなものがあると聞きます。その時に“頑張りすぎない”という言葉を自分に投げかけてあげることで、次に踏み出す道が見えてくるのかな、と感じた」と話しています。改善プロジェクトでも、アサインされたメンバーがひとりで抱え込んでしまったり、ネガティブな思考(役割損に感じる)にならないよう、経営も含めた周囲が協力し支えあうことが、結果的に全体改善と新しい文化の醸成に貢献すると思います。

 特集の最後で、『仕事と介護の両立のポイント』として「特に重要なのは『初動』。異変を感じたら、素人判断はせずに、すぐに相談すること」を勧めています。これは「改善活動」のキッカケとも通じます。“気づきの段階から私たち経験者の知見を是非活用して頂ければと思います。

【引用】
 NHK NEWS 「おはよう日本」 『頑張りすぎない介護 仕事と両立できるノウハウ』 2024/2/11

(鯨井)

#170  2024/2/13
サッカー日本代表森保監督の
ボトムアップ型マネージメントについて


 今回のコラムは、20232月に紹介した「サッカー日本代表森保監督のリーダーシップ」の第2弾となります。 

 2024年1~2月にカタールで開催された「アジアカップ2024」において、サッカー日本代表は、イランに1-2で敗戦してしまいました。アジアカップまでの親善試合を10連勝し、圧倒的な得点力を発揮し、優勝候補筆頭として、日本中が大きな期待を寄せていただけに非常に残念な結果となりました。

 加えて、グループステージの対イラク戦でロングボールを蹴り込む戦術に苦戦して負けた経験を活かせず、対イラン戦でも、同じようなロングボール戦術に対して、戦術の修正や適切なメンバー交代もできず、無策で一方的な完敗だったことから、試合後、森保監督に対する批判が拡大している状況となっています。

 アジアカップ以前は、親善試合10連勝と結果を出していたこともあり、2期目となった森保監督の「ボトムアップ型」マネージメントが賞賛されていた雰囲気も合ったと思いますが、アジアカップでの準々決勝敗退および試合内容が悪かったことから、「ボトムアップ型」マネージメント」の崩壊、限界という言葉での森保監督への解任論まで及ぶ批判が激しくなっております。

 では、今回、これまで継続してきた「ボトムアップ型」マネージメントで臨んだ日本代表に何が問題あったのでしょうか?

 意思決定スタイルには2つの方式、「トップダウン型」と「ボトムダウン型」があることはご承知の通りです。簡単に言うと、トップダウン型は、会社やチーム全体の意思決定をトップレベルのリーダーのみで行うものであり、ボトムアップ型は、そのような意思決定においてプロジェクトに直接参加している人達の意見も踏まえて、意思決定を行うマネージメントスタイルです。

 ボトムアップ型でプロジェクトを進めるケースでは、実際にプロジェクトに関わる各メンバーが意見や提案をトップ層とシェアします。そしてその現場の意見を、上層部が了承するという流れが、このボトムアップのプロセスです。最終的な意思決定はトップであるリーダーが行いますが、現場からの意見やアイデアを基にする意思決定という点で、トップダウン型とは異なります。

 通常のサッカーの監督のスタイルは「トップダウン型」がほとんどですが、「ボトムアップ型」はトップダウンで生じる問題の多くを解決できますし、このアプローチは、サッカーのようなクリエイティブなチーム作りや、選手間のリレーションシップに有効に働く部分もあると考えます。

 それでは、「トップダウン型」と「ボトムアップ型」のメリットとデメリットはどんなものでしょうか? まとめると次の表の通りとなります。

 今回の森保監督の批判は、アジアカップで優勝できず、敗退したことに対してですが、それだけではなく、チーム内マネージメントの問題に対してもあるようです。
 
今回の日本代表の「ボトムアップ型」マネージメントにおいて、上記表のデメリットにある「②個への負担、責任が大きい」ことと「③全体像を詳しく把握し難い」の2点が顕在化していた様子が伺えます。この2点のデメリットが顕在化している例として、MF守田選手のコメントとそれに対する森保監督の説明を挙げてみます。

 まず、対イラン戦後のMFの守田選手のコメントの要旨は次の通りです。

<日本代表MF守田選手のコメント要旨>

  • もっとアドバイスとか、外からこうした方がいいとか、チームとしてこういうことを徹底しようとかが欲しい。チームとしての徹底度が足りない。
  • プレイヤーとして、チーム全体のことを考えないといけないが、そこの決定権がプレイヤーにある必要はく、プレイヤーは最後の微調整だけでいいのかなと思う。
  • チームとしてやろうとしているスタイル、チームとしての哲学があっても、現在のチームのパフォーマンスは、人次第、質次第になっており、そこに差は必然的に出てくるもので、チームでの狙いをもっと明確にしないとだけど、受け身になる。 

 これに対して、森保監督は、日本帰国後のインタビューで、上述の守田選手のコメントに関して、次のように説明しています。

<森保監督の守田選手コメントに対する説明主旨>

  • チームの基本的なコンセプトやベースの部分と、対戦相手とのかみ合わせの中でのコンセプト、ベースを選手に伝えている。
  • すべての起こりえる局面を全部細かく伝えることができるかと言うと、いろいろな局面がサッカーでは起こるし、1回として同じ局面は実はない。チームが活動する中で、少しずつ全ての局面に対応できるようにコンセプトは積み上げている。
  • イラン戦は選手がうまく局面を打開できるだけのコンセプトの共有ができていなかったというところはあったかなとは思う。
  • イラン戦での経験が一つ積み上げとなって、次へのチーム力につながっていくと思っている。選手ができるだけ思い切ってプレーできるように準備していきたい。 

