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コラム 『ビジネス未来』
バックナンバー ②  2021/1/12 ~ 2021/3/30

タイトル

#025 2021/3/30  自動運転における運転者と車両の事故責任から

#024 2021/3/23  静岡の日本酒

#023 2021/3/16  新車販売、5ヵ月連続プラス、2月、半導体不足など懸念

#022 2021/3/9    コロナ禍で広がるモバイル注文

#021 2021/3/2    “電子化”に偏る潮流変化の中で、どう動くか 【後編】

            ~戦う「空間」と「戦略」~

#020 2021/2/23  日本、惑星探査で存在感、

            はやぶさ2、人工クレーター作成など「7つの世界初」

#019 2021/2/16  ハンドメイドマーケットプレイス

#018 2021/2/9    “電子化”に偏る潮流変化の中で、どう動くか 【前編】

            ~「重さのない世界」と「重さのある世界」~

#017 2021/2/2    世界のユニコーン、コロナ禍で新陳代謝加速 ECなど成長

#016 2021/1/26  国際連携は大企業病克服のヒント

#015 2021/1/19  “新しい価値”と“体験型”の鉄道旅行へ
#014 2021/1/12  クルマが空を飛ぶ世界

#025  2021/3/30
自動運転における運転者と車両の事故責任から
世界初の自動運転レベル3、ホンダ「レジェンド」
事故責任の線引きはどうなるのか
 (くるまのニュース編集部2021.3.29)を読んで

<今回も新たな執筆者による寄稿です。お楽しみに!>

ついに世界初の自動運転レベル3登場! 事故責任の所存はどうなる?

最近では、日産やスバルが一部の高級車などで、クルマ側が一定の条件下で運転支援をおこなう機能(レベル1・レベル2)を装備する例が増えてきています。そして、ホンダが世界初の自動運転レベル3機能を有する「Honda SENSING Elite」を搭載した新型「レジェンド」を202135日に100台限定でリース発売しました。

従来の運転支援の自動運転システムでは有事の責任は運転者にありましたが、ついに一定の条件下で運転者に代わってシステムがカメラ、ソナー、レーザー、レーダーを用いて周辺を監視しながら、アクセル、ブレーキ、ステアリングを操作し、その機能を有するクルマ側、すなわち自動車メーカーに責任が移管する「レベル3」に分類される自動運転システムが発売されたのです。
  
(注)自動運転は、機能差によって現在では6段階のレベルが設定されています。
    
 各レベルの説明は末尾の表をご参照ください。

特に、この記事のテーマでもある有事の際の責任の所在について、Honda SENSING Eliteの開発担当者も次のように説明して、その線引きの難しさを指摘しています。

「基本的には、法律の観点からはクルマ側が運転者に運転操作をおこなうように警告をし、ステアリングやペダル類を操作した時点で運転者の管理下に代わります。 しかし、実際にクルマが運転操作の警告を出したタイミングで即座に運転者が操作を出来るわけではありません。 そのため、万が一事故ではどのタイミングかつシチュエーションによって異なる部分が多いので、難しい部分ではあると思います。」

 ■運転者とクルマの関係は、組織における上司と部下の関係

この記事が私の目に留まったのは、25年近く前の若かりしエンジニアであった頃、末尾のレベル1の前走車について走るACC(Adaptive Cruise Control)の開発担当だったためです。車両を試作し、高速道路で走行もしました。しかし残念ながら、当時は前走車を捕らえるセンサーが性能、大きさ(重量)、コストで未成熟だったため、諦めざるを得ませんでした。最大の理由は、前走車を捕らえ、車間距離を測定するセンサーの性能がいろんな環境下で不十分だったことです。この時、改めて制御システムにおけるセンサーのセンシングする性能(入力情報)の大切さを痛感しました。

そして、この記事の「有事の際の責任が、運転者か、クルマ側か」という文面を読んだとき、組織の上司と部下の関係が思い浮かびました。

つまり、運転者が上司で、クルマ側が部下となり、レベルが上がるに連れて、運転者=上司のタスクが減り、クルマ側=部下のタスクが増える、所謂、権限の委譲がなされて、上司は課長、部長、役員、社長となっていくわけです。

 ■自動運転の進歩と組織マネージメントの進歩

 自動運転は、センシング技術の進歩とインフラの整備に伴い、危険予知性能を向上させ、衝突を回避する安全で安心できるシステムが開発され、有事の際の責任の所在を明確にしながら、レベル4, 5, 6と発展していくと予測できますが、組織マネージメントの進歩はどうでしょうか?

 起業時の一人で何から何まで担当するレベル0から、ビジネスを軌道に乗せ、従業員も雇い、企業業績=組織のレベルを上げながら、理想的には部下に出来る限り権限委譲し、完全自動運転できるレベル5に近づけたいとき、何にどのように取り組んでいけばよいのでしょうか?

「自動運転の要素技術」と「組織マネージメント」を対比しながら考えると、

◆ センシング技術の向上; あらゆる入力情報の点検、追加/改善部下の報連相、
              会社の実績データ
(品質、予実算、等)、第三者からの評価

◆ インフラ、通信技術等の向上; 業務の効率化(IT、自動化設備の活用など)

◆ 運転者への警告手段(音、表示)の向上; 上記項目含めた進捗の見える化

◆ AIによる危険予知能力及び衝突回避能力の向上; 危機管理の見直し

コロナ禍でオンライン業務が主流になりつつある現在こそ、現場から離れ、センシングも難しく、予想していない事態が発生している時だからこそ、是非こういった観点で改善案を検討してみてください。

(K)

【用語の解説】 自動運転のレベル

 従来の運転支援機能が作動していない状況を「レベル0」とし、運転者が常にすべての主制御系統
 (加速、操舵、制動)の操作を行ないます。(前方衝突警告などの、主制御系統を操作しない運転
 支援システムも含む。)

