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コラム 『ビジネス未来』
バックナンバー ⑧ 2022/7/5 ~ 2022/9/27

タイトル

#100 2022/9/27  H社不正問題と心理的安全性
#099 2022/9/20  SDGs
#098 2022/9/13  新型コロナウィルス感染体験記

#097 2022/9/6    初めてのPOD出版体験記
#096 2022/8/30  情報の鮮度について
#095 2022/8/23  ワインは赤・白・ロゼだけじゃない

#094 2022/8/16  うちのワンコと癒し

#093 2022/8/9    “会議の効率化”こぼれ話
#092 2022/8/2    スポーツ少年団の運営と会社経営

#091 2022/7/26  CO2削減とウクライナ戦争
#090 2022/7/19  「オノマトペ」と「デジタル技術」

#089 2022/7/12  大学兼任講師って何?
#088 2022/7/5     創業2年目を振り返って

#100  2022/9/27
H社不正問題と心理的安全性
社内コミュニケーション活性化の重要性 ~

H社不正問題の概要

 202282日にH社が公表した特別調査委員会の報告書によると、H社不正行為の概要は下記の 3 点です。

① 排出ガスに関する不正行為
② 燃費に関する不正行為
③ 20165月、国交省から道路運送車両法に基づき、認証取得時の排出ガス・燃費試験における不適切な事案の有無について報告を求められた際、不適切な事案はなかった旨の虚偽の回答を行ったこと

背景にあったとされる企業風土

 この報告書では「本問題の真因を次の3つと考えた」と述べています。

① みんなでクルマをつくっていないこと。

具体的には以下の現象が発生していた。
・セクショナリズムが強く、組織が縦割りで、部分最適の発想に囚われて全体最適を追求できていない
職業的懐疑心や批判的精神に基づいて開発のプロジェクトにおいて自由闊達な議論をしていない
能力やリソースに関して現場と経営陣の認識に断絶がある
法規に関する情報収集をする部署、品質保証部門や品質管理部門の位置付けや関わりがみんなでクルマをつくるという発想になっていない

②   世の中の変化に取り残されていること。

自ら変化するができず、以下の現象が発生していた。
上意下達の気風が強すぎ、「上に物を言えない」「できないことをできないと言えない」という風通しの悪い組織となっている
過去の成功体験を引きずり、「できない」ことや過去の過ちを認めることができない。また問題点を指摘すると自ら解決を担当させられて他部署の助けが得られない
開発プロセスに対するチェック機能が不十分

③   業務をマネジメントする仕組みが軽視されていたこと。

この真因からは以下の現象が発生していた。
開発プロセスの移行可否の判定が曖昧であった
パワートレーン実験部が開発業務と認証業務の双方を担当していた
規程やマニュアル類の整備が十分でなかった
役員クラスと現場との間に適切な権限分配がなされていない

 この不正問題は、たまたま内容的に人身事故につながるような問題にはなっていませんが、問題の本質は1986年に起きた米国有人宇宙船の爆発事故(発射から113秒後に爆発し、乗組員7名全員が死亡)の構図(*)とも類似しています。

(*)技術者たちからの「この条件での打ち上げは危険」との主張を、安全性より会社の利益を優先した経営層が無視して発射を強行。事故の検証過程で現場の技術者は「下っ端である自分たちが、これ以上問題点を指摘できる雰囲気ではなかった」とも語っており、会社が現場の技術者の意見をもみ消す体質になっていた。

◆心理的安全性

 心理的安全性とは「このチームでは率直に自分の意見を伝えても対人関係を悪くさせるような心配はしなくても良いという信念が共有されている状態」を意味します。Google社のリサーチチームが2015年に「心理的安全性が労働生産性を高める重要な要素である」と発表したことで大きな注目を集め、今や少なくとも“人事業界”では広く浸透している言葉です。
 心理的安全性を高めるためのキーワードは、①多様性を認める ②組織の透明性を上げる ③協力し合い、学び合う ④本音で話し合える信頼関係を築く ですが、これらは各自が自分の仕事や役割に対して責任感を持つことが大前提で、それが疎かになると、上の図の快適ゾーンに陥って単なる仲良しクラブになってしまいます。これを防ぐためには、一人ひとりに強い自立と自律が求められます。
 心理的安全性の高い組織では、労働生産性が高まるだけでなく、イノベーションが生まれる、多様な人材の確保と定着率の向上、重大インシデントの防止 というメリットが期待できます。
 但し、日本(特に古くからの日本企業)には元々「上司の命令は絶対」「事なかれ主義」「出る杭は打たれる」「官僚主義」「忖度文化」「集団主義」「セクショナリズム」「同調圧力」等々、心理的安全性とは真逆の文化が根強く残っています。この状況を変えていくためには個々人の意識改革と共に、組織として心理的安全性を高めるためのPDCAをしっかり廻すルール作りが必要です。

 H社に限らず、これまで数多くの企業が同様の不祥事を起こし、再発防止を誓ってきましたが、これらの企業がその後本気で生まれ変わることが出来たのか、興味のあるところです。

( いずれも 2021田村 )

◆社内コミュニケーション活性化

 心理的安全性というと、少しアカデミックで難しいイメージがありますが、私は「要するにコミュニケーションでしょ!」と思っています。社内コミュニケーション活性化のメリットはたくさんあることは誰でも分かっているはずです。
 一人ひとりがオープンマインドで気持ちよく挨拶を交わす。相手の話を丁寧に聴く。自分の思いもしっかり相手に伝える。意見の食い違いがあれば冷静に話し合って合意点を探る。決まったことに向かって力を合わせて進む。これは恐らく誰もが小学生の頃から学んできたコミュニケーションの基本ルールだと思います。

 企業もそこで働く人も、改めてコミュニケーションのあるべき姿について考えてみませんか?

【参考資料】
 ・特別調査委員会 調査報告書(日野自動車株式会社 2022年)
 ・人と技術の社会責任(幻冬舎ルネッサンス新社 2019年)
 ・Psychological Safety and Learning Behavior in Work TeamsAmy C. Edmondson 1999年)
 ・チームが機能するとはどういうことか(エイミー・C・エドモンドソン著、野津智子訳 英治出版 2014年)

(田村)

#099  2022/9/20
SDGs
~ 
持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みとCO2削減 

 最近、SDGsと言う言葉をよく耳にしますが、今まで寄稿してきたCO2削減との関係が気になったので、調べてみました。

<図1>
<図2>
<図3>

SDGsとは?

 SDGsは、2015年9月に国連サミットで国連加盟国193ヶ国によって採択された、「Sustainable Development Goals」の略で, 持続可能な開発目標のことでした。更に調べてみると、SDGsは、<図1>のように、2001年に2015年を目標に策定されたミレニアム開発目標の“MDGs”の後継として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標のことでした。(SDGsナビchannelより)

 これらから、MDGsで設定された8つのゴールと21のターゲットと60の指標は、表現を変えてSDGsに引き継がれて、SDGsでは、<図2>のように、2030年のあるべき姿を表す17のゴールと具体的な目標である169のターゲットとその目標の達成度を測る232の指標が、持続可能な開発目標として設定されています。
具体的なMDGsの“8ゴール”とSDGsの“17ゴール“は、<図3><図4>です。

【MDGs8ゴール】
1.開発途上国での極度な貧困削減、 2.初等教育就学率、 3.ジェンダー平等と女性地位向上、 4.乳幼児の死亡率削減、 5.妊婦の健康改善、 6.HIV、マラリアその他蔓延防止、 7.環境の持続可能性確保、 8.開発のグローバル・パートナーシップの推進

<図4>

◆MDGsからSDGsへ

1)MDGsの達成状況

20157月に国連からMDGsの達成状況が『MDGs報告2015』で発表されました。
開発目標の 1.開発途上国での極度な貧困削減、 2.初等教育就学率、 4.乳幼児の死亡率削減、 5.妊婦の健康改善、 6.HIV、マラリアその他蔓延防止、の改善は見られましたが、 3.ジェンダー平等と女性地位向上、 7.CO2排出量削減、は目標を未達で、CO2に至っては1990年比で+50%の増加と大幅未達でした。

2)MDGsからの改善

実はMDGsの取組の主体は開発途上国であり、開発途上国の課題達成を国連や先進国の政府機関が支援するということで、先進国にとっては他人事であったので、私も今回の調査で初めてその存在を知りました。ところが、SDGsでは、国や自治体だけではなく、民間企業や個人も活動主体としているし、先進国の課題も解決することを目的としているため、身近にその活動を感じているだけでなく、個人として何が出来るか、と他人事ではなくなっていることは大きな進歩であると思われます。