 この守田選手と森保監督の説明を見ると、守田選手は「ボトムアップ型」のデメリットである「②個への負担、責任が大きい」ことと「③全体像を詳しく把握し難い」の2点の問題点を指摘しているのに関わらず、森保監督はそれらのデメリットの改善に関する説明が無く、日本代表の「ボトムアップ型」に軋みが出ていることも見受けられます。

 森保監督は、チームの基本的なコンセプト「良い守備から良い攻撃へ」「攻守切替を早く」をより徹底し、試合では、ロングボールも含めた相手の戦術に対して、選手自身の局面打開能力を高めることにより解決するアプローチを継続する考えのようです。しかし、「ボトムアップ型」の致命的なデメリットを意識したマネージメントを行わない限り、監督と選手間の本質的な隔たりは簡単に解決しないように思います。

 「ボトムアップ型」では、チームメンバーが意見を出し合って一部の考えをまとめても、その考えを全体像にまとめる機能が弱い事は明らかなので、守田選手のコメントから想像すると、現在の日本代表チームは、「選手の個々の意見に対して、全体の連携を取ってアドバイスをすること、戦術の狙いを明確にする」ことの機能が弱いものと推察します。この点を解決しないと、今回のイラン戦の問題を繰り返すことになるかもしれません。

 元々、コミュニケーション能力の高い森保監督ですので、上述した「ボトムアップ型」のデメリットに気づき、チーム内のコミュニ―ケーション、決定プロセスを改善し、さらに日本代表が強いチームになることを期待します。

(参考)Asana 意思決定方式「トップダウン」と「ボトムアップ」の徹底解説https://asana.com/ja/resources/top-down-approach

(田口)

#169  2024/2/6
プロジェクトマネージャーは本当に必要ですか?
~ “やはり必要だ”と再確認できたオーケストラ指揮者の役割 ~

 TBSテレビで放送中の日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』を観ていらっしゃいますか?天才指揮者だったが、“ある事件”で家族も音楽も失った父親・夏目俊平(西島秀俊)と、そんな父親を拒絶し、音楽を嫌う娘・夏目響(芦田愛菜)が、地方オーケストラを通して、失った情熱を取り戻し、親子の絆と人生を再生させていく、アパッシオナート(情熱的)なヒューマンドラマです。

ドラマの一場面で夏目俊平のことば
『指揮者が居なくても演奏は出来ますよね。お互いの音を聞き合って、イメージを伝え合って、君はこうしたい、僕はこうしたい。じゃあ一緒にこっちに行ってみよう。音と音で会話をしていく。指揮者も同じです。音で語る代わりに、手で、表情で、体全体でイメージを伝えます。一緒に奏でる人とイメージを分かち合えた時、魔法の様な時間が生まれます。別の世界に行ける。それはとても幸せな時間です。あぁー生きてるなぁって感じる時間です。』

 このことばに心が打たれました。指揮者と奏者が一体となって音楽を奏でているということに。
 そして、“指揮者”の役割は、私が従事してきた“プロジェクトマネージャー”とまったく同じであるということにも非常に共感し納得しました。
 
では、なぜ私がその様に思ったのかについて書いてみました。

 私は長年 製造業で新商品プロジェクトの“プロジェクトマネージャー”を担ってきました。
プロジェクトマネージャーとは、ある新商品の準備業務の計画や日程、目標などを策定し、それを期日までに達成させるチーム活動のまとめ役です。
 しかし、皆さんの中には、「プロジェクトマネージャーは本当に必要なのか? プロジェクトマネージャーが居なくても、プロジェクトメンバーだけで進捗できるのではないか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 例えば、組織、分担や業務の社内ルールが決まっていて、プロジェクトの目標や日程が明確で、プロジェクトメンバーがお互いに連携を取り合えているのならば、つまりコミュニケーションの良い組織が基準書に則って従事していれば、プロジェクトはスムースに進捗でき、もし何か問題が発生しても、プロジェクトメンバー自らが解決してくれるのではないか?
 また、プロジェクトマネージャー自身は、「図面を書いたり」、「生産設備を準備したり」、「部品を調達したり」というような何かをアウトプットする訳ではありません。全てプロジェクトメンバーの成果ですから。
そうなれば、“もうプロジェクトマネージャーは必要ない”と思えてしまいますよね。 

でも、本当にそうでしょうか? 実は私も自問したことがありましたが、今は「プロジェクトマネージャーは絶対に必要である。」と私は思っています。

今回観た“指揮者のドラマ”をきっかけにして、“指揮者の役割”について調べてみました。

1.本ドラマ制作で指導にあたった東京音楽大学指揮科講師:米津俊広氏のインタビュー記事より抜粋

オーケストラの中で、観客に背を向けて一心不乱に身体を動かしてオーケストラを操るのが「指揮者」。しかし、素人目には指揮者って本当に必要なの?と思うことはないだろうか。

◆オーケストラにおける指揮者の役割を教えてください。◆
 
たとえば、信号機のない交差点で、ドライバーや歩行者がルールを守れば事故は少ないでしょうが、やはり交通整理の方が立っていてくれたほうが安心できます。それと同じように、指揮者は奏者たちの前で合図を出しながら、安心して演奏できるように促すという大きな役割があります。
 また、それぞれ音楽に対する異なるイメージを持った音楽家が集まれば集まるほど、演奏の方向性がバラバラになりがちなので、指揮者にはオーケストラが目指す方向を示し、演奏をまとめあげる役割もあります。