 そして、以下のものが具体的な自動運転のレベルに該当します。

出典:国土交通省HP

#024  2021/3/23
静岡の日本酒

<今回から執筆陣に新メンバーが加わります。お楽しみに!>

自己紹介に代えて、私のお酒の趣向の経歴を少し述べます。

最初に好きになったのは、日本酒。やはりビールやウイスキーと違い、旨味が感じられたところに惹かれました。次にウイスキー。最初はブレンドウイスキーのバランタインやオールドパーなどでした。その後バーボンの香りが良くてアーリータイムス、フォアローゼス、ジャックダニエルです。特にジャックダニエルがお気に入りです。更に泡盛(特に花酒)を経てウイスキーのカスクストレングスです。アイラが良いですね。カスクストレングスや花酒は、雑味というか複雑な旨味と水飴のようにとろりとした口当たりが好きです。そしてやはり最後は日本酒です。年齢を重ねると日本人は、日本酒に行き着くのかもしれませんねwww

 さて、そろそろ静岡の地酒の話に入ろうと思います。

その昔、まだ私が学生だった頃、静岡の日本酒は決して美味しくはなかった印象です(静岡の酒造メーカーさんゴメンナサイ m(__)m 私が寡黙にして静岡の日本酒事情を知らないのも一因であり、一級酒や特級酒を買うお金のなかったのも原因です)。ちなみに、この頃の日本酒は特級酒、一級酒、二級酒と等級が分かれていました。等級をとるにはお金を払って審査してもらう必要がありました。また丁度この時期に、等級を取るためのお金を掛けるのが勿体ないから敢えて等級を取らないとする日本酒(地酒)が出てきていたと記憶しております。

静岡土産に日本酒を買おうとしたのですが、美味しい日本酒を見つけるのに苦労して、結局余り美味しくない日本酒しか見つけられなかった記憶があります。静岡は米どころでもないし、寒くないから美味しい酒はできないんじゃないか、と思ってました。静岡は水は美味いから、旨い日本酒ができるのではないかとなんとなく思っていました。

しかし、いつからか静岡の地酒が美味しくなっていました。
私がそれを知ったきっかけは洞爺湖サミットです。200877(七夕ですね)の福田首相主催の洞爺湖サミットで「磯自慢 中取り純米大吟醸35」が乾杯用のお酒として採用されました。それを機に私も磯自慢を買ってみました。最初に飲んだ磯自慢酒造の日本酒は、「磯自慢 特別本醸造 生原酒」。これを飲んでみたら美味い。お酒のフルーティな香りと米の旨味が感じられるコクが秀逸でした。ちなみに私が飲んだ本醸造は、酒米が山田錦(兵庫産)でした。

静岡の酒造メーカーの皆さんが色々と苦労して品質向上をされているのですが、今回は酵母についてお話をしようと思います。磯自慢というよりも静岡の日本酒に変化があったのです。

名称

特徴

用途

HD-1

華やかな香り やや酸が多い

大吟醸

NO-2

酸が少なく淡麗

本醸造

New-5

華やかな香り やや酸が少なく淡麗

純米吟醸

CA-50

マスカットやバラのような香り

本醸造

SY-103

爽やかな香り

本醸造

SMT-1

リンゴのような香り

本醸造

HD-101

HD-1の泡なし株

大吟醸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは新しい酵母の開発です。静岡の新しい酵母が出来たのが1980年。それ以降、静岡の地酒が全国の日本酒品評会で賞を取るようになり、洞爺湖サミットでは乾杯酒に採用されるとなるわけです。

酵母の開発は、お米の新しい品種を開発するのと同様に時間が掛かり根気のいる作業だと思います。工業製品の開発も不確定要素がたくさんあり苦労はありますが、酵母(単細胞の微生物)は「いきもの」の性質をするため工業製品以上の苦労があるように思います。そして実らないかも知れない苦労を重ねた地道な開発作業が実を結んだ結果だといえると思います。

一方で最近の企業の開発現場を見ると、結果が出にくい、もしくは結果が出るまで時間の掛かる開発にはお金を掛けにくい事情があるように思います。これは欧米流の短期での決算と株主への利益配当をしなければならないことが影響しているように思います。

欧米流の決算を採用する以前の日本の企業は、短期の利益には多少、目を瞑っても研究・開発へ資金を投入する風土があったように思います。このように実るか実らないか分らない、かつ長期の開発にも開発予算をつぎ込む開発計画が重要ではないかと思います。

(U)

#023  2021/3/16
新車販売、5ヵ月連続プラス、2月、半導体不足など懸念
~この6ヵ月のニュース記事から~


新型コロナ禍の中、販売が落ち込んでいた自動車販売が回復してきています。自動車業界に長く携わっていた者としては、自動車販売の回復は大変うれしいことと受け止めています。

しかし、今までに無いサプライチェーンにおける問題が顕在化しています。

車載用半導体の不足問題です。

最近の日経新聞他では、以下のように伝えています。(引用)
==========

自動車販売の業界団体が発表した2月の国内新車販売台数(軽自動車含む)は、前年同月に比べて0.5%増の43万2299台だった。新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い発令された緊急事態宣言の下でもプラスとなった。5カ月連続で前年実績を上回ったが、車載半導体の不足や2月に発生した福島県沖地震の影響による減産などから、市場の先行きには依然として不透明感が漂っている。

(「新車販売、5ヵ月連続プラス、2月、半導体不足など懸念」(2021/03/11  日経産業新聞))
 

車載用の半導体不足を受け、ホンダが部品調達に苦慮している。「メガサプライヤー」と呼ばれる外資系の自動車部品大手への依存度を高めたことが影響しているとの見方もある。
(中略)
こうした外資系は在庫を極力持たない傾向が強いとされる。19年度の在庫回転率は国内部品大手のデンソーが8.15回なのに対し、コンチネンタルは9.65回と高い。「もともと半導体の在庫を多く持たないことが災いしている」と半導体商社の幹部は指摘する。
自動車メーカーの在庫管理の巧拙が影響しているとの見方もある。11年の東日本大震災では車載半導体大手のルネサスエレクトロニクスの工場が被災し、車各社は国内外の工場を停止した。この教訓から、トヨタ自動車は「サプライチェーン全体で半導体の在庫を6カ月程度と手厚く持つようになったようだ」(市場関係者)