CO2削減との関係

 私の関心事であったCO2削減は、MDGsで大幅に悪化していたので、SDGsでも特に「ゴール13;気候変動に具体的な対策を」として引継がれていることがわかりました。更に、SDGsでは、毎年7月にSDGsの達成状況を各国が報告するので仕組みになっているので、今後はその報告もウォッチングしていきたいです。早速、2022年版の世界各国のSDGsの達成度合いを評価した「Sustainable Development Report」(持続可能な開発報告書)が発行されているので見てみました。

2022年の日本のSDGs達成度ランキング

 2022年の日本のSDGs達成度は、世界163か国中の19位で、昨年18位から1ランクダウンしました。(出典:Sustainable Development Report 2022 因みに、1位はフィンランド(86.5)で2年連続のトップ。2位がデンマーク(85.6)、3位がスウェーデン(85.2)、4位がノルウェー(82.3)、と北欧勢が上位を独占。5位以降も欧州諸国が続いています。日本は19位で点数は79.6。米国は41位(75.6)、中国は56位(72.4)でした。 
 また、
17のゴールの内、深刻な課題があると評価されているゴールが以下の6ゴールであり、私が気にしているCO2削減に関係の深い“ゴール12”も含まれており、残念と言うか、本当か?と疑いたくもなりますが、更なる活動が求められるところです。

<深刻な課題があると評価されているゴール>

ゴール5;「ジェンダー平等を実現しよう」、 12;「つくる責任つかう責任」、 13;「気候変動に具体的な対策を」、 14;「海の豊かさを守ろう」、 15;「陸の豊かさも守ろう」、 17;「パートナーシップで目標を達成しよう」

来年度は、ウクライナ戦争の影響がどこまで反映されるか心配であり、欧州各国も厳しい結果が予想されますが、どのような評価になるか注視していきたいです。

【出典・引用】

・<図1>~<図3>;相模原市のSDGs one by one
・<図4>;日本ユニセフ協会

(片岡)

#098  2022/9/13
新型コロナウィルス感染体験記

皆さん、いかがお過ごしですか。
この夏は新型コロナウィルスの感染が拡大し、今まで以上に身近な存在に感じた方も多いのではないでしょうか。私の周囲でも、最近になり、初めて複数の身近な方が、感染者や濃厚接触者になりました。
そして、私自身も今回、新型コロナウィルスに感染してしまいました。
私事では有りますが、私の体験をお伝えしたいと思います。

その前に、関連する最近の日経の記事からです。

===============
 政府は8日に新型コロナウィルス感染症対策本部を開き、感染者の療養期間短縮など一連の緩和策を正式に決めた。(中略) 今回の見直しは3つの柱からなる。1つは療養期間だ。7日から、感染者が療養のために自宅などで待機する期間を10日間から7日間に短縮した。
 さらに縮める案も一時浮上したが、他人に感染を広げるリスクの大きさを考慮して見送った。待機期間中の外出も条件付きで認める。症状の軽快から24時間以上がたつか無症状の場合はマスクをきちんと着用するなどの対策を前提に、近所での食料品の買い物などができるようにする。
(コロナ対策、日常へ一歩 緩和策決定、療養7日に短縮 医療体制、なお課題も 2022/09/09  日本経済新聞 朝刊)
===============

「療養期間の短縮」や「待機期間中の外出」などが述べられています。

以下は、現在の規制下での私の体験です。リアルな体験としてご紹介します。

■8月初旬

・私の身近な知人が濃厚接触者になったとの情報。
・新型コロナに関する神奈川県の案内を見る。そこに「ご家庭には必ず医療用抗原検査キットを常備しましょう!・・・抗原検査キットでのセルフテストを習慣化しましょう。発熱や咳などの風邪のような症状が出たときに、医療用抗原検査キット使用して、陽性だった場合、重点観察対象者の方は発熱診療等医療機関に受診してください。その他の方は自主療養届出制度を選択できます。」との記述。
・その後、数日にわたって調剤薬局のあるドラッグストアをあたり、医療用抗原検査キットを入手。

■8月××日:発症日

・同居家族が発熱(38度超え)、抗原検査キットで確認したところ陰性。解熱剤を服用
・私は、喉の痛みと咳。
・念のため、下記の家庭内感染対策を実施。
  -
家庭内でもマスク着用   -居住部屋を分ける  -換気  -食事を別の場所にする
  -消毒  -
熱や血中酸素飽和濃度測定(スマートウオッチの付属機能)

 ■発症日の翌日:療養1日目

・同居家族、高い熱が継続。再度、抗原検査を実施。陽性!!
・発熱外来病院へ電話。週明け朝の予約確保。
・「新型コロナウィルス感染症専用ダイヤル」に電話。
 「症状、年齢、特に既往症等ないこと」を伝え、「自主療養届出制度」(*)適用。
 10日間の自宅療養開始。

自主療養届出制度とは(県のHPより)
重症化リスクの低い方で抗原検査キット(注意1)や無料検査で陽性が判明した場合は、医療機関の診断を待たずに自ら療養を始められる制度・・・。

・私は濃厚接触者扱いで、5日間の自宅待機。

■療養2日目

・朝1回LINEによる「息苦しさ、熱、血中酸素飽和濃度」入力開始。
・同居家族、体温は37度前後。回復傾向。
・県から、抗原検査キット二人分(感染者&濃厚接触者)が無料支給。

■療養3日目

・同居家族、発熱外来を受診。PCR検査は無し。解熱剤のみ処方。
・私も、発熱(38度超え)。抗原検査の結果は、陰性。解熱剤を服用

■療養4日目

・私の熱が下がらず、再度抗原検査を実施。2回目は陽性!!
・「新型コロナウィルス感染症専用ダイヤル」に連絡。65歳以上だったため、発熱外来受診先を紹介される。夕方にPCR検査実施。結果は24時間後。解熱剤、咳止め、痰止めを処方。

 ■療養5日目

医師から「陽性です。保健所に連絡しておきます。発症日は、喉の痛みが出た日なので、後、5日間自宅療養してください。」との連絡有り。

■療養6日目

私のLINE登録はうまく行かず、電話での確認の結果、システム上、明日からフォローとのこと。既に熱は下がり、軽症になっているので、フォロー遅れても気にならないが、システム上問題有り。

■療養7日目

医療用パルスオキシメータが無い旨を申告していたら、配布する旨の連絡。午後、若いお兄さんが配達。これは素早い対応でした。

■療養8日目

淡々と療養

■療養9日目

5日目に医師から連絡を入れたはずの保健所から「遅くなりました」の一言が添えられた電話連絡有り。4日経ってからの保健所からの連絡、やはり保健所は大変なようです。

■療養10日目

高熱に戻っていないか、後遺症はどうなのかが気になりつつ、淡々と療養。

■療養11日目

二人共、療養解除

===============
私の場合、このような経過でした。お子さんがいるご家庭等での体験記を拝見すると、家庭内感染対策に、相当気を使ってなされています。私も、マスク、隔離や消毒などを実施していたつもりですが、感染は防げませんでした。家庭内感染を防ぐのは、難しいですね。

さて、今回の経験を少しだけ整理してみます。

<良かったこと>
・防災用に準備していた「白米(お湯だけで出来るパックの白米)」、レトルト製品(カレー等)・缶詰の活用
・野菜や果物が欠乏したので、初めてネットスーパーを活用(これは便利です)
・消毒液等の備蓄があったこと
・抗原検査キットを事前(直前でしたが)に入手できていたこと。
・医療用パルスオキシメータ貸与までの間、酸素飽和濃度が測定できるスマートウオッチで計測できていたこと
・直前に身近な感染者が出たので、神奈川県のHPで、何をすればよいのかの情報を掴んでいた事。
・パソコン、LINEを日常的に使用しており、登録、フォロー確認等支障なく出来たこと。

<想定外だったこと>
・二人で使い分けられるよう2つ準備していた体温計の1つが、壊れていることが分かり、急遽、買いに走ったこと。
・これは、良い方の想定外ですが、各所への電話が、ほぼタイムリーに繋がったこと。

今回、実際にコロナ感染を経験し、まずは「実際に起きた時にどうするのか」、あるいは「何を見れば良いのか」を知っておくこと、そして「災害時の備蓄等をしっかりしておく」ことが大切であることを痛感しました。

感染しないことが一番ではありますし、皆さんそれぞれの生活環境や家族構成があり、いろいろなケースが有ると思いますが、新型コロナに感染したひとつの参考としていただければと思います。

(林)

#097  2022/9/6
初めてのPOD出版体験記
これは慣れればパワフルなツールです。 ~

〔出典〕Amazon

『プレゼンテーションの技術 基本ルール集』をPOD825日に発売しました。Amazonで購入できますので、ご一読いただけますと幸いです。N P O日本プレゼンテーション協会の私含めた4名の共著です。

今日はこのPOD出版体験記です。POD”Print on Demand”の略です。お客様の注文が入ってから印刷します。AmazonならばKDP ”Kindle Direct Publishing”と言います。このKDP前提でお話しをしたいと思います。

原稿校正、装丁、価格設定、広報文章、カテゴリー設定など著者から出版社にお願いしていた内容も全て自分で行います。そしてワンクリックで出版完了です。自宅を一歩も出ずにきっちり出版できます。そして世界中の超有名本と同等に検索の輪に入れます。お客様に購入してもらえれば、Amazon既定の方法で出荷され、通常の出版以上のロイヤルティが口座に入ります。
今までの自費出版の面倒臭さや、出版社との交渉・契約とか、マーケティングとか、全てゼロです。しかも、在庫ゼロですから、廃盤絶版もありませんし、内容変更も自由自在です。

どうですか、やってみようかなって気になりませんか?