(中略)

◆指揮者によって演奏はどう変わるのでしょうか?◆
 
抽象的ですが、指揮者は奏者が音を出す前の心理をポジティブにする必要があります。指揮者が力んでしまうとうまくいかないですし、前向きな気持ちを引き出すやり方、奏者への思いやりのかけ方に個人差が出て、それが演奏に関わってくるものだと思っています。

2.株式会社 椿音楽事務所 講師ブログより引用

◆演奏者のまとめ役となること
 
指揮者のもっとも大きな役割は、演奏者のまとめ役とし、まとめた結果、作品に一つの思想や個性を与えることです。他の職業に例えると、映画監督や舞台演出家、バレエの振付け師のような存在ともいいかえられます。
 楽団のメンバーは、指揮の指示ひとつで強弱や緩急をコントロールします。指揮者が的確な指示を出すことで、一丸となってその時々に最適な演奏をすることが可能となるのです。もしも指揮のない状態で演奏するとなると、それぞれのメンバーが自分の解釈で思い思いの演奏をしてしまい、まとまりのない演奏に仕上がってしまいます。
 
すべての解釈や楽器を統率し、きれいにまとめあげることが指揮者の最大の使命なのです。

◆演奏者の表現力を高めること
 
演奏者の表現力を高めることも、指揮者の役割です。
 
練習へ入る前に譜面を見ながらすべてのパートの音程やリズム、音の強弱を頭に叩き込み、作品解釈や表現方法について分析します。その内容を指揮を通して演奏者に伝えることで最適な演奏を引き出し、表現力を高めていくのです。ただ楽譜通りの演奏をするだけであれば、練習を積めば演奏者だけでもできます。
 
しかし、そこからさらにワンランク上の仕上がりにするためには、指揮の存在が欠かせません。

 このインタビュー記事やブログを読んで、“プロジェクトマネージャー”は“指揮者”と全く同じ役割だと確信出来ました。

 プロジェクトは、計画書、組織図、マスタースケジュール、管理項目や目標値という様な“楽譜”があって、各部署から選出された優秀な“奏者”で結成されています。
 
しかしこの“楽譜”には全ての仕事が定義されている訳ではありませんから、“奏者”個々人の仕事へのイメージは異なります。“奏者”が多ければ多い程、そのズレや誤解が生じやすくなります。
 
また、プロジェクトは途中で条件が変わったり、不具合や日程遅れなどのアクシデントが生じたりして、日々状況が変わるものです。
 
プロジェクトメンバーはそれらの対応や挽回に全力を尽くそうとしますが、誰がいつまでにどのように対処すべきかが、個々人でイメージや方向性はバラバラです。
 
そこで、プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体を俯瞰的に見て、プロジェクトの目指す方向を示して、メンバーが安心して従事できる様にしてあげるという大きな役割を担っています。
 
また、プロジェクトメンバーとの週次ミーティングや日々のコミュニケーションを通じて、潜んでいる課題の先取り、業務の障害となっている事への手助けや困り事の相談などで、プロジェクトメンバーがアウトプットし易い様にしてあげて、モチベーションアップに繋げることもプロジェクトマネージャーの役割です。

 更に、企業としては競争力やブランド力を向上させることを常に考えていますから、プロジェクトへの要求レベルは益々高くなり、条件は複雑になっていくものです。するとそのマネージメントは益々難しくなっていきます。
 
例えば、製品品質の向上、日程の短縮、コストの削減という要求に伴って、プロジェクトメンバーや、関係する部署や企業が増えることとなって連携が難しくなり、情報の共有が適正に行われず、誤解が生じやすくなり、イレギュラーな課題が発生しやすくなり、その対策も進まなくなります。すると社内での衝突や対立が起き、責任回避の為に社内政治に意識が向いてしまい、プロジェクト全体の生産性や効率性は二の次となってしまいます。
この様にプロジェクトの要求レベルが高くなればなる程、プロジェクトは悪い状況に陥ってしまいます。

 これを避ける為には、マネージメントのレベルを上げることであり、それを実行するプロジェクトマネージャーがより重要であるということになります。ここにプロジェクトマネージャーの存在意義があるのです。

 プロジェクトマネージャーに求められるものは、“マネージメントスキル”、“ビジネススキル”、“コミュニケーションスキル”、“リーダーシップ”、“プロジェクト業務の知識“、”社内の基準やベンチマークの知識“などなど、広範囲に渡るスキルや知識が必要とされます。これらを一定以上身に着けるのには、ある職種で実務経験を積みながら、関連業務や会社全体の仕組みや基準の知識を広めることが必要で、その習得には時間が掛かります。プロジェクトマネージメント業務に取り掛かれるのは実務経験10年以上経ってからが目安でしょうか。

 しかし何よりも、「目標達成志向、こだわり」を持つことが一番大切です。プロジェクトマネージャー自身がこの様に取り組んでいれば、自ずとメンバー全員が目標達成志向になり、協力しあい、コミットする意識が生まれ、実現の為に最大限の努力をしてくれるでしょう。どのような環境になっても、アクシデントが起きても、目標を達成しようという熱意・こだわりがあれば、きっと切り開いていけるものです。
 これがプロジェクトマネージメントに於ける「アパッシオナート」です。

 新商品が量産開始され、お客様に向けて工場から出荷される時やお客様から評価を受けた時には、非常に嬉しく感じるもので、今までの苦労なんかは吹っ飛んでしまう程です。プロジェクトマネージメントの達成感、遣り甲斐を感じる時間です。
 