(「ホンダ悩ます半導体不足、部品調達、外資依存が影」2021/02/09  日本経済新聞)
==========

 新型コロナ禍での部品供給については、最初の段階は海外との物流制限に伴う供給遅れ、供給不足が発生していました。次に襲ってきたのが、今まであまり想定していなかったであろう、業界間での半導体の取り合いです。新型コロナ禍で急激に落ち込んだ自動車需要が回復する前に、リモートワークや巣ごもりを要因にパソコン用やゲーム用の半導体が伸び、自動車用の半導体が不足に至ったわけです。

東日本大震災の経験を経て、BCP(事業継続計画)の策定あるいは強化をし、非常時の部品供給への対応に備えていたはずですが、その主体は「被災工場をいち早く復旧させる。代替工場からの供給確保」など。果たして、世界中の需要の大変動及び他業種との奪い合いは想定できていたでしょうか。

生産リードタイムの長い半導体は、安定調達のためには、精度の高い需要の読みが求められます。私も以前、専用半導体を組み込んだ電子部品で、先々の需要増を見込んだ発注計画を開示して事前に準備をさせた後に、急激かつ大幅な需要見直しが入った経験がありました。その際、リードタイムの短い部品はほとんど影響が出なかったものの、半導体は既にサプライヤで大量の生産をしていたため、その後の在庫の処置に大変苦労しました。

今回のケースは、その逆の大きな需要変動が起きたということですね。
その時に痛感したのが、
 ・需要の読み
 ・生産リードタイム
 ・会社間の信頼関係
等でした。

今回のように、需要が読み切れず、また、いきなりの生産リードタイム短縮も難しいケースにおいては、やはり在庫に頼るしかないのでしょうか。そうは言っても、非常時に備えてどのくらいの在庫を持ちえるかは、「サプライチェーンを通じた各企業の在庫所有体力」と「誰が所有するのが合理的なのか」、そして「合理的な在庫方策を関係者が納得できる会社間の信頼関係」が重要となってきます。ルネサスエレクトロニクス:柴田英利社長の「自動車メーカーと新しい在庫管理のモデルを作る必要がある」との発言もあります。(半導体不足、トヨタも影響、部品調達、揺れる車優位、スマホに買い負け。2021/01/23  日本経済新聞)

今後、自動車メーカーが主導的な立場をとれず、業種間での取り合いが生じる世界において、どのようなサプライチェーンを構築していくのか、どのような信頼関係を築いていくのか、より広い視点での検討が求められています。

新型コロナ渦で大きく変化した事業環境において、皆さんの周りは如何でしょうか。
より広い視点で事業環境を見ることが出来ていますか?

(H)

#022  2021/3/9
コロナ禍で広がるモバイル注文
スマホが接客、「デジタル外食店」(日経ビジネスNo2081を読んで

「クリスプサラダワークス」。ここでは事前にスマホから自分好みの食材で構成したサラダが注文と決済ができます。もちろんトッピングやドレッシングも選べます。お店に取りに行くだけです。店舗に行くと熱狂的なファンになるようなコミュニケーションが待っています。すでに都内に19店舗、自社開発のこのアプリの外販も始めました。

「ブルースターバーガー」は202011月に開業しました。テイクアウト前提ですのでお客様との接点はなく、ロッカー経由で品物の受け渡しとなります。お客様接点の徹底した合理化で、収益性を損なうことなく原価率を68%まで上げて材料費にコスト配分しています。

「よなよなビアワークス」は店舗での飲食が前提ですが、テーブルでQ Rコードを読み込んでオーダーから決済までを行います。お客様との接点を減らしても、機能やデザイン性にお店の気持ちを乗せてサービスしています。

いかがですか、店舗もいよいよアフターコロナを見据えて変わり始めました。

成功に向けた4つのキーワード

共通点を4つのキーワードにまとめました。

 ① アプリ/ブラウザでの注文と決済
 ② ユーザー/来店者への特徴的なファンサービス
 ③ 省力・省人で浮いたコストを材料費にかけて質を向上させる
 ④ デリバリー対応の強化

方向性としては、「お客様との接点減らすがファンサービスは欠かさない。省力省人を実現してそのコストを質に回す。そしてデリバリーを強化してファンを逃さない。」ということです。

今後の展開

このような方向性が示されてきたことにより、これらのサービスを実現するためのプラットフォームを提供する企業が出てきました。言ってみればP O S端末をスマホに替えているわけですが、これをクラウド上においてSaaS(Software as a Service)としてしまう会社です。

店舗や商品のバリエーションはいろいろです。

ぜひ、自社の業態に置き換えて考えてみていただければと思います。

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 成功に向けた4つのキーワード

① アプリ/ブラウザでの注文と決済
② ユーザー/来店者への特徴的なファンサービス
③ 省力・省人で浮いたコストを材料費にかけて質を向上させる
④ デリバリー対応の強化

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(東出)

#021  2021/3/2
“電子化”に偏る潮流変化の中で、どう動くか
【後編】
戦う「空間」と「戦略」

後編で解説する類別です。
【出典】藤本隆宏
なぜテスラはEVの量産に苦労しているか (プレジデントオンライン 2019/2/2)


後編も、東京大学の藤本先生の寄稿(プレジデントオンライン 『なぜテスラはEVの量産に苦労しているか』 2019年2月2日)を参考に解説してみたいと思います。

前編(2/6)では、日本企業の利益の源泉であった「摺合せ技術」によるビジネスに“不安”が生じていることに対して、デジタルの世界を電子と論理で動く「重さのない世界」と、実世界を物理法則に支配された「重さのある世界」とに分けて、この“世界”の違いを「設計思想」(アーキテクチャ)すなわち『機能と構造の関係が絡み合う摺合せ型』と『機能と構造が一対一対応の組合せ型』という考え方を用いて行なった分析について触れました。今回は、その続き。です。
“GAFA”などのプラットフォームサービスを活用する時代に、どう考えてビジネスやモノづくりに取り組んでいくか。その「ひとつの解」についてお話ししていきます。

■「上空」「低空」「地上」

藤本先生は、その“世界”を「階層」で読み解いています。『デジタル化が進む現在の産業世界は、「上空」と「地上」、その間をつなぐ「低空」の三層』で捉えられるとしています。(挿絵を参照)