【ちょっとした心配へのヒント】

Q:誰か他の人に校正してもらわないと不安。
A:確かにそうですね。一方で在庫ゼロですからいつでも内容は修正更新できます。

Q:そうは言っても、装丁って難しそう。表紙もきれいにデザインできないよ。
A:今どきのH P作成と同じです。デザイン入稿の指示に従って行うだけです。

Q:初版で1000部とか自費で買うのかな?
A:いいえ、買取りは1部もありません。しかも自分用に必要な部数は印刷代だけで購入可能です。元々、注文が入ってからの印刷です。最短2日で届きます。

QAmazonに並べてもらうのに広告費用がかかるのかなぁ?

A:何もかかりません。出版すれば普通に検索で出てきます。

…とは言っても、心理的な不安はつきませんし、実は面倒な部分もあります。
実際には、文章そのもの、表紙デザイン含めた装丁、価格、広報文章……自信がないものだらけです。

ここには“解決のヒント”があります。
出版してみよう!と決めたら、一緒に出版プロセスに付き合ってくれそうな家族・友人・知人に協力を頼みましょう。書いた文章を出版前に読んでもらったり、表紙デザインや装丁に感想をもらったり、価格もいくらなら買ってもらえるか相談する人を探してお願いしましょう。その方への感謝の言葉を巻末に入れて、一冊謹呈すれば快く引き受けてくれるのではないでしょうか。

私の場合、なんと言っても自己管理能力が低いので、誰かに管理してもらわないと一切ことが進まない心配がありました。対策として、当初から共著で執筆や準備も分担して相互管理という体制にしました。みなさんも1冊目チャレンジは“共著”でいかがでしょうか。もちろん、内容のバラツキや言い回しの個人差や装丁を含めた好き嫌いは出てきます。ちょっと時間はかかりますが、きっと自信の一冊になります。

出来上がってみて感じること…言ってみれば「反省」です。やはりちょっと装丁には不満。出版社のプロの装丁には敵いません。今回でだいたい様子が見えたので、改訂版や2冊目からは大幅な改善が可能でしょう。デイリーで販売実績が見えるのですが、かれこれ10日間すぎて30冊くらいです。これって友人知人を除くと実売一桁になります。残念かな?それとも評価するべきでしょうか。判断はみなさんにお願いしたいと思います。やはり出版社が販売促進をしないので爆発的には行きません。

PODで何か不明なことや心配がありましたら、このHPからお問い合わせください。わかることはすぐに、わからないことは自身の勉強も含めて可能な限り調べてみたいと思います。

おしまいに、『プレゼンテーションの技術 基本ルール集』の宣伝を少し。

NPO日本プレゼンテーション協会の出版です。ここは、プレゼンテーションの技術を広く知ってもらい、みなさんのコミュニケーション能力向上の一助を目的に設立された団体です。この団体が、プレゼンテーションの著作が世間に星の数ほどある中で、“基本中の基本”だけを素早く理解して欲しいと構成した内容です。みなさんに、プレゼンに関わるいろいろな疑問や、方法論・技法に関する基本的な内容をバイブルのようにお答えしよう!と編纂しました。
読みものではなく、プレゼン形式で書いてあります。ご自身に必要な部分を拾い読みしていただければと思います。最近はWEB会議の時代です。WEBでのプレゼン方法も入れるようにしました。参考にされてみてください。

よろしくお願いします。ありがとうございます

(東出)

#096  2022/8/30
情報の鮮度について
~ 受け止め方に関する一考察 

 地域によっては学校の夏休みも終了して子供たちの通学する風景が戻ってきた今週。月曜から秋を思わせるような爽やかで涼しい1日でした。厳しい夏が続いただけに、急な気温の低下で夏バテが来そうで皆さんも健康管理には注意をして頂きたいと思います。今回も軽めのテーマで進めたいと思います。

 8月後半、日本テレビでは金曜ロードショーで毎年恒例の『夏はジブリ』の企画が今年も実施され、3本の作品が放映されました。8/19放送の『天空の城ラピュタ』では、本編以外に番組内で流れた「スバル」のCMも話題になりましたね。Twitterでもトレンドになりました。ラピュタの主人公:パズーとシータの声を担当した田中真弓さんとよこざわけい子さんがナレーションを務めたジブリ企画用のCMでしたが、映画の重要なセリフである「滅びの言葉」である『バルス!』をもじった構成でした。「『滅びの言葉、スバ…(略)』って混同されるかもしれないのに……大胆なチャレンジをしたな 笑 」と思いながら観ました。
 そんなジブリも今年は11月に愛知県に「ジブリパーク」を開園予定で、いろいろなプロモーションが始まっています。先日、プロデューサーの鈴木敏夫さんが或る番組で“裏話”的な秘密を話していたのを偶然見たのですが、その中で「情報の鮮度」に関して興味深い話をしてました。前置きが長くなりましたが、今回は「情報の鮮度」とその受取方について、身近な「エンタメ」「時事ニュース」「経済情報」「ヒアリング」の4つの視点で、私なりの考察を加えてみたいと思います。

■エンターテイメント・映画

 先に触れた鈴木敏夫プロデューサーが明かした“秘密”ですが、それは『ジブリ作品のテレビ放送は、次の放映まで間隔を2年以上あける』というものでした。確か「ジブリ作品は、何度観てもその時の感じ方が違う」という話題から出てきた話だったと記憶していますが、この答えに従えば、「新しいお客さん(子供)は常に増える」というビジネスの素地がある中で、「いつも新しい気持ちで見られる」……時間の変化と自己の成長(精神的/環境的)によって同じものが違って見える、という効果を得ていると言えるでしょう。作品数が多いからこそ出来る戦略ではありますが、「情報の鮮度を観客側でUpdateさせる」というのは人の心の機微をついた絶妙な打ち手です。

■時事ニュース

 これは“鮮度”が重視されますね。“即時速報性”が第一とされます。基本的に「生もの」です。時間が経てば関心がなくなる「消費される情報」です。
 ここで気を付けないといけないのが「話半分」で聴いておくことでしょうか。私自身、学生時代は1日に10時間以上テレビを視ていた時期もあり(ほとんど⁈ 笑 )、特に“ニュースショー”がしのぎを削っていてハシゴで毎日視ていましたが、新聞も含めて、各社少しずつ報道内容が異なることはしばしばでした。結局は「記者(&編集)の主観」が入っている部分も何となくわかってくるので、“間引いて聴く”、そしていくつかのソースから「この辺りが実態かな?」と自分なりに咀嚼する、ということが身に着きました。今のネット社会では情報リテラシーの観点からも重要ですよね。

■経済情報・指標

 公的な指標(KPI)は統計的なデータとして、即時速報性だけでなく、記録としての重要性も持ち合わせる情報です。この信用を大きく揺るがしたのが先の国の統計不正ですが、社会基盤を作る情報・データなので、正確であることを前提に受け止めてしまうので、その責任は重いです。
 片や、同じ情報でも「経済情報」は民間でも発信できるので、少し冷静に眺める必要があります。“風船を飛ばす”や“ウワサ”というものも取扱われているので、「観測」を狙ったものも少なからず含まれていると見るべきでしょう。それ故、「この記事、本当?」と、“どこが本当で、どこが仕掛けか”を見通すことが必要になる情報です。

■ヒアリング

 これは、まさに「主観」そのもの。客観を示すデータもセットにならない場合も多く、「ひとつの断面」として受け止めていく性質のものでしょう。いまのSNSなどは、結局はこの領域で使われている(不特定多数へ発信して返ってくる反応を見ている)ので、この情報に踊らされたり振り回されたりしないようにすることが個々人で大事になります。

 さて、今回はこんな形で考察をしてみました。実は、これも私の“主観”だったりもする訳です。
やはり、『“ニセモノ”をどう見極めるか。』 『“自分の物差し”で、何が本当のところかと考えるか』 という部分が「生きていく為のスキル」としてますます重要になっているというのが現代のネット社会/SNS利用者なのだろうと思います。
皆さんは如何でしょうか。。

(鯨井)

#095  2022/8/23
ワインは赤・白・ロゼだけじゃない
オレンジ・緑・灰色もあることをご存じですか? 