これが冒頭の夏目俊平のことば『一緒に奏でる人とイメージを分かち合えた時、魔法の様な時間が生まれます。別の世界に行ける。それはとても幸せな時間です。あぁー生きてるなぁって感じる時間です。』と重なりました。

(前野)

#168  2024/1/30
リチウムイオン電池 SOH


前回までのSOC・内部抵抗・OCVに続き、今回もリチウムイオン電池の基本的特性について解説したいと思います。SOHState of health:健全性)です。

ご存じのとおり、電池は使用していくと、蓄えられる電気容量や、出力できるパワーが減少していきます。これらを表す指標として、下記の2指標があります。

1)SOH-C

SOC0%~SOC100%で蓄えられる電気量の低下の程度を示します。
当初、100Ahの容量だったものが、90Ahに劣化すると、SOH-C90Ah÷100Ah90%となります。 

2)SOH-R

電池の内部抵抗の増加の程度を示します。
当初は1mΩだった内部抵抗が1.5mΩとなると、150%の内部抵抗増加となります。なぜ内部抵抗が重要かというと、電池の出力できるパワーの減少は、内部抵抗の増加に比例するからです。

解りやすいSOH-C (容量低下)について解説します。

容量低下を引き起こす主因として充放電のサイクル数や時間経過があり、これらを横軸とした図1、図2のような劣化カーブを表すことが、一般的に行われます。

※以下、図1・2は筆者作成

<図1:サイクル寿命劣化>

図1は、横軸の充放電サイクル数の増加で、縦軸のSOHが劣化していくことを、周囲温度別に表記したもの

<図2;保存寿命劣化>

図2は、横軸の保存時間の増加で、縦軸のSOHが劣化
していくことを、周囲温度別に表記したものです。

また、上記のグラフをベースに、パラメータとして、上記の温度条件以外にも、充放電のDODSOCCレートなども用いられます。なぜならば、劣化のスピードは、周囲温度・充放電Cレート・SOC領域により変化するためです。通常、電池メーカからは、代表条件での「サイクル特性劣化」「保存特性劣化」データが提供されますが、実際の使用条件で換算する必要があります。

特異点のある電池も存在しますが、一般的には、上記パラメータとSOHの関係は下記のとおりと考えておけばよいと思います。

  1. 温度が高いと、劣化は早まる。
  2. Cレートが高いと、劣化は早まる。
  3. DODが深いと、劣化は早まる。
  4. SOCが高いと、劣化は早まる。

SOHは、既に述べた電流積算によるSOC推定やSOPに影響しますので、定期的に測定することが必要となります。BMSSOH測定ソフトを組み込むことをお勧めします。

(山田)

#167  2024/1/23
“より有意義な会議に向けてのコツ”こぼれ話
~ シリーズ⑧ Web会議時のコツ編 ~
見せ方・進め方のチョットした工夫!でまるでリアル会議に!


ビジネスに携わる皆さまにとっての日頃のコミュニケーション手段の1つとして、「Web会議」はとても重要な役割が有りますが、上手くいっていますか。何かお困りの点はございませんでしょうか。

Web会議のことでよくお聞きするのは、「パソコンやモニター画面のみで限られた視界でのコミュニケーションに慣れないので、意外とやりとりがスムーズに行き難い。」「あまり経験が無い中で、チョットしたコツで、より上手くコミュニケーション出来たらよいの…」等といった意見です。

実はそこには、皆さんが懐刀として活用できるチョットしたコツがいくつか有るのです。
実際の現場で遭遇した際によく活用し、有効だった手法の一端をこぼれ話として紹介します。

Web会議でのコミュニケーションで困った時のコツ集

<慣れないWeb会議での見え方トラブル! → 回避のコツとは?>

イ)    全員、カメラはオン!
 → 事前要請で徹底する。(TPOで回線パンクや速度低下時はカメラオフで対応も)

ロ)    全員の顔がモニター画面(以下、画面)に同時に並ぶので、自分の顔が極端に大き過ぎたり小さ過ぎたりしていないか!?(笑)
 → 並んだ画面の中で自らがどう映っているかを事前や参集時に画面で先ず確認しましょう。
 → 画面の自画像を見ながら、自らの上下左右、遠近の位置をカメラとの関係で要調整。

ハ)   PCを猫背で映っている姿勢は要注意!
 → 自らの姿勢が猫背や覗き込みにならないように。

ニ)    画面の自らが上から目線(笑)になってないか!?
 → カメラは見下ろし過ぎない位置にセット。見下ろしていると実際よりも鼻の穴が大きく強調されて見えてしまう事も…

ホ)   顔の色や雰囲気の明度が暗過ぎないように
 → 顔への光、照明を意識する要。

ヘ)   顔を明るく照らす照明はお薦めだが…
 → メガネの人は、照明の形状(特にリングライト)がメガネに映り込むので要注意。

ト)    背景と自らの服装との関係性
 → 背景に紛れ過ぎないように。

チ)   バーチャル背景を使いながら、画面を通して現物を相手に見せたい場合は、現物が画面から消え易いので要注意
 → カメラからの(画像として消え難い)距離を保つ事を意識して現物を掲げましょう。

<意外とできていないカメラ目線! → コツを掴んでなれましょう!>

●ヒトは耳で聴くのと同時に目でも確認を欲しますので、Webカメラ目線を発言時には意識しましょう。自らはモニター画面に向かって皆に話しかけていても、Web会議ではカメラ目線でないと効果半減です。
 
→ 特に皆に訴えたりアピールしたい時は、モニター画面の相手で無く、「自らのカメラのレンズ」へのカメラ目線が有効です!コレはWebならではのコツで、強く意識してこのやり方に慣れると効果抜群!です。

<意外とできていない表情・頷き・身振り・手振り! → 画面からはみ出さない範囲を意識しましょう!>

イ)    顔の表情、頷きの様子はリアル会議以上に常に画面で(何名いても同時に並んで)見られていますよ。
 
→ 顔の表情や頷き、は意識して大きめにしましょう。

ロ)    せっかくの身振り・手振りが、意外に(特に手が)画面からはみ出し易い!
 