つまり、“上空”は情報通信技術の層。この空間はGAFAによる革新が繰り返される「組合せ」の世界で、残念ながら我が国が間全く太刀打ちできない領域です。片や、“地上”はものづくりの現場。改善活動などコツコツと地道に努力した日本やドイツの産業が実力を発揮している「進化」する世界です。

フィジカルなモノづくりに携わってきた人からすれば、これはまさに“天地をひっくり返した”ような話。やはり「プラットフォーム」(基盤)なので、無思考に下からの積上げで考えてしまいがちですが、この立体像は実にシミジミする捉え方であり、非常に理解に易いものになっているとお感じになりませんか。

藤本先生は“今後”についても、こう指摘しています。
『重要になるのが“低空”領域、すなわちものづくりの現場と情報通信技術をつなぐインターフェース層における世界規模での主導権争い』だそうです。
先生はその例としてシーメンス社を指摘していますが、私は前述のアイシンやデンソーもこの層を強く意識しているように思います。

■採るべき戦略

GAFAなどに支配された世界で「地上を得意とする日本企業が採るべき戦略」として、藤本先生は「中:摺合せ・外:組合せ型」による「強い補完」戦略を提起しています。すなわち、戦略に長けた「本社」(企画部門)を持つことが望まれるということでしょう。プラットフォームはオープンでも、構成する個々の補完財の中身は摺合せ型でもありえるので、ものづくりの現場は“中:摺合せ”の高度化を追求していくというものです。その代表例として、藤本先生は日本のセラミックコンデンサー産業を挙げ、村田製作所・シマノを例としています。名前を聞いておわかりの通り、いずれも高収益体質を実現している企業です。

そして今、このアプローチをしているのが、前述したトヨタ自動車、そして日本電産ではないかと私は受け止めています。この2社には予てより“強い戦略”(経営者の個性と言い換えられるかもしれません)があります。

日本電産の本業はモーターですが、これだけではライバルを跋扈できません。駆動用モーターは自動車会社自身も内製出来る製品なので、何らかの付加価値が必要です。そこで選択しているのが「周辺部品とのユニット部品化」。パワートレインユニットとしての集積体で生産することです。(原価低減も含め、実現方法としては王道ではあります。)

今、彼らが手掛ける「トラクションモーター」は、変速機/モーター/インバーターを組合せた駆動装置ですが、ここには様々なノウハウが必要です。しかし、中身を高度で複雑にすれば他社は真似しづらくなるものの、顧客単位のカスタマイズが必要となり、結果的に利益を出しにくくなります。そこで、自社主導のビジネスを実現・維持していくために「標準化」を仕掛ける訳です。こうすると、自ずと外部インターフェースの標準化も実現していきます。
そこで、彼らが強化しているのが、この周辺技術・企業を“獲得”することです。

しかし、このパワートレイン、いわんや自動車のノウハウ獲得は、お金でどうにかなるものではないのです。

特に駆動ユニットは「自動車の技術的競争力の源泉」と位置付けられ、資本集約型で生産されており、それ故に代わりが利かない製品です。自動車会社は調達に神経を使い、また生産者側にとってもひとつ間違えば原価割れも起こしかねない、双方にとって難しい製品でもあります。複数の自動車大手はトラクションモーターには原価低減余地や性能の差別化に重要として、独自システムを自社開発する意向を示しているという報道も流れています。トラクションモーターがバッテリーをはじめとしたEV周辺部品と『うまく』結合することで、高性能・高付加価値の商品が実現できるとし、「トラクションモーター技術は知的財産の塊」として自社設計・自社生産した方が良いと考えているようです。ここでいう『うまく』とは、まさに“摺合せ”の領域です。つまり、これを外部調達した場合、「最適化されていない部品」を使い続けるリスクを持つことになり、ここは回避したいと企業は考えているのでしょう。

■終わりに

ここに挙げた日本電産のような会社の姿の是非はともかく、やはり「戦略」を持ち、磨き続けていく取組みは必要です。藤本先生も、米中など周辺諸国との関係性を踏まえた上で、この記事では『日本企業が得意としてきた現場力は、今後も強みとして地道に向上させていくことが求められる。そのうえで、これまで弱かった本社の戦略構想力を高めていくことが重要』とし、『強い現場と強い本社の両輪が回れば、日本企業はそうそう負けないはず』と結んでいます。

ここ何年かの流れで、中国スタイルのビジネスモデルに流されている感があります。この国の基幹産業が今後も諸外国の企業と切磋琢磨しつつ生き残る為にも、「ビジネス」をしっかり見据えた製品開発、そして生産も時流にあわせて変化させながら実現していく、そんなしたたかな戦略を描いていく必要がありそうですね。

皆さんの会社は如何でしょうか。

(鯨井)

#020  2021/2/23
日本、惑星探査で存在感、
はやぶさ2、人工クレーター作成など「7つの世界初」
~この3ヶ月のニュース記事・講演から~

出典:JAXA

2021年2月18日午後(日本時間19日午前)、米航空宇宙局(NASA)の火星探査車「パーシビアランス」が、火星への着陸に成功しました。探査車は、火星の表面を動き回り、土壌や岩に含まれる物質を調べます。また、地面に穴を掘って採取した土壌サンプルは将来別の探査機で地球に持ち帰る計画です。

一方、日本のはやぶさ2は、ご存じのように、惑星間航行を行い、同じ探査機で採取した土壌を持ち帰ってきています。そこで改めて、はやぶさ2の凄さや、そこで行われたハイレベルな意思決定などに触れたいと思います。

2020/12/512/72021/2/19付けの日経新聞、2021/2/6 朝日カルチャー講座「はやぶさ2地球帰還 りゅうぐうから持ち帰った宝物」からの引用です。)

■  はやぶさ2の概要

『はやぶさ2は2010年に小惑星イトカワの微粒子を地球に持ち帰った初代「はやぶさ」の後継機。2019年に“りゅうぐう”への着陸を2回成功させ、小惑星の地表と地下の両方から砂を採取できたもようだ。(注:帰還後、採取できたことが確認されています。)2014年12月の打ち上げからの総飛行距離は52億キロを超える。』
(はやぶさ2、カプセル回収へ「準備万端整う」、JAXAが会見、5日午後に分離。2020/12/5  日本経済新聞 )