こんにちは。今回初めてのコラム投稿です。初めての投稿では何を書こうか? やはり仕事に役立つ事を書くべきか? でも、コラムって書いたことが無いのでどうしようか?・・・と色々考えましたが、趣味であるワインについてなら少し気楽になれるので今回書いてみることにしました。

皆さんはワインを飲まれますか?
今回は「ワインの色」についての豆知識を紹介していきます。

ワインは「色」、「生産国、地方、村」、「葡萄品種」、「その国のワイン法による格付け」などで分類されます。では、その中で「色」は何種類あるでしょうか? 赤・白・ロゼは誰でもご存じでしょうが、それ以外にオレンジ・緑・灰色・黄色など様々な色もあるのです。

◆赤・白・ロゼワイン

まず赤・白・ロゼワインですが、その違いは何か分かりますか?
「赤い葡萄を使うと赤ワイン、白い葡萄を使うと白ワイン、それらを混ぜたらロゼワイン」と思っている方はいらっしゃいますか?  残念ながら違います。

 ・赤ワイン

黒葡萄(皮の色が濃い葡萄)を丸ごと圧搾し、果汁と共に果皮も種も一緒に漬け込んで発酵させます。葡萄の皮に含まれる赤い色素アントシアニンの色、種に含まれるタンニンの渋みによって、あの独特な色と味わいが出来るのです。

 ・白ワイン

一般的に白葡萄(皮の色が薄い葡萄)を優しく圧搾して、果皮と種を取り除いた果汁だけで発酵させます。果皮や種を漬け込まない為、濃い色が付かず、渋みも少なく、草花感/フルーツ感など爽やかな味わいとなるのです。 

 ・ロゼワイン

黒葡萄を使いますがいくつかの製法があります。赤ワインと同じ様に果皮と種を一緒に圧搾/発酵させて、ピンク色になったら果皮と種を取り除く製法と、白ワインと同じ様に果汁のみで発酵させるが、圧搾の際に果皮の色が僅かに果汁に抽出されて淡いピンク色になる製法があります。

つまり、赤・白・ロゼワインとは、黒/白という葡萄品種の違いと、果皮/種を混ぜるかどうかの製造方法の違いということです。

 では本題。他の色について説明します。

◆オレンジワイン

近年、世界中で注目されている「オレンジワイン」。赤白ロゼに続く第4のカテゴリーとして加わりました。白葡萄を赤ワインの製法で圧搾・発酵させると、果皮と種に含まれる黄色系色素やタンニンが溶出してオレンジ色やアンバー色になります。旨味とコクのあるワインです。決してオレンジジュースが混ざっている訳ではありません。
この4種類の色・製造工程の違いが下図です。

<引用> ENOTECA online 2022.04.22 佐藤良樹 「世界中で大流行!オレンジワインとは?」

◆緑ワイン

 ポルトガル北部ミーニョ地方のヴィーニョ・ヴェルデ(ポルトガル語で緑のワインの意)で造られるワインで、地名がそのままワイン名になっています。完熟前の葡萄から造られる為、果実の瑞々しさ、酸味と爽快感があり、しかも微発泡で10%程度の低アルコール度数なのでポルトガルではビール代わりに飲まれています。若々しさを表現した命名であり、実際に緑色している訳ではありません。

◆黄ワイン

 フランスの山岳地方であるジュラ地方でのみ造られており、サヴァニャンという葡萄品種を使った白ワインを樽で長期熟成させるうちに酵母が作用して色合いが黄色っぽくなる高級ワインです。クルミやアーモンドの様な芳ばしい香りと洋梨や蜂蜜の様な爽やかな甘みを感じます。

◆黒ワイン

 フランス南西部、カオール地方でマルベックという黒葡萄を使った赤ワインですが、マルベックは小粒で果皮が厚い為、非常に濃い色合いのワインとなり「黒ワイン」と呼ばれています。しっかりしたタンニンと、ブルーベリーやプラムの果実感やスミレやバラの花の香がするフルボディワインです。

◆灰色ワイン

 フランスのアルザス地方にて「ピノ・グリ」種で造られるワインが有名です。赤ワイン用の葡萄「ピノ・ノワール」が突然変異して、果皮がオレンジ・藤色・ピンク色の葡萄ができました。黒葡萄でも白葡萄でもなく、その中間ということで「グリ(フランス語で灰色の意)」の葡萄であり、それで造った灰色ワインと位置付けされています。しかしワインは灰色ではなく、オレンジ掛かった美しいシャンペンゴールドです。桃の甘味/枇杷の甘苦感と夏蜜柑の渋みといった爽やかなフルーツ感があり、すっきりしながらも深み/旨味もあって美味しいです。私のお気に入り品種です。山梨県甲州で栽培されている葡萄品種「甲州」もこの仲間です。

◆青ワイン

 白ワインまたはスパークリングワインに青色の食用着色料を加えて造られます。パーティー等で「映え」「演出」の為に造られたワインです。私としては、これは邪道でありワインの仲間にはして欲しくないです。


数々の「ワイン色」を紹介しましたが、いかがでしたか?
「赤は冷やしちゃいけないの?」、「肉料理には赤、魚料理には白、という決まりは崩してはいけないの?」、「ワインは好きだけどワインのことは良く分からない!」……ウンチクを色々語る人が居たり、“ソムリエ”という格式高い人が居たりして、ちょっと敷居が高いと思っている方も居るのではないでしょうか? 私も最初はそう感じましたが、気にすることはないです。自分の手の届く値段のワインを沢山飲んで、ソムリエさんに遠慮なく質問して、自分なりのワイン嗜好を楽しめば良いのです。ワインは「和飲」とも書きますので、寿司や鍋料理等の和食にも合います。

今回のコラムで少しでもワインに近づいてくれればと思っています。機会があればまた豆知識をご紹介します。

(前野)

#094  2022/8/16
うちのワンコと癒し

三島大社 本殿

はじめまして。今回からこのコラムの執筆陣に加わります。
私はコラムを担当する中で唯一、関東地方以外に住むメンバーで、静岡県三島市で暮らしています。せっかくなので、地域の話題から始めたいと思います。

三島市では8月15日から明日17日まで「三嶋大祭り」が開催されています。コロナ禍で中止が続き、3年ぶりとなります。この祭りでは、有名人を毎回お招きして、三島大社で“源頼朝の旗揚げ出陣式”を催しています。勿論、頼朝役が有名人の方ですが、今年は現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の内容とバッチリで、頼朝役の大泉洋さんら豪華俳優陣を招いての開催です。久々のお祭りを地元の皆さんは楽しみにしています。

 こんな歴史ある街に住む私ですが、我が家には「4代目」となる大きなワンコがいます。紹介します。

名前はレグノ、年齢4歳、男子、体重63Kgです。(写真)

4代目は今まで一緒に暮らした中で一番大きいですが、おっとりした性格で、あまり手がかからないワンコです。そうそう、犬種はバーニーズマウンテンドック、出身は北海道です。(飛行機に乗って三島にやってきました。)

このワンコに家族全員おおいに癒されています。
日々のストレスを和ましてくれる存在で、今では「家族の中心」です。

人生でも、癒しは必要ですよね。仕事を頑張れるのも、癒しがあるからだと思います。

癒しが必要な方はペットを飼うのもいいですよ。
大事にしてあげれば、無償の愛を与えてくれます。
散歩で自分の運動不足も解消です。
大事なのは、こちらも愛情を注ぐことです。
ワンコは必ず返してくれます。
人間同士だと、そう上手くいくことはあまりないような気もしますが……

初回なので普段の生活の話題から書いてみました。
では、散歩に出かけてきます。

(山田)

#093  2022/8/9
“会議の効率化”こぼれ話
~ 
身近なチョットとした改善で快傑会議&好業績の一翼も! ~

 ビジネスに携わる皆さまにとって、日頃のコミュニケーション手段の1つとして「会議」はとても重要な役割が有りますが、上手くいっていますか。何かお困りの点はございませんでしょうか。
 会議のことでよくお聞きするのは、「もっと効率的にできたら…」とのコメントです。確かにビジネスなので、皆さまが貴重な時間を割いて参加する場ですから、投資対効果も考慮する必要がありますね。 勤務時間の中で会議に要する時間は、それぞれの事情にもよりますが、中には4割近いケースも! 時間当たりレシオ(労務費単価)と参加者と時間を掛け合わせる事で、この会議1回開くことでいくら、年間ではいくらの投資!と試算してみますと、結構な金額になって最初は驚いたご経験もお有りではないでしょうか?