→ 身ぶり手振り、(エアー)拍手は、リアクションは意識して大きめにしましょう。画面内で動かしてはみ出さずに見える範囲を画面で確認しながら慣れましょう。(特に左右のはみ出し)

ハ)   拍手の音(自己紹介や意見賛同等の時の祝意を拍手で示す)が音声と被ってギクシャクする事も。
 
→ エアー拍手が有効! 皆さまに画面で見えるように拍手を、音を鳴らさずにポーズのみで行います。皆が一斉にやるのが画面で見えますと、とっても壮観で、エアー拍手を浴びた方は気持ちが高揚し、場が和みますのでお薦めです。

<喋る際のトラブル回避 → 勘所を意識しましょう!>

イ)    会話にメリハリ感が無くてやりとりがし辛い
 
→ 緩いルールで「会話は30秒以内で!」等を皆で決めて心掛けると、会話にテンポ感が出て良い雰囲気に。

ロ)    Web会話中に関係の無い音や声がして困った…
 → 音声は、喋る時以外は基本「ミュート(マイクオフ)」に! 予想外に本人が無意識な周りの音をマイクは拾っています。オンライン中にキーボードを打ち込む必要の有る時も相手にかなり聞こえるのでマイクはミュートで!
 
→ 喋りたい時、答えたい時に瞬間的にミュート解除できるように、マイクONボタン位置を要確認!

ハ)   喋りの応酬に加わり辛い場合
 → 喋り意思を示す為に、(画面で見えるように)手をあげたり振ったりすると目立って有効です。ヒトは動くモノに目が行く為、手をカメラ前で振る事で気付いて貰い易いです。画面に上手く手が映る様に試行錯誤で確認・練習しておくと直ぐに出来る様になります。

ニ)    喋りが被ってしまう。
 
→ 喋りが被った時は「先手優先で」と予め緩く決めておくのも一法です。併せて、被った際に先手で喋り終わったら、TPOで「お先にスミマセン」を加える場合も。

ホ)   言葉を発信し辛い場合が有る…
 
→ 「チャット機能」にサラッと打ち込むのも有効です。気付いて貰えなければ、ひと言 その旨を声で発信すれば、瞬時にチャット上のコメントは読んで貰えます。ヒトの見て読む速さは速いです。
 
→ メッセージ的な手あげサインの活用も一法です。

ヘ)   話が複数人で錯綜するので混乱した…
 
→ エチケットルールとして「発言者の話が区切れるまでは被せての発言はしない」ことにする。
 
→ チャット機能を適宜有効活用する。特に、議論の応酬が盛り上がっている場合、意見をチャットに書いて貰い、皆で落ち着いて眺め、共有してから、議論を再開する。
 
→ チャットに出された意見はコピペが可能なので、書記を依頼して、再整理し見える化するのも有効!

ト)    発言者の発信への司会者等の相槌の声が邪魔で、本来の発信者の声が聞き取り辛い…
 
→ 相槌の声は同時に声を出すと被るので、声を小さくしたり目立たない言葉や(TPOでウンウン、フンフン)、タイミングに留意したり、頷きのみにしたりする。

チ)   話がクドクド長いヒトが居る…
 
→ 「発言は30秒ルールで!」を提案し、目安にして貰う。要すれば、タイムキーパーを誰かに依頼し、画面への手振りで合図したり声掛けして貰う事も有効です。

リ)    相手の喋った内容が聞き取り辛かった場合
 
→ 遠慮無くその旨を伝えリピートして貰いましょう。

<その他>

●会議の一体感がWebでは薄れがち…
 
→ 少しでも補う手段を併用する。例えば、叶うならば冒頭にアイスブレークの時間を取る。
例:お互いの共通点や親近感をお互いに共有する。題材例として、出身地、趣味、飼い犬//ペット、最近嬉しかった事、楽しかった事、…等は有効!

<会議室から複数人での1台のカメラへの一括参加>
 (→は極力避け、各自PCからの個別顔出し参加がベター)

●会議室から複数人が1台のWebカメラ&マイクに対して参加の場合の要注意点は
 
 他のWeb参加者は画面に顔が映るのに対し、会議室の中に小さく人影が写る会議室画像はWeb参加の意味がかなり薄れます。リアルタイムでの音声のみが伝わるくらいに考えた方がよいです。
 
 会議室組が喋る場合は、誰が喋っているのか分り難いので、都度、名乗ってから発言する。
 
→ 会議室からの誰かが対話中は、会議室内の他の参加者は私語をしない。(理由:会議室でのマイクは各自の音声を意外に遠くまで拾うので、本来の発言者の声が聞こえ難い事も)
 
 会議室組に同席のPC参加者が居る場合は、会議室のマイクやスピーカーとハウリングを起こす可能性が有り、喋る都度こまめにマイクのオン・オフや、席の場所・向き等、離れて等の工夫が必要な場合も有ります。

【今後に向けて】

今回は、より有意義な会議に向けてのWeb会議での留意点を中心にお伝えしました。
いかがでしたでしょうか? いくつかのこぼれ話の中で、1つでも皆さまが拾えて応用できるものが見つかりましたら幸いです。
この件、及び関連して、会議のより有効化にご興味が有られる方は、ビジネス未来&Co.にご一報戴けましたら、いつでもご相談に対応させて頂きます。皆さまのご連絡をお待ちしています。

(井上)

#166  2024/1/16
あなたは夢を覚えていますか?