■はやぶさ2の凄さ

『小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセルが無事に地球に帰還した。小惑星に人工クレーターを作るなど「7つの世界初」を達成して存在感を示した。(中略)
 世界初の成果となったのは(1)人工クレーターの作成(2)小型ロボットによる小天体(小惑星など)の移動探査(3)複数の探査ロボットの小天体へ投下(4)同じ小天体への2地点着陸(5)誤差60センチという極めて高い精度が要求される地点への着陸成功(6)地球圏外天体の内部調査(7)最小で複数の小天体を周回する人工衛星の実現――の7つだ。
特に小惑星「りゅうぐう」に金属弾を打ち込んで人工クレーターを作った技術は内部のサンプル採取だけでなく、将来地球に衝突するかもしれない小惑星の軌道を変えるスペースガードの役にもたつ。
 大きなトラブルもなく、予定通りにサンプルを持ち帰ったことも大きな成果だ。初代はやぶさでトラブルに見舞われたイオンエンジンなどが順調に稼働。初代のような劇的ドラマは生まなかったが、逆に技術や運用が成熟したことを世界に示した。
はやぶさ2の開発・製造には200~300社が参画、その多くを日本企業が占めた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が司令塔役を果たし、全体のシステム設計や開発をNECが取りまとめた。』
(日本、惑星探査で存在感、はやぶさ2、人工クレーター作成など「7つの世界初」、民間主導には遅れ。2020/12/7  日本経済新聞 朝刊)

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今回のミッションは、完璧なミッションだったと言われています。その要因を整理してみました。

 ① 過去の失敗の活用
  
・初代のトラブルの原因を徹底的に分析して、改良したこと。

 ② プロジェクトマネジメント(プロジェクトメンバー:約600人)
  
・チームワークを大切にし、以下を実践したこと。
    -600人で一つの目標
    -徹底的な訓練

    -挑戦心・あきらめない心を奨励するチームビルディング

 ③ JAXAの高い目標を支えたサプライヤ(200~300社:多くは日本企業)の高い技術力と地道な努力
  ・例として、
    
「衝突装置を使って小惑星に人工クレーターをつくるという世界初の大技に貢献したのが
    
日本工機(東京・港)だ。装置の要となる爆薬部を担当した。(中略)できるだけ大きい
    クレーターを効率よくつくれるよう、部品の細い入り口から「とろろ芋」
のような爆薬成分
    を均一に入れこむが、いつも最後がうまくいかない。少量ずつ入れて少し
待つなど細かく
    タイミングを調整し、ベストな充填方法を編み出した。」
    
(はやぶさ2、6年ぶり一時帰還、大航海支える日の丸技術、電池容量増強・カプセル回収、
    「
逆境が団結を生んだ」。2020/12/4  日経産業新聞)

 ④ ハイレベルな意思決定
  
多くの意思決定が有った中で、非常に大きな意思決定であったのが、先に挙げた7つの世界初の
  
(4)同じ小天体への2地点着陸です。最初の着陸と採取が成功した後、「計画通り2回目の着陸
  
を実施するのか」あるいは「2回目の着陸という高いリスクを避け、最初の着陸の成果を確実に
  
地球に持ち帰るのか」で、関係者の間で大激論が有ったとのことです。このときに行われたリスク
  マネジメントとして、最も重要なのは、「リスクの確認」と「リスクの測定(発生確率、規模、
  測定の信頼性)」でしょう。
 
 これに関しては、
 
  ・探査機本体の問題の有無、着陸地点の安全性等の徹底した確認
  
 ・信頼性の高い技術者の精緻な解析
  
が実施され、これらを踏まえた「リスクコントロール(リスク回避や損失制御)」として、
  「着陸に失敗した場合は、危険を察知して着陸をあきらめ、リスクを回避する。」等の対策立案と
  その訓練を実施、結果、第2回の着陸を意思決定し、結果として成功に至っています。
  
2021/2/6 朝日カルチャー講座「はやぶさ2地球帰還 りゅうぐうから持ち帰った宝物」から
   引用)

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今、新型コロナ渦の中で、新たな企画、プロジェクトが立ち上がってきています。
しかし、いつ何時、緊急事態が起こるかわからない不確実な環境の中、成功を導くためには、十分なるリスク確認と緊急事態が起きた時の対策立案、それを基にした意思決定が必要です。みなさんの備えはいかがでしょうか。

(H)

#019  2021/2/16
ハンドメイドマーケットプレイス
埋もれた才能を世に出す(日経ビジネスNo2078)を読んで

今回はマーケットプレイスに関するお話です。

Creema(クリーマ)は2009年に設立、202011月に東証マザーズに上場しました。20212月通期では20億円に迫る売り上げが見込まれています。ここに掲げた3社は、ハンドメイドマーケットプレイス、簡単にいえば「個人の手作り作品を販売仲介する事業」です。誰もが簡単に出品できて、仲介手数料も販売金額の10%程度なのでお手軽なスタートも可能です。起業の発端は、作家の中には本当に認められるべき才能ある人たちがたくさんいますが、芸術や工芸作品は才能を図る尺度がなくフワッとしていてなかなか世の中に知られることがない、という問題意識からでした。そのため、各自が自分を売り込むためのフィールドが必要で、その作品を直接お客様に届けるサービスが必要でした。それがCreemaの始まりです。その一方で集客は極めて難しい状況でした。まずパソコンで検索してCreemaのサービスに行き当たったとしてもお客様はその作家を知らない、信用できない、価格と価値のバランスが見えない等々で全く売り上げにつながらない状況が続いていました。今でこそ、Creemaに続きminneBASEと同様のサービスが特色を持ちながら展開されてきています。では、どのようにしてお客様の集客が難しい状況を切り抜けてきたのでしょうか。そこには3つのキーワードがあります。