 やはり会議の効率化は必要と誰しも思いながらも、実践では苦労されているケースをよくお聞きします。ここでは、快傑会議へのエピソードをいくつか拾い上げてみました。会議の効率化をお考えでしたら、何か1つでもお役に立てるケースが有れば幸いです。

◆トップ方針の発信〔会議の効率化に向けた〕

 コレは効きます! 『その会議 無くせませんか、効率化できませんか?!』とトップが投げかけるだけで、会議そのものを無くせないまでも、諸処の効率化に皆の目が行き届き易くなる効果は有るようです。日々の流れの中で、ボトムアップで自発的に“そもそも…”と会議を効率化の側面から見直そうとしても相手にされ難かったケースにも、チャンスの光を当てる事が出来ます。自発的進言がされ難い企業では「各自何件発案せよ」等のケースも有りますが、トップ方針、掛け声は効きますね。

 ※会議の効率化にあたっての留意点:
  
日頃から変化の必要性を論理の元に説得できる用意を整えておく。

一般的にヒトは潜在的に現状維持したがる傾向があります。その中で変えるには相応の理由が求められます。同じ理由でも、トップからの掛け声や周囲の考え方の変化の強弱次第で、一気に加速実現できるケースも有り得ます。サーフィンにも似て、日頃から変化の必要性を論理の元に説得できる用意が整っていれば、技量を磨いて有る様なもので、良い風(トップの声掛け)、良い波(職場での皆の改善への機運の高まり、価値観の変化)が来た時に、一気に波に乗れて、変化の実現スピードが高まります。“備え有れば”です。

では、今度は少々具体的に会議の在り方をエピソード毎に眺めてみましょう。

◆会議の目的…『いつものその会議、本当に必要か!?』

 この変化の激しい時代の中では、今迄当たり前と思っていた会議の目的が、状況の変化で見直す余地が出るケースや、目的どうしの優先順位が変わるケースも有り得ます。自ずと相対的優先順位が下がったものは、より適切な扱い対象となります。

→ 目的毎の優先順位再考の機会を持ってみましょう。
[] 朝礼会議は欠かさず毎朝やるものだ!気合入れ的な場だ!

→ 毎朝は今では世代の異なる社員の増加や、職場目的、風土毎の適切なタイミングに見直しも。
[] 目標達成進捗状況確認会議

→ DX時代の進展に伴い、会議都度のアナログ的管理の場の頻度は減らし、常時管理数値データをサーバー共有で同時見える化する中で、管理限界を超える兆しの時にアラート警報や緊急対策会議開催、等で会議回数削減へ!

◆会議の頻度、回数

 習慣として毎日、毎週、毎月‥と決まっている会議の中にも、時代や状況が変わると頻度を変更できるケースは結構見つかるようです。まさに内容次第ですが。月初の上長からの対面での熱い思いによるチーム員への意識付け等は先記の目的からしても書面に代えられない価値が有りますが、それ以外の回は、伝達系で有れば、書面やメール・電子掲示板等で肩代りすることで、会議そのものは減らせるケースも出て来そうです。更に年間効果に累積すると効果は大きいと思います。

◆会議の時間が長い

 会議のアジェンダの事前作成時に議論毎の項目時間を決めて事前発信・マネージしておきましょう。議論中は項目毎の目安時間に従い、タイムキーパを決めて逐次時間を意識して貰うトリガーを発して貰うだけでも効果有りです。予想外の状況(紛糾ほか)によっては、可能な場合は潔くパートⅡに分ける采配決心が必要なケースも有り得ますね。その他のケースのソリューションはまたの機会に…。

◆会議中に内職!?

 今時、PCの持込みは当たり前ですが、議事進行中にメモっているのか、内職!?なのかといったケースも有るようです。

→ できれば、議事の中間状況は見える化しながら共有することで、集中して貰いましょう。ホワイトボードや、誰か記録兼務者が議論のポイントをインプットして共有サーバーでの一元見える化情報を大型モニター等で共有しながら進められれば、チーム一体感で進められると思います。

◆会議で結局決まらない

 決まらない原因はさまざまです。ここでは一例になりますが…

→ 事前の準備不足の関連では、出来レースにはしない迄も、ある程度の議論の想定シナリオを進行者や意思決定者は持っていた方が、未知の領域に発展させるにしても采配がし易い筈です。留意点は腹案の押し付けにならないよう、関係者の意見を上手く引き出す事ですね。その為には、議事進行役がファシリテーションの手法を使えば参加者の納得も得ながらの意思決定に向かい易いと思います。併せて、関係資料は事前配布し、査読の上の参加を習慣にできれば、中身の濃い議論が期待できます。会議のアジェンダも計画時間もセットで告知して議論スタートできれば、議論のタイムマネジメントもやり易く、時間不足防止に効果的です。会議の着地点も、スタート時に5W1H的な枠を決めて終わる旨、伝えておけば、着地点に向けての議論の収束が進め易いと思います。

 ◆会議への往復時間の節約関連

 今時は遠隔地の方もWEB参加により、往復時間が結構大幅に助かっているようですね。旅費経費も節約で一石二鳥ですね。WEBでの経験を重ねる事で対面に近い効果は得られ得ると思います。普段なら足を運んで貰い辛い売れっ子?のスペシャリスト方でも参加の可能性が高まります。スペシャリティの高い方の参加で会議の目的達成に向けた議論や解決案の質が向上できる事は凄いメリットと思います。 また、トップ層にリアルタイムで報告や承認を受けたい場合にも、多忙なトップの参加可能性が高まって決着スピードが上がると助かりますね。

 WEB会議で遠隔地の支店も混じる場合の留意点

 遠隔地の支店では、数名が会議室に集まって1つの映像とマイクで実施するケースが有りますね。他の方々は各自のパソコンで顔がキチンとそのリアルな表情まで映せる中、会議室一括参加だと、何名かが1画面で小さくしか映らないので各人の様子が他の方から見え辛く、併せて誰が喋っているのかも都度名乗らないとわかり難かったりして、少々浮いた感じが歯痒いかと思います。

→ 可能なら各自のパソコンで独立してやりたいものですね。事前に顔出し必須との条件提示もしておきましょう。WEB環境不安定で顔出しを避けているケースこそ、ココはWEB環境への投資価値大有りと思います。

 ◆効果算定

 効率化を図ったケースでは、みなし換算でも良いので極力数値化します。更に金額効果に置き換えられれば経営的視点でのマネジメントにも役立ちますし、業績成果にも効果が表れると期待します。 いずれの改善項目も、1つ1つは些細なことかもしれませんが、みなし金額等に置き換えて、年間に累積すると結構な節約額になると思います。
 
一方で、内容の工夫で効率化以外の効果がアップするものも有りますので、両方の足し算効果が期待ポテンシャルになり得ると思います。

 ◆実現に向けての仕掛け

 先記の留意点にも記しましたが、一般的にヒトが現状維持から脱して貰う為には相当の社内エネルギーが必要です。改革・改善の成功企業は、『改革・改善の掛け声はトップ方針で、具体的行動は期間限定精鋭集合の改革プロジェクトチーム(兼任、可能なら選任)で、全体プロデュースは関係者コアチームがバックグラウンドで…』といったフォーメーションが必勝パターンです。そうはいってもまさに投資対効果で、それほどトップやチームに選任、兼任でもなかなか工数は掛けられないのが実態とも思います。その際は是非、ビジネス未来&Co.にご一報ください。まさにそういった方面の経験豊富な人財による智慧提供のご相談が可能ですので、お気軽にお声掛けください。いつでもお待ちしています。

(井上)

#092  2022/8/2
スポーツ少年団の運営と会社経営
ボランティア活動にも経営力が必要 

◆スポーツ庁が部活動の地域移行に関する提言をまとめた

 610日にスポーツ庁の「運動部活動の地域移行に関する検討会議」が、中学校の部活動を地域のスポーツクラブや民間団体などに移すための対応策をまとめた提言を室伏広治長官に提出しました。この提言では、令和7年度末を目途に移行する目標を掲げています。
中学校の部活動については、かなり以前から様々な問題が指摘されており、かつて外部指導者として部活動のお手伝いをしていた私も、顧問の先生に掛かる負担の大きさや、部員・保護者が感じている様々な不満などの実態を肌で感じていたので、「ようやく改革が進み始めたか」との思いがあります。