私は毎日必ず""を見ます

 私は子供の頃から基本的には毎夜必ず夢を見ています。そして、少なくとも起きてすぐであれば、夢の内容をかなり克明に覚えています。
 以前、“夢日記(夢を見たらその内容を記録すること)”を付けてみようかと思ったこともありますが、毎日あまりに膨大な量(時には何日分もの出来事)の夢を見るので、とても現実的な作業とは思えず、すぐに挫折しました。

 “夢”についての研究

 たくさんの研究者が夢について研究していますが、その中で私の夢の特徴(以下に羅列)に関連すると思われる内容をまとめてみました。

 ●子供の頃からずっと、毎日必ず見続けている

一般的に睡眠は、深い睡眠である「ノンレム睡眠」と、浅い睡眠である「レム睡眠」に分けられ、レム睡眠中はほとんどの人が夢を見ています。
➡毎日夢を見ること自体は特別な現象ではないようです。

 ●昼寝を除き、起きた時は“夢の中の体験のせいで疲れている”と感じる

あまり熟睡感が得られず日中のパフォーマンスに影響がある場合は、レム睡眠が分断されて眠りが浅くなっているのかもしれません。
➡眠りが浅いために疲れている(疲れが取れない)と感じるのですね。

 ●子供の頃は、熱を出すと毎回同じパターンの“怖い夢”を見ていた

発熱はニューロン伝達信号の速度と活動を活発にさせるため、発熱時に見た夢では空間のひずみや暗闇に落ちていく感覚を覚えたり、もしくは恐ろしい生き物に遭遇したりするなど、ネガティブなものとなる可能性があります。
➡なぜか大人になってからはこのような夢は見なくなりました。

 ●過去の記憶、知っている人たちがランダムに共演

睡眠中の脳は、その人が今まで見聞きした情報を整理しています。そのジャンル分けされたライブラリーに貯蔵された記憶を引っ張り出したりまとめたりする過程を脳の中で再生しているのが夢です。
➡年齢を重ねるほどライブラリーの情報が増えるので、組み合わせも多様になる訳ですね。

 ●毎日複数の夢を見る

人は一日に78回ほどレム睡眠とノンレム睡眠が切り替わり、その度に夢の内容も切り替わります。つまり一晩にたくさんの夢を体験するのが「自然な眠り」ということになります。
➡複数の夢を見ることも特殊なことではないようです。

 ●体感時間は非常に長い

人には、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五感があり、どの感覚も現在の時間の流れによるものです。しかし、脳の働きは誰でも猛スピードで進むため、夢では数時間に感じた長さが実際には数十分程度と言うのは不思議ではないのです。
➡“なるほど”という感じです。

 ●目覚める直前の夢の内容は、かなり鮮明に覚えている

起きた直後「抽象的でよくわからない」夢を記憶しているときは、ノンレム睡眠で起床したと考えられます。逆に起床時に覚えている夢が鮮明でストーリーのあるものであれば、レム睡眠中やレム睡眠の直後に自然と覚醒できたことになります。
➡私の場合、レム睡眠中やレム睡眠の直後に覚醒しているということでしょうか。

 ●昼寝をすると明晰夢(めいせきむ)を見ることもある

明晰夢とは、自分で夢であると自覚しながら見ている夢のことです。明晰夢の内容は、本人がある程度コントロールしたり、悪夢を自分に都合の良い内容に変える事が可能です。
➡残念ながら、私は明晰夢の内容をコントロールできた経験はありません。

 ●心地良い夢を見ることは少ない

人はストレスが多くなると眠りが浅くなり、夢を見やすくなります。中でも悪い夢を見る回数が増えるのは、日常生活において精神的な負荷がかかっているサイン。夢の中でも現実世界とリンクした悪夢を長期間見続けているなら、大きなストレスを抱えている可能性が高いでしょう。
➡自分でもストレスを抱えやすいタイプだと自覚しているので、うなずける説明です。

 ●金縛りの経験も何度かある

身体は休んでいるけれど脳は働いているレム睡眠から覚め、睡眠と覚醒の中間くらいの状態になったときに「体が動かせない」と感じる状態が金縛りの正体です。ストレスが多いとレム睡眠の活動が増え、メンタルの乱れは睡眠の質の低下にもつながって金縛りになりやすくなります。
➡確かに極度に疲れた状態で寝た時に数回経験していますが、強い恐怖感を伴う現象です。

“夢”についての私の一番の悩み

 夢に関する私の一番の悩み事は、毎朝目覚めた時に夢のせいでぐったり疲れていることです。
 
対策としては、(誰もが必ず見ているという)夢を見たことを忘れることですが、私の身近にも「夜、布団に入ると、次の瞬間は朝!」という人や「夢は見ていると思うけど、何も覚えていない」という羨ましい人がいます。

""は人によりさまざま

 残念ながら自分の意思で夢をコントロールすることは難しそうですが、できれば心地よい夢を見たいものです。そのためのキーワードは寝る前の「ストレスコントロール」のようです。
具体的には、① 健康的な生活リズム ② 快適な睡眠環境 ③ 寝る前にその日の「できたこと、楽しかったこと、感謝すること」を思い出す という3つの対策をできるだけ実践していきたいと思います。