いかがですか、写真の撮り方を含めてなかなかのセンスだと思いませんか。

マーケットプレイス集客のための3つのキーワード

Creemaの経験値を3つのキーワードでまとめてみました。

(1)作品の質を高いレベルで維持する
(2)ネットとリアルの融合
(3)スマホアプリによる使いやすさの追求

それぞれを見ていきます。
(1)については、当初は知人や美大教授を介して出品者を確保、また個展に通って勧誘するという方法で質の高いラインアップを確保していました。これにより早くからプロやセミプロクリエーターを募って売買を拡げることができるようになりました。そして、これが功を奏して現在では質の高い作品が自然と集まる質の高いコミュニティーが出来上がっていると考えられます。企業としては、全商品を社員が権利侵害がないかどうかのチェックをして信頼性を高めているとのことです。
(2)はやはり現物確認の方法が必要でした。都市部の百貨店、遊歩道、歩行者天国等で展示即売イベントを積み重ね、質の良いオンリーワン商品のファンを増やしていきました。
(3)についてもスマホアプリの導入や使いやすい仕組みを構築してきました。

■今後の展開

今後は、従来のオンラインやイベントでの販売手数料だけではなく、クリエーターをさらに支援するサービスの枠を広げていくとのことです。例えば、クリエーターの製作資金を調達するクラウドファンディングサービス、オンラインでのワークショップ等が企画されています。また、ハンドメイド製品のサポートをさらに充実するサービスはもちろん、音楽作品や美術作品のクリエーター支援にも乗り出すとのことです。

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 マーケットプレイス集客のための3つのキーワード:

● 作品の質を高いレベルで維持する

● ネットとリアルの融合

● スマホアプリによる使いやすさの追求

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新たなマーケットプレイスの企画は様々です。
ぜひ、自社の業態と言葉に置き換えて考えてみていただければと思います。

(東出)

 

#018  2021/2/9
“電子化”に偏る潮流変化の中で、どう動くか
【前編】
~「重さのない世界」と「重さのある世界」~

後編で解説する類別です。
【出典】藤本隆宏
なぜテスラはEVの量産に苦労しているか (プレジデントオンライン 2019/2/2)


コロナ禍で情報通信技術に触れる時間が増す生活へ変化しました。GoogleやAppleなど“GAFA”のサービスの生活への寄与度が一層高まり、それと共に産業も大きく変化を求められる状況になりました。少子高齢化が契機だった“生活を取り巻く自動化”の流れが一層強まり、思考・分析では「人工知能」(AI)が、そして作業では「自動運転」が身近な話題に挙がる頻度が増えています。

これらの技術はいずれも大きな意味での“電子化”ですが、これに関心が偏ることを心配する声は以前から出ています。特に、「モノづくり」、即ち製造業では、例えば電機業界のように、このような世界的な潮流の変化にうまく対応できずに失敗した事例(パソコンなど)があります。
自動車関連業界は、まさにこの先端情報通信技術の活用によって「100年に一度の変革」を迎えています。この中で自動車部品企業には、“日本の優位性”を奪われた産業事例をこの眼で見てきただけに、その不安も大きいように感じます。

モノづくりは「摺合せ」と「組合せ」という特徴的な表現でその産業や製品の特徴を語られています。「組合せ」製品の代表例が電気製品、「摺合せ」は自動車です。この摺合せ技術による高性能の実現が日本企業の利益の源泉であったことは、皆さんもご存じですね。今ここに“不安”が生じているのですが、『そんな単純な話ではない』と指摘するのは、東京大学の藤本隆宏教授です。

今回は、藤本先生の寄稿(プレジデントオンライン 『なぜテスラはEVの量産に苦労しているか』 2019年2月2日)を参考に、この点について解説してみたいと思います。

■「重さのある世界」と「重さのない世界」

藤本先生は、デジタルの世界を電子と論理で動く「重さのない世界」と呼び、実世界は物理法則に支配された「重さのある世界」と表現しています。そして、『重さのある世界は、重さのない世界よりもはるかに複雑』とし、自動車では膨大な組込みソフトウエアによる緻密な制御、そして部品の工作機械の精密加工を例に挙げています。これらの情報量はこれだけで制御しきれる量ではなく、いろいろな自動化が今後可能になるとしても『いずれもそう簡単ではない』と語っています。

また、藤本先生は、『重さのない世界では情報通信技術が威力を発揮するが、重さのある世界では「ものづくり」の技術も重要』と、そして『テスラがEVの量産に苦労したことは象徴的』と語ります。これは私も強く実感するところです。テスラ社が量産開始後に品質問題が多発して生産量が全く上がらない時期が長く続いたことは報道もされました。設計品質も低く、私が通う日系ディーラーにもテスラが入庫したことがありましたが、「日本車ではありえない」と整備士が語るほどの低レベルなトラブルが発生していました。“アメ車”であったことが幸いしてオーナーの怒りの矛先は大したことなく済んだようです(それをおおらかに受け止めてくれるユーザーだった)が、それくらい新興勢力のモノづくり技術は貧弱でした。さすがに今はそこまでではないようですが。

この“世界”の違いを「設計思想」(アーキテクチャ)すなわち『機能と構造の関係が絡み合う摺合せ型』と『機能と構造が一対一対応の組合せ型』という考え方を用いて藤本先生は分析を加えていて、「重さのない世界」=情報通信技術の空間では、ソフトウエアやデバイス等を組合せ型にしやすく、「重さのある世界」で、部品間で細かい設計調整を必要とする摺合せ型になる傾向がある、としています。これは“チームワークの賜物”でもある訳です。

“GAFA”と呼ばれる企業は、プラットフォームサービスを提供しています。彼らはそれを起点として業界標準インターフェースを構築し、他社を仲間に引き込んでシステムオーナーとなり、アプリケーションを作る企業の力を利用して成長してきた……その姿をこんな形で俯瞰してみることもできるでしょう。この「アプローチ」は、リーダーシップに弱みを持つ日本企業の多くが苦手としてきた方法と言ってもよいと思います。

しかし、この姿に近い取組み方に変化し始めた企業があります。そう、トヨタ自動車です。
この1・2年は特に顕著ですが、「この指、とまれ」のスタイルで様々な仲間を募っています。実際に提携・連携も積極的です。そして、グループ会社であるアイシンも「駆動部品サプライヤー」というイメージから大きく変貌してきています。明らかにパラダイムシフトしています。