◆小学生とスポーツ少年団

 小学生スポーツの世界では半世紀前から、今回の提言に近い形での活動(スポーツ少年団)が続いています。スポーツ少年団(以下、スポ少)とは、子どもたちが自主的に参加し、スポーツを中心とした活動を行うことを目的とした組織であり、様々な体験を通じて仲間との協調性や創造性などを育み、良き社会人として成長してくれることを期待しています。
 指導者や保護者は基本的にボランティア活動として子供たちを育成しており、私も指導者の一人として約四半世紀に渡って地域の子供たちと関わっています。以下は、前述の“部活動の地域移行”に関するスポーツ庁の提言資料からの抜粋ですが、スポ少の活動とスポーツ庁が目指す“部活動の姿”には多くの共通点があります。

●  少子化の中でも、将来にわたり我が国の子供たちがスポーツに継続して親しむことができる機会を確保。
●  スポーツの本質は、自発的な参画を通して「楽しさ」「喜び」を感じること。自己実現、活力ある社会と絆の強い社会創り。部活動の意義の継承・発展、新しい価値の創出。
●  地域の持続可能で多様なスポーツ環境を一体的に整備し、子供たちの多様な体験機会を確保。

 一方でスポーツ庁が提言の中で挙げている課題(下記)の多くは、スポ少が抱えている課題でもありますが、スポ少はこれらの課題とも向き合いながら今日に至っています。

●  近年、特に持続可能性という面で厳しさを増しており、中学校生徒数の減少が加速化するなど深刻な少子化が進行。
 ⇒小学生の数も大幅に減少していると共に、子供たちのスポーツ離れが進んでいる。

●  競技経験のない教師が指導せざるを得なかったり、休日も含めた運動部活動の指導が求められたりするなど、教師にとって大きな業務負担。
 ⇒スポ少の指導者は競技経験者が多いが、基本的には自身の休日を利用したボランティア活動。

●  地域では、スポーツ団体や指導者等と学校との連携・協働が十分ではない。
 ⇒スポ少の活動の多くは、学校の施設を無償でお借りして行っている。

 ◆スポ少のチーム運営と企業経営

 私が所属するスポ少のチームでは「みんなでこんなチームを目指そう!!」という活動理念(下記は抜粋版)を掲げて、その実現に向けて努力を続けています。

★  良いチーム

他のチームから「こういうチームになりたい」「このチームと試合をすると、勝っても負けても気持ちが良い」と思われるようなチーム。

★  強いチーム

試合で勝つことだけを目指すだけでなく、組織としてしっかりしたチーム。

★  カッコいいチーム

移動する時は走る。指示を出された時は、大きな声で返事をする。ボールが転がっていたら、すぐに気付く。拾う。

 入団希望者と保護者(小学生の場合は特に保護者)には、上記の活動理念を丁寧に説明した上で、共感してもらえた場合のみ入団してもらっていますが、これは会社が新たに社員を迎える際にもとても大事なことではないでしょうか。

 その他にも、企業経営とスポ少のチーム運営に求められることには共通点が多く、『人材育成』≒子供たちの成長を支援、『社会貢献』≒子供たちに活動の場を提供、『利益を出し続ける』≒活動の継続(団員が絶えない)が求められていると思っています。

◆スポーツ少年団から企業が学べること

 日本には「会社の寿命30年説」という通説があります。私が所属するチームはまだ創立20年にも満たない、比較的若いチームですが、身近に創立40年を超えるチームがいくつもあります。どのチームもそれぞれの特色を持っており、日頃から色々と学ばせてもらっています。
 
スポ少に限らず、長く続いているボランティア活動から企業経営が学べることは多いと思います。もちろんその逆に、成功や進化を続けている企業の経営ノウハウからボランティア活動が学ぶべきこともたくさんありますが……。

(田村)

#091  2022/7/26
CO2削減とウクライナ戦争
~ 再エネ推進と平和ボケがウクライナ戦争の原因のひとつ? ~


 2022224日にロシアがウクライナに侵攻して、724日で早くも5か月となり、戦争は更なる長期化が心配される。英国、ドイツ等EU各国がロシアからの天然ガスの依存度を下げるため、石炭、LNG(液化ガス)等の化石燃料の確保に奔走しているというニュースを聞き、「COP26(世界的に脱炭素社会を実現するための国際会議)でのCO2削減の約束はどうなるの?」との思いから、ウクライナ戦争(ロシア戦争と言うべきなのか?)のCO2削減による脱炭素社会への影響についてネットで調べてみた。

これまでに何回かCO2削減に関するコラムを寄稿してきたが、戦争と言う非常事態なので、当然、CO2削減どころではなく、エネルギー資源の確保が最優先され、CO2削減は一時棚上げかな、と簡単に考えていた。ところが、CIGS(キャノングローバル戦略研究所)の杉山 大志氏のコラム*1を読み進めて行く間に、戦争がCO2削減活動に影響を与えていたのは当然ながら、CO2削減活動がプーチン大統領のウクライナ侵攻を決断する後押しになったことがわかり、逆にCO2削減活動が戦争に影響を与えていたことに驚いた。
 以下に、CO2削減活動とウクライナ戦争の関係から、明日は我が身の日本に当て嵌めた時にどうなるのか、杉山 大志氏のコラムを参照しながら検討してみた。

■ウクライナが侵攻された原因=プーチン大統領がウクライナ侵攻を決断した理由

 一般にニュースで言われているのは、
 1)ウクライナ東部のロシア系住民をウクライナのネオナチによる弾圧から救出
   (プーチン大統領の言い訳、口実と言われていますが?)
 2)
バイデン大統領の米兵の派遣はしない、とのアナウンス
 3)ウクライナの世界第3位の核兵器の放棄
 4)ウクライナのNATO加入の阻止

等があるが、個人的には核兵器の放棄が最も影響が大きかったと思える。更にプーチン大統領の決断の後押しになったと思われるCO2削減活動に起因する原因が以下であり、上記の核兵器の放棄もそうであるが、自助出来ることの大切さを痛感する。

CO2削減活動に起因する原因=プーチン大統領の決断を後押しした理由

 ロシアのウクライナ侵攻に対して、欧米は経済制裁を発動したが、その対応は腰が引けたものだった。何故か? 英国とEUは気候危機説に取りつかれ、CO2削減のため石炭火力発電所の縮小、急激な風力発電等の再エネの導入、更には原子力発電所の停止等の無謀な脱炭素政策により、ロシアの天然ガスに依存するようになったためである。
具体的には、下図の様に、ドイツ、フランスでは、ガス供給の半分近くをロシアに依存しており、強い経済制裁に出て、ガスを止められると共倒れになるからである。

〔図表1〕ドイツ、フランス、イタリアのガス供給における

ロシア依存度(2012年と20年)

(出典) いずれも、BP統計(2021年度)から杉山氏作成

〔図表2〕ガスの輸出における各国のシェア2021

 今回の調査で、COP26等で推進してきた脱炭素社会を実現するための活動が、結果的にロシアに強い経済制裁を課せられなかったのは直接的にはロシアの天然ガスへの高い依存であり、プーチン大統領がウクライナ侵攻を決断する一助となったのは理解できた。しかし、何故エネルギー安全保障よりも脱炭素社会の実現を優先させたのかという新たな疑問が湧いてきたが、杉山氏のコラムにその回答があった。

■脱炭素政策は、平和ボケから?

 杉山氏のコラム「脱炭素の犠牲になるウクライナ」の冒頭の『脱炭素は世界の平和と協調を「前提」としたユートピア的な話だ。しかし世界の現実は全く違う。』と、Ted Nordhaus氏のコラムの訳「ロシア戦争でこれまでの気候政策は終わる」の中の環境保護推進派のビル・マッキベン氏の『太陽光や風力エネルギー、電気自動車への転換により、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンのような独裁者への依存から解放されるだろう』と言う主張を聞いた時、ふっと私の頭に浮かんだのが、「平和ボケ」であった。日本にもマッキベン氏の主張に似た主張がある。「憲法第九条が戦争を抑止している」と言う主張である。

 正直、杉山氏の「脱炭素は世界の平和と協調を「前提」としたユートピア的な話だ。」にはハッとして、今までCOP26等の活動内容が腑に落ちなかったのは、この“ユートピア”の中での話であり、だから“先進国のエゴ”と非現実的な部分を感じていたのか、と自分なりに納得してしまった。
日本には、EUのロシアのガスに相当する隣国のレアアースや太陽電池があり、経済安全保障の立場から、EUのロシアのガスを反面教師とした政策を日本政府には期待したい。
更に、本コラムの最後に書かれていた内容が非常に現実的で興味深く、日本の今後への期待も書かれていたので紹介したい。

『安全保障の観点から各国が強力に、しかも現実的な政策を推進する結果、むしろこれまでよりも気候変動への対策は進むのではないか。内外で見直されている原子力発電はその筆頭だ。日本の高効率火力発電やハイブリッド自動車などもそうだろう。』

 当面は化石燃料による発電を避けられないのなら、先のコラムでもアピールし、Ted氏も推薦している“日本の世界一クリーンな火力発電”で、世界のCO2の排出を抑えてもらいたいと強く思う。

============
*1【引用元】
 CIGS(キャノングローバル戦略研究所)の杉山 大志氏の下記コラム
  ・脱炭素の犠牲になるウクライナ(2022.02.21
  ・ウクライナ情勢緊迫化で脱炭素は「モラトリアム」に(2022.03.29
  ・ロシアの戦争でこれまでの気候政策は終わる(2022.07.11)
   〔Ted Nordhaus氏著 “Russia’s War Is the End of Climate Policy as We Know It” の訳〕

(片岡)

#090  2022/7/19
「オノマトペ」と「デジタル技術」

「エキマトペ」表示例

【出典】 2022/6/9 富士通株式会社
「エキマトペ 実証試験」プレスリリース

皆さん、「オノマトペ」って、御存じですか?