(参考資料)

  • WENELL 夢を見る理由は眠りが浅いから?なぜ夢をよく見るのか、その仕組みや睡眠の質の改善策などを解説(渥美正彦 医療法人上島医院院長)
  • ログミーBiz 発熱すると悪夢を見てしまう理由(ステファン・チン)
  • 東洋大学WEBマガジン 夢は自分の記憶から作られる?(東洋大学社会学部社会心理学科 松田英子教授)
  • LIFE STYLE 「毎日夢を見る、疲れる」原因は?夢ばかり見て寝た気がしない方へ
  • Yahoo知恵袋(夢診断士のコメント)
  • 東洋経済オンライン「はっきり内容を覚えている夢」の持つ役割(スタンフォード大学医学部精神科 西野 精治教授)
  • 明晰夢(ルシッドドリーミング)モンロー研究所正規代理店 なごみ館
  • 悪夢障害とは~嫌な夢ばかりみるのはうつ病の前兆?~(品川メンタルクリニック)
  • タウンワークマガジン 金縛りはなぜ起こる? 原因・解き方・対策について解説(睡眠総合ケアクリニック 井上雄一理事長)

(田村)

#165  2024/1/9
COP28閉会(アラブ首長国連邦;UAE2023.11.3012.13)
~ COP28結果について ~


 最初に、この度の令和6年能登半島地震により亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。

20231130日から1213日まで、UAEのドバイで世界198か国が地球の温室効果ガス(GHG; Greenhouse Gas)気候変動問題について話し合うCOP28 が開催されました。

*1

先の私のコラム#157で今年のCOP28への私の期待は、「温暖化対策のPDCAサイクルが回り始めること」でした。今回のCOP28の成果を私の期待の点から報告します。

≪温暖化対策のPDCAサイクル≫参考資料;*1*2*3

Plan
私の期待; パリ協定で採択された実施指針が、気温上昇の長期的な目標だけでなく、石炭火力削減方針も明記され、具体的計画であること。

COP28成果: 産業革命後の地球平均気温の上昇幅を2℃から1.5℃までに抑えること、その1.5℃目標達成のため2025年までにGHG(Greenhouse Gas;温室効果ガス)排出量をピークアウトさせ、2030年までに43%、2035年までに60%を排出削減する必要性が認識され、全ガスの排出削減、全参加国ごとに異なる分野別貢献、具体的には、再エネ発電容量3倍・省エネ改善率2倍のほか、化石燃料、ゼロ・低排出技術(原子力、CCUS、低炭素水素等)、道路部門等における取組)が、GST(Global Stocktake; 実績評価)で初めて採択された決定文書に明記された。

Do
私の期待; 以下の各テーマ*4の活動がきちんと取組まれること

【緩和;Mitigation】 温室効果ガスの排出量を減らす取組み

COP28: 化石燃料の今後については、「段階的削減(phase down)或いは廃止(phase out)」に代わって「脱却(transition away)」で合意された。

【適応;Application】 気候変動の影響による被害を回避・軽減させる取組み

COP28: パリ協定第7条の適応の世界全体目標(GGAGlobal Goal on Adaptation)の作業計画下での議論の成果として、GGA達成フレームワークが採択された。

【損失と損害;Loss and Damage】 気候変動の悪影響に最も脆弱な国々やコミュニティーに向けた、資金提供や技術支援

COP28: 基金の大枠についての決定が採択され、世界銀行下に設置、公的資金、民間資金、革新的資金源等のあらゆる資金源から拠出を得ること、などが盛り込まれた。

【気候資金;Climate Finance】 開発途上国の緩和と適応策実施のための資金提供

COP28: 長期気候資金、2025年以降の新規気候資金合同数値目標(New Collective Quantified Goal)、資金に関する常設委員会に関する事項、資金メカニズムに関する事項等の幅広い議題の下で検討が行われた。

【パリ協定第6条;市場メカニズム】 すべての国が自国の温室効果ガスの排出削減目標(Nationally Determined ContributionNDC)等を定める

COP28: パリ協定第62項及び4項は、国連への報告等の詳細事項の見解が一致せず、継続議論となった。 第68項(非市場アプローチ)は、各国の取組を登録するウェブ・プラットフォームの運用や今後の作業計画について決定された。

CA(Check Action)
私の期待; COP28から開始される予定の下記GST【グローバル・ストックテイク;Global StockTake)】であるパリ協定の目的及び長期的な目標達成に向けた世界全体の進捗状況を定期的に確認し、各国がそれぞれの取組を強化するための情報提供を行う仕組みで、下図*5のように回り始めること

COP28: この会議で、パリ協定で掲げられた目標達成に向け、世界全体の進捗状況を評価する「グローバル・ストックテイク」が初めて実施され、第1回グローバル・ストックテイクの成果文書が初めて採択された。各国は、この成果文書を参照して、下図のように各国は5年ごとのGSTの結果を踏まえ、自国の温室効果ガスの排出削減目標(NDC)を更新する。直近では、2025年までに次期目標(2035年目標)を立てることになる。

*3

COP28での懸念点

COP284年連続化石賞を受賞』*6

相変わらず平和ボケが続いているようだ。
授賞理由は、「化石燃料である石炭火力発電を廃止でなく高効率石炭火力発電に置き換えていくのは、化石燃料の温存だ」ということと、「脱石炭世界連盟に2023/12/02に米国が加盟し、G7で加盟してないのは日本のみである」ということのようだ。

WWF Japanの記事で、「地球に必要なのは、化石燃料ではなく再生可能エネルギーです」とありますが、天候に左右される再エネは、ベース電力には使えません。
本当に、全世界で化石燃料火力発電を廃止して、再エネで賄えるのでしょうか?
原子力発電のある国は再エネと組み合わせ出来ますが、発展途上国で化石燃料火力発電を廃止して、再エネのみに出来るのでしょうか? 