ただ、これは大資本の大企業だからできる方策であり、多くの会社が全て出来るわけではありません。では、どう考えて取り組んでいきましょうか。

次回は、その「ひとつの解」について、お話を続けたいと思います。  【後編に続く】

(鯨井)

#017  2021/2/2
世界のユニコーン、コロナ禍で新陳代謝加速 ECなど成長
~この6ヶ月のニュース記事から


私が担当したコラム「クルマが空を飛ぶ世界」(#014)で、【スタートアップ】企業として、スカイドライブ社(空飛ぶクルマ開発)に触れさせていただきました。また、年明けに、【スタートアップ】で【ユニコーン】企業でもあるプリファード・ネットワークス(AI開発)の名前に触れる機会がありました。そこで、今回は、昨年から今年にかけての半年強に出た【スタートアップ】や【ユニコーン】に関連する日経新聞の記事の一部を集めてみました。一読いただければと思います。

(2020/07/187/2711/2411/2711/302021/1/14,15付けの日経新聞からの引用です。)

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ユニコーンの定義

「未上場だが投資家から高い評価を受け、上場企業の株式時価総額に相当する評価額が10億ドル(約1070億円)に達した成長企業を指す。伝説の生き物である「一角獣(ユニコーン)」になぞらえ、めったに現れないという意味を込めて呼ばれる。米調査会社のCBインサイツによると、ユニコーン企業の評価額の上位10社のうち9社を米中が占めた。中国ではショート動画アプリ「TikTok」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)や配車サービスの滴滴出行(ディディ)、米国ではイーロン・マスク氏が率いる宇宙開発のスペースXなど有力企業が並ぶ。」
 (ユニコーン――急成長中の未上場企業(きょうのことば)2020/07/18  日本経済新聞)

■世界のユニコーンは、何社?

「「ユニコーン企業」と呼ぶ大型スタートアップ企業が世界で500社まで増えたことが明らかになった。 (中略) 500社を国・地域別にみると、米国が242社で最も多かった。119社の中国が続き、米中で7割を占めた。日本はAI開発のプリファード・ネットワークス(東京・千代田)などの4社が入り、11位だった。」
 (ユニコーン、2年で倍増、世界で500社、米中が7割。2020/11/27  日本経済新聞)

■ユニコーン企業にとって重要な資金調達の事例

「ENEOSホールディングス傘下の投資会社、ENEOSイノベーションパートナーズ(東京・千代田)がスタートアップ投資を加速している。2040年代に国内の石油需要が激減するとみて、将来の収益源づくりに汗をかく。投資額は22年度までに150億円とコーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)では異例の巨艦だ。(20年10月時点ですでに50億円以上を投資)(中略)

 ▼主な出資先
  プリファード・ネットワークス  AI開発
  
ちとせバイオエボリューション  バイオ技術
  
スカイドライブ  空飛ぶクルマ
  開発
センシンロボティクス  ドローンのソフト開発
  
APB  全樹脂電池の開発
  
Luup 小型モビリティサービス

 (ENEOSイノベーションパートナーズ―新事業創出、買収も視野、20年後のビジョンが
  起点(CVCVCの投資眼)
2020/11/24  日経産業新聞)

■新型コロナ禍の影響

「世界のスタートアップの新陳代謝が加速している。2020年に生まれた企業価値10億ドル(約1040億円)を超える未上場企業「ユニコーン」106社のうち、ソフトウエアと電子商取引(EC)の割合は計30%19年より1割近く増えた。一方、人工知能(AI)は13%から3%に急減した。新型コロナウイルス禍に強い技術に資金が集まる傾向となっている。

 1)海外:新規ユニコーン事例
  ・ケイトネットワークス(イスラエル):テレワークに対応した高度なセキュリティーシステムを提供
  ・ミラクル(仏):ECサイト開設支援

(世界のユニコーン、コロナ禍で新陳代謝加速 ECなど成長 2021/1/15 日本経済新聞)

2)国内;企業価値増加事例
 
・カケハシ(東京・中央):遠隔テック。在宅患者に薬の飲み方を指導
 
・タイミー(東京・豊島):企業と働き手の間で単発のアルバイトを紹介するアプリを運営。
              飲食店の営業自粛で職を失った人の受け皿。

 (企業価値増加率ランキング、次世代電池のAPBが1位、コロナで遠隔テック躍進(NEXT
  ユニコーン)
2020/11/30  日本経済新聞)

 ■ユニコーン企業の課題

「プリファード・ネットワークスは短期のリターンを求めない事業会社から出資を受けているため、中長期の視点で腰を据えて研究開発に取り組める環境が強みだ。深層学習など人工知能(AI)の高い技術力を誇る一方、事業化のスピードが課題だった。 (中略) 19年に西友でマーケティング担当の執行役員だった富永朋信氏をCMO(最高マーケティング責任者)に迎えるなど技術者集団から脱却し、高い技術を収益に変えられる組織体制の構築を急ぐ。
 
(「謎の会社」で終われない、プリファード・西川CEOに聞く―技術力が強み、収益生む組織へ
  改革。
2020/07/27  日本経済新聞)
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以上「スタートアップ」や「ユニコーン企業」に関するいくつかの記事をピックアップしてみました。
キーワードを纏めてみました。

① 新しく生まれた社会課題に対し、常に挑戦していくこと
② 他方、単なる技術者集団から脱却し、高い技術を収益に変えられる組織体制の構築と人材育成
③ 官民からの中長期視点での資金支援 

これらの多くは、スタートアップ企業だけではなく、新型コロナ禍の中で今後も継続してビジネスを進めていくにあたり、多くの企業にとっての共通課題となってきています。新型コロナ禍という環境変化において、特に足元の得意分野だけではなく、新しい時代の流れを敏感に察知し、ビジネスを広く見渡す視点を有する人材を社内、そして社外に持つことが重要です。
みなさんは、いかがでしょうか。

(H)

#016  2021/1/26
国際連携は大企業病克服のヒント
~タイ発カブで「らしさ」再発見(日経ビジネスNo2071)を読んで~

ホンダ ハンターカブ


ホンダは2020年6月に「ハンターカブ(CT125)」を新発売しました。予約だけで年間販売目標台数の8,000台に肉薄する状況で、納車まで数ヶ月待ちというヒットになりました。現状の見通しでは年間2万台超の出荷となる見通しです。日本では、ソロキャンプ需要、一度手放したあと2輪に戻ってくるリターンライダー、年齢に伴い小型にシフトするベテランライダー、これらの需要を見事に射抜きました。