以前のコラムで私が「日本語ボランティア」を始めていることをお話しました。また、その中で普段何気なく使っている日本語が如何に難しいものかを思い知らされていることもお伝えしました。その一方で、奥深さや面白さにも日々触れています。今回は「オノマトペ」と「多様性」に関する話題に触れてみます。

まずは、「オノマトペ」について少しだけご紹介します。
オノマトペとは、日本語……ではありません。擬音語と擬態語を総称するフランス語だそうです。では、擬音語・擬態語はわかりますね。例えば、

・擬音語:ざあざあ,がたがた、ほーほけきょ、がちゃん,ばたーん等

・擬態語:こそこそ、きらきら,つるつる,ひらり等

です。ちなみに、日本語のオノマトペは4,000語から5,000語もあるとか、また英語など他言語の3倍から5倍あるとも言われ、正確な数字は諸説あるようです。外国との比較で言えば、数だけでなく、表現の差も見られます。犬の鳴き声の表し方に違いがあることは御存じではないでしょうか。日本語では、wan-wan(わんわん)ですが、他言語では、例えば

英語 …… bow-wow, bark-bark, woof-woof, arf-arf, ruff-ruff
ドイツ語 …… wau-wau
フランス語 …… ouaf-ouaf
スペイン語 …… guau-guau
カタカナで表記すると、
「バウワウ・バークバーク・ウッフウッフ・ルフルフ・ワウワウ・ウォフウォフ・ガウガウ……」

こんなに違うのですね、面白いと思いませんか。

ここで、問題です。
「びよ」と鳴く動物は何でしょうか?

答えは、犬です。実は、「わんわん」という表記は、江戸時代までしか遡れないのだそうです。それ以前の記録からは、犬の鳴き声を「びよ」と聞き取っていたようです。この「びよ」から「わんわん」への言葉の変化は、遠吠えの鳴き声が主体であった“野生の犬”の時代から、「わんわん」が主に聞こえるようになった“つなげて飼う犬”へ、我々の生活様式や文化の変化が要因とのことです。

次に、オノマトペに関連した話題が日経新聞等で報じられています。
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 JR東日本や富士通などは15日、耳が不自由な乗客向けに、駅ホームのアナウンスや電車の発着音を文字や手話に変換してディスプレーに表示する新サービスの実証実験を、東京都台東区の上野駅で始めた。(中略)上野駅の山手線内回りホームに電車が到着すると、飲料自動販売機の上部に設置したディスプレーに風切り音が「ヒューン」とカタカナで表示された。発車時には、ドアが閉まることを伝える手話の動画が放映された。JR東日本などによると、新サービスは音や状態を文字で表現する「オノマトペ(擬態語、擬音語)」にちなみ「エキマトペ」と名付けた。マイクで集音した駅員のアナウンスや電車が発する音を、人工知能(AI)が即座に文章やオノマトペに変換して表示する。(中略)昨年夏、川崎市立聾学校で「未来の通学」をテーマに開いたワークショップをきっかけに取り組みを始めたという。同校に通う高等部3年生は「文字で状況が分かれば便利だという、みんなで考えたアイデアが実現し感動している。もっといろんな駅に設置してほしい」と話した。
(駅アナウンス、視覚化 JR上野駅、聴覚障害者向け実験 2022/06/15  日本経済新聞 夕刊より)

エキマトペは駅の雑踏を環境音認識というデジタル技術でオノマトペ化するサービスで、電車のドアが「プシューン」と閉まって、「ビュウウン」と発進する様を文章で表示する。併せて駅員のアナウンスも文章表示する。音が聞こえなくても、駅の音が見える。(中略)エキマトペのように、これからのデジタルは多様性のある人々に等しく機会を与えることになる。(中略)デジタル技術を互助・共助のツールとして使いこなしながら、人に寄り添う持続可能な新たな事業モデルが生まれる。
(大阪大学教授 栄藤稔 ――多様性社会をデジタルで(SmartTimes) 2022/01/19  日経産業新聞 )
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オノマトペ自体は、幼児が多用して使う言葉として「やや子どもじみた,幼稚なことば」というイメージを持たれていることが多いようです。しかし、先に述べた犬の鳴き声の変化にあるように、我々の生活様式に密接に関係した言葉であり、また、後述した「エキマトペ」のように、障害を有する人も、より安全に日常的に鉄道を使えるようにするため等、多様性を受容する世界を広げていくためのツールとして、重要な役回りをもっている言葉であることに気がつかされます。

今回は“オノマトペ”でしたが、他の“何”かとデジタル技術を融合することで、諦めていた人が、諦めていた事を出来るようになる社会の実現へ向けて、皆さんも考えてみませんか

(林)

#089  2022/7/12
大学兼任講師って何?
~ 楽しくもあり、やっぱり忙しい 

(※本文の大学とは関係ありません)

  この春、K県にあるS大学の兼任講師に着任いたしました。もう驚きの連続・連続・連続…で半年が経ちました。少しみなさんとシェアしたいと思います。「大学講師業」は初めての者(私)にとっては、まさに泣きたくなるほど楽しい楽しい修行です。

発端は、昨年秋のある日、旧知のこの大学の学校長から電話が来ました。来年4月からうちの大学で教えてくれないかと言う依頼です。家族含めてお世話になった方なので、もちろんお断りする理由はありません。

(校長)「ご無沙汰、頼みがあるのだけど、来年度うちの学校で講師をお願いできるかな。」

(私)『はい、わかりました。喜んでお引き受けします。多分、私ならなんとかなるだろうと言う事で電話されているのでしょうからお引き受けします。』
(私)『それで、何を教えれば良いのでしょうか?』(科目も聞かずに引き受けた私)

(校長)「“社会教育論”と“レポート・論文の書き方”の2科目をお願い。社会で実業を長く経験したリアルな体験と知恵に基づく内容を教えてほしい。」

(私)“・・・・・・・”(言葉なく、引き受けた後でちょっと焦ってる。)
(私)『“レポート・論文の書き方”はなんとかなるように思うけど、“社会教育論”て何?』

(校長)「任せるよ。」(でた!丸投げ! 90分×15回も社会教育を語れるのか?)
(校長)「引き受けてくれてありがとう。詳細は年明けに。」(ピッ! …あ、切れた。)

まぁ、こんな感じに3分で決まってしまったわけです。
そのあとは、もう新幹線・・・年明けにメールがきて「契約書を送る」とか、「3科目のシラバスをいつまでに出してくれ」とか入門証や駐車場の手続などなど、どんどん流されていく。いつの間にか、2科目が3科目に増えていて、“コミュニケーション論”が追加になっていました。

教える内容についての指示とか判断とか、そんなものは何もなく、「任せた」でおしまい。
唯一あるとすれば、前年のシラバスだけ。でも森の中の校舎での授業は始まってしまう。

90分授業、生徒は1科目2550人。しかも“双方向授業が大原則”という事なので、論議とかワークとかを取り込んだ授業計画とパワポを15回分作らなくちゃ……考えただけで気が遠くなる。3科目×15回×15ページ=675ページ、振り返りとか復習もあって重複するけど、差し引いても計400ページくらいは必要。(愕然! 毎週が修行)

始まって、でも、でもですよ、生徒たちは若々しくてハツラツとして未来を本当に感じます。これは最近にない、元気付けられるようなワクワク感が毎回体験できます。
遅刻するとか、授業中に抜け出すとか、ちゃんと聴いていないとか、返事をしないとか、真面目にワークしないとか、眠っちゃうとか、おしゃべりするとか、教科書を忘れるとか、普通に考えられることは一応全部当たり前のように起こります。しかも毎回。