COP28で、「日本の研究チームは、モンゴル政府の計算した二酸化炭素(CO2)排出量の正確性を、日本の人工衛星「いぶき」(下記写真)の観測データを使って検証することに成功しました。世界初の取り組みで、モンゴル政府はこうした経緯を盛り込んだ報告書を11月に国連へ提出している。」*7とのことで、日本は、途上国の温室ガス排出量の測定支援を通して、十分にGHG削減に貢献しています。
更に、CO2排出量ダントツ1位の中国が化石賞を受賞しないこともおかしいですね。日本の度重なる化石賞に納得してないのは、私だけでしょうか?

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の後継機「GOSAT―GW」の画像
(環境省・国立環境研究所・宇宙航空研究開発機構提供) 
*7

【引用元】

*1;経産省資源エネルギー庁「気候変動対策、どこまで進んでる? 初の評価を実施した「COP28」の結果は」 2023/12/28*2;外務省「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)結果概要」2023/12/18
*3; 国立環境研究所 社会システム領域「COP28閉幕:化石燃料時代のその先2023/12/26
*4; 脱炭素ポータル2023年10月30日の“COP(コップ)ってなに?気候変動に関するCOPを紹介”サイトから*5:日立 社会イノベーションの“3分でわかる「COP28 」とは?注目の「グローバル・ストックテイク」も解説“サイトから*6:WWF Japan 「COP28
現地発信:日本が「化石賞」を受賞しました」2023/12/04*7:JIJI.COM「衛星でCO2排出量を検証 世界初、日本の観測技術で―モンゴル」2023/12/09

(片岡)

#HNY  2024/1/2
【謹賀新年】
新年ご挨拶
~ 2024年を迎えて ~


新年 明けまして おめでとうございます。

皆さま、ご健勝のことと存じます。

最初に、元日夕方に発生した能登半島地震では甚大な被害が発生しています。被災された方へ心よりお見舞い申し上げます。

新年にあたり、昨年同様にこの1年の活動を振り返りつつ、新しい1年で取り組んでいくことなど、お話しさせて頂きます。

2023年は「教育・研修」軸での取組みが伸長した年になりました。企業向けの取組みでは、弊社のベテランメンバーの知見をご評価頂き、「役員層や管理職の育成」や「事業改善・業務改善」等といったテーマでセミナー&改善活動をご依頼頂くなど、具体的な成果が出てくるようになりました。このような知見をうまく活用すべく、新たにパートナー連携も行ない、弊社受注プロジェクトの中で講義などをパートナーに実施して頂く協業も出来ました。
昨年のご挨拶時に触れた「ネットショップ」は、昨年前半で店舗は完成しました。ただ、皆さんに提供するコンテンツの整備が遅れてしまい、鋭意挽回すべくメンバーで現在取り組んでいます。新年度で教育・研修需要が高まる4月までに開店できるよう、最優先で取り組んでいきます。ご期待頂ければ幸いです。

昨年の新年ご挨拶で「『これまでのやり方を変えないといけない』という発意から、新規事業の企画・開発や改善改革の取組みの動きが高まってきたように感じています」と書きましたが、昨年後半でこれは顕著な動きになってきました。「事業企画支援」の取組みでは、「協業」が顕著になってくる一方、「電動化」「リチウムイオン電池」の潮流に修正がかかるような話題も増え、積極・慎重の両面のご相談も出てきています。まさに“揺り戻し”といった感じですが、自社だけで行なおうとする動きが益々見直され、得意技を持ち寄ってビジネスを作るスタイルが重視されています。その中でお客様へ足を運んでこそ頂ける相談も多くあり、パートナーのご紹介機会も増えました。引続き、お客様相互のWin-Winが実現できるよう注力していきます。

「コンサルティング」分野では、セミナーを介して改善コンサルティングを企画されるなど、弊社の複数の事業軸を連動させる活動を提案させて頂き、「“皆さまのお困り事”へのワンストップサービス」を提供させて頂けるようになってきました。昨年・一昨年も書いたあたかも“街の総合病院”といったイメージで活用頂けるよう』になってきている実感も増してきています。幅広いご相談にも応えていくべく、ネットショップの活用なども通して、皆さまに寄り添う活動を続けていきます。

ウクライナでの戦争の出口も見えず、パレスチナでの戦闘も始まるなど、地政学的なリスクが高くなっており、今後の経済的な影響も大きくありそうです。このような不透明さが増す中、企業の生き残り競争も熾烈になってきています。企業合併や吸収といった合従連衡もまた新たな形で始まるでしょう。私たちは、いま出来ることをしっかり行ないながら、弊社のステークホルダーの皆さまにとって「協働して良かった」と感じて頂けるよう、今年もお手伝いさせて頂きます。

引続き、よろしくお願い申し上げます。

2024年 1月 2日

株式会社 ビジネス未来&Co.

代表取締役   鯨井 貴靖
 

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2024年4月1日
コンサルタント紹介ページをUpdateしました。
2024年1月28日
サービス価格改定のお知らせ
(2024年4月活動分より)
2024年1月2日
弊社代表より新年のご挨拶です
2023年5月17日
コンサルタント紹介ページをUpdateしました。得意技紹介のPDFファイルも更新しています。