でも、その若さから来る未来に向けたパワーは本物です。日本の未来は決して暗くないよって感じます。方向さえ間違えなければ、間違いなく明るい未来があります。この子たち(まぁ大人なんだけどね)に少しでも役に立つことを伝えたいという気持ちになります。

これに対抗するためには…対抗する必要もないけど…座席は自由、授業中はおしゃべり自由、室内移動自由、飲食自由、他の授業のレポートを書くのも自由、欠席は5回まではO K、かつレポートを最後に出せば落とさない、というルールにしてみました。ここは勝負だよね、どれくらい自分のコンテンツで授業を引っ張れるか……完敗中ですけど。授業の冒頭にクイズを入れ、冗談、オヤジギャグも満載で、それでもここだけは身に付けてくれとか、これだけは覚えてくれというところは、教えて、例題をやって見せて、生徒にやってもらって、レビューする、を毎回繰り返し・繰り返し、次回には復習します。授業中は80人くらい入る教室にバラバラに座っているので、こちらから出て行って会話しながら進めます。ウォーキングアラウンド方式+双方向型授業です。

生徒たちは、実は結構真面目で、しかも屈託がありません。20歳くらいなので完璧なZ世代です。少しアルファ世代的な考え方も入って来ています。生まれた時からスマホです。携帯は知りません。学校のレポートもスマホのWordとパワポで作成しています。デジタルネイティブって層ですね。でも、かなりの生徒は手書きのレポートです。理由を聞いてみると、滅多に使わないプリンターなんて持ってないのでコンビニで印刷するそうで、そうすると1枚10円かかるので、節約して手書きという生徒がそこそこいます。バイトにも励んでいて、お店ではいないと困る存在になってきていて、バイトリーダーとかを任され始めています。その意味では社会との接点は多いようです。更に、もう子供がいる生徒もいます。写真を見せてくれたけど、相当に大切にしています。放置して遊びにいくなんて考えらないということを言っています。Z世代・アルファ世代の特徴で“理由のない不合理”には反抗します。レポートが「ボールペンでないといけない。しかも油性ボールペン指定」ということに不合理を言います。これには私も同意。国家資格に対する欲求が強く、なんらかの資格をぜひ取りたいと皆が言います。ここも予想以上に堅実。
生徒たちに、尊敬する人・目指す人を尋ねてみました。一番はお父さん・お母さんです。なんだか安心したような気がします。コロナ以降、家族の大切さが見直されてきたアルファ世代の特徴と一致します。11日が楽しければ良いといい、1日をとても大切にします。

90分の授業に、準備に3時間(パワポとちょっと自己演習)、毎回出してもらう簡単なレポートの添削に1.5時間。出席簿をつける等、授業時間と合わせて1回6時間はかかります。
それでも魅力的な仕事です。
生徒たちに感謝です。ありがとう。

(東出)

#088  2022/7/5
創業2年目を振り返って
~ 第3期に向けて ~

この週末はauの通信障害で大きな騒ぎになりました。私も15年来のau利用者ですが、さすがに今回のトラブルには参りました。社会インフラだけに影響も大きく、完全復旧は本日夕方になるようですが、皆さまは損害なく生活できていますか?

さて、今日の話題は、このビジネス未来&Co.についてです。2020年6月の会社設立から2年が経ちました。皆さまのお陰で3年目に入ることが出来ました。コロナ禍もあって在宅中心の活動を継続することになり、時間が経つのが実に早い2年目だったように思います。この2年目は、このHPを通したお問合せを頂くようになるなど、我々に関心を持って頂いたお客様が増えました。改めて皆さまに御礼を申し上げます。不自由な経済活動が続いた中でも、この2年目:第2期も前向きに活動することが出来たと受け止めています。今回は、1年目と同じ尺度で2年目を振り返り、良いこと・悪いこと、そして第3期の展望について少しお話しします。

■目標の達成状況

様々なキッカケ作りだった1年目を受けて、第2期では「会社のサイズを大きくする」ことを目指しました。ここでいう“サイズ”とは「リソース」で語れる領域、即ち、人的な面と経営体力です。結果的に
 ① 会社業績は、想定より悪かった。(想定に無理があった。)
 ② 営業活動は、コロナ禍が継続するも、仕事をご依頼頂けるお客様の数を増やすことが出来た。
 ③ 体制づくりは、第3期の始まりにあわせて、当初想定の専門家が揃えることが出来た。
 ④ お客様と新規ビジネスの企画・開発に着手できるようになった。
とまとめることができるでしょうか。

1年目に業務インフラの整備で投資や費用を発生させましたが、引続き2年目もサービス領域やメンバーの充実を図った為に経費的には厳しい内容にはなりました。他方、受注は、新たなお客様からのご依頼もあり、また既存案件での支援範囲の拡大もあって伸ばすことが出来ました。しかし、コロナ禍の継続やウクライナ情勢の影響もあって、“実現機会の創出”が思っていた以上に進みませんでした。この辺りは反省点で、不測の事態とはいえ欲張りな計画になっていた面があったと思います。

ただ、こういった難しさはあったものの、経営的には最低限達成したい水準はなんとか確保することができました。継続性の観点からも3年目(以降)にしっかり繋がる第2期になったと受け止めています。

■良かったこと・悪かったこと

具体的に振り返るべく、第2期も『活動面』を良かったこと/悪かったことの形で整理してみます。

 【良かったこと】
  ● 活動メンバーは着実に増やせた。(8人→13人)
  ● お声掛けやご提案の機会が増やせた。
  ● 新しいリレーション(人間関係・企業関係)を創り出す機会に今期も恵まれた。

2年目は、会社や組織の改善・改革という経営層の課題として扱われる領域の専門家の方々も新たに参加頂くようになりました。もちろん、“xEV”(電動車)や“リチウムイオン電池”というトレンドになっている製品=「電動化」に携わってきた方々も新たに参加頂き、第3期の頭には創業当初にイメージしたサービス領域の専門家が出揃うメドがつけられたことは喜ばしい結果です。そういった“リソースの幅だし”が進んでいます。

また、「脱炭素」の取組みが活発になって、様々なご相談が頂けるようになりました。2年目はコンサルティング分野がメインでしたが、後半には新規事業の企画・開発領域にも広がってきました。世の中のシフトをリアルに実感しています。

 【悪かったこと】
  第2期も“環境”の側面で見てみると
 
 ● 「コロナ禍」の継続+「ウクライナ」「急激なインフレ」 
 
 ● 取組みの“スピード感”がリモートでは劣る

“慣れ”という側面もあるかもしれませんが、内部/お客様コミュニケーションのいずれをみても、Face to Faceのコミュニケーションが出来た案件は大きく進展した印象があります。“新しい日常”と言われたリモートも「やりづらさ」を皆さんが感じており、会議の「質の低下」は避けられていないように感じます。最近ですが、ある大手のお客様をお訪ねした際、『リモートならこの話は絶対しなかった』と話して頂いたことがありました。ITは“便利な道具”ですが、“日本的な血の通った形”にする為にどう使い分けるのが一番良いのか、引続き探求していく必要はありますね。

良し悪しを特徴で挙げてみると、こんな風に総括される1年だったかと思います。

■第3期は…

第2期よりも堅実に進めたいと考えていて、以下のアプローチで活動していこうとしています。これまで2年間の活動を踏まえて具体像になった部分もあり、2年目から続けている「皆さまにとっての“町医者的な存在”」であり続けられるよう、「まずは話してみよう」という気軽な相談相手となる構えを今後も広くしたいと思います。

● 提供サービスのメニューの充実
● 知識・経験・スキルの提供機会の充実

「サービスのメニュー」という点では、提供開始が遅れている『教育・セミナー』分野の整備を上期で実現したいと考えています。「企業内研修」については、個別にご相談を頂いて提案活動も行なっておりますが、協業先とのコラボレーションも含め、既存アイテムを活用してお客様と一緒に作り上げていくスタイルで行なっていきます。(メンバーや関係先と「研修メニュー」を鋭意作成中です。)
また、デジタルコンテンツの提供サービスも今期の重要テーマとして着手しており、「発信力の強化」も取り組んでいきます。あわせて、会社HPの整備も図っていきます。

駆け出しの企業なのでまだ落ち着きませんが、様々な方々とご縁を結ばせて頂いてお話が出来ることを「知識と経験を移植する機会」と捉え、お客様や仲間とオープンに語らいたいと思っています。また、「企業体力強化」という自助努力も継続的に行ないつつ、皆さまと楽しく・明るく取り組んでいきたいと考えています。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

(鯨井)

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