ホンダには、ヒット商品開発4つの要諦があります。

1)大消費地での開発、2)セクショナリズムの排除、
)「若い人たちの方が偉い」を実践、4)ワイガヤを絶やさない、の4つです。

これらの考え方が、今回のハンターカブではどのように活かされてきたかをみていきたいと思います。いかがですか、写真はソロキャンプのイメージ写真でホームページに掲載されています。なんだか欲しくなりませんか。

日本でヒットするための3つのキーワード

4つの要諦が今回の商品計画にどのような形で具体化したかを3つのキーワードでまとめてみました。

 ① 本質的な目標を定義して、それをはずさない

 ② 先進的装備を充実する

 ③ 自分らしさを表現する余白を残しておく

それぞれを見ていきます。
①については、1958年の初代からの目標である「気軽に乗れて堅牢で保守がしやすく、ランニングコストも低く新しい小型二輪」、これをはずさないということです。②は、前後輪のディスクブレーキ採用、A B SL E Dヘッドランプなど、見える形で新規ユーザーも取り込める装備を充実しています。
③では、パーツメーカーを当初から巻き込み、約
50品目のカスタムパーツを準備し、市販追加装備を自由に取り付けられよう、本来なら隠すネジ穴を目立つ場所に多数設けてあります。これらの具体的項目は、ヒット商品開発4つの要諦から生まれてきたものです。

では、なぜ今回、わかっているはずの4つの要諦が実現できたのでしょうか

今まではわかっていても大企業病が災いしてできなかったかもしれません。しかし今回はタイで開発することで、これを実現に繋げられました。大消費地タイでの開発は、小ぶりな組織なのでセクショナリズムもなく、社内の多くの関係者の「こうあるべき」発言からも遠く、若者のワイガヤを支えた結果だと考えられます。

日本の組織の熱量を保つための工夫になり得るのではないでしょうか。

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 日本でヒットする3つのキーワード:

● 本質的な目標を定義してそれをはずさない

● 先進的装備を充実する

● 自分らしさを表現する余白を残しておく

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企業グループごとにグループとして商品開発のあり方は様々だと思います。大企業病に陥らずにヒット商品を続けるためのヒントがあるように思えます。ぜひ、自社の業態と言葉に置き換えて考えてみていただければと思います。

(東出)
 

#015  2021/1/19
“新しい価値”と“体験型”の鉄道旅行へ

JR西日本 「ハローキティはるか」
キャラクタートレインも数多く誕生


メンバーが交替で書き進めておりますこのコラム。気が付けば3ヶ月近くまじめな話題が続いてしまいました。なので、今回は“柔らかテーマ”で書こうと思います。……と言いつつも、「何を書こうか?」とパソコンの前で想いを巡らせつつ、締切り日を迎えました。とにかく“楽しみ”を感じられるものにしようと、キーボードを叩き始めたのが今の私。まぁ、時節柄、やはり“コロナ”を枕言葉にして書き始めることになってしまうのですが。

主要都市圏で“緊急事態宣言”の第二弾が続々と発令されて、生活は再び窮屈なものになってきています。私もコロナ禍での外出時はクルマ移動を心掛けてきました。これは、かつてインフルエンザ対策として医師の同級生からもらった 『感染症が流行っている時は、車を持っている人は車通勤して。一番感染リスクを減らせるから。』 というアドバイスに、今回も素直に従って生活しているから。しかし、プロフィールに「鉄道趣味」を標榜している私としては、この生活は大変さびしい限りです。(ドライブも好きですけどね。)

実は、2020年は半世紀を超える人生で最も鉄道に乗らなかった年でした。乗車回数が両手の指で数えられるというひどさ。(!) 創業準備で公証役場に行った5月20日が最後で、以来、本日まで出張・私用を含めて乗っていません。(既に8ヶ月!) 最寄りの路線が都心に直結していて混雑することでも有名で、“密”を避けられないが故です。鉄道会社は「“リモート生活”や“クルマ生活”に切り替えざるを得ない人」が大量に出ると経営が厳しくなりますよね。しかし、「エッセンシャルワーカー」として働く方々を運ばなくてはいけない(鉄道員もエッセンシャルワーカーですが)し、乗車率が低いからといって密を誘発するような本数削減も出来ない。そのバランスの中で、感染拡大防止/従業員の健康確保/経営へのインパクトを小さくする等の為に、明日21日からは終電車を前倒しする形で深夜帯を運休にする等、本当に鉄道受難のコロナ時代となりました。

しかし、鉄道会社も“アフターコロナ”を意識して人々を旅に誘う活動は続けています。希望の灯です。

「夜行列車」も、いわゆる“ブルートレイン”がなくなって久しいですが、最近は“リゾート列車”のようなスタイルで、新しい価値を纏った寝台列車が出てきました。JR東日本の「TRAIN SUITE 四季島」、JR西日本の「TWILIGHT EXPRESS瑞風」が東西の両横綱ですね。これぞ「高級リゾート」を感じさせてくれる素晴らしいコース設定/装備になっていて、欧州の「オリエント急行」さながらに一度は乗車してみたいと思わせるものです。受付中の旅行予約は緊急事態宣言の期間よりも先の時期なので、どちらも予約業務は止めていません。このご時世に“心意気”を感じます。

コロナ禍の最中に新たに誕生、そして運行を開始した“ツアー列車”もあります。JR西日本の「WEST EXPRESS 銀河」です。当初は5月初めの運行開始を予定していましたが、9月半ばに延期されて走り始めた列車です。こちらは「昼行特急」なのですが、欧州で一般的な「クシェット」(Couchette)という簡易寝台車が組み込まれ、横になることも出来るという、従来にはない価値を提供しています。旧型の部類に入る鋼鉄製の電車を改造していますが、その重さは逆に安定した乗り心地に貢献しているハズ。山陽地方の各都市を訪ねながら大阪と下関を結ぶ“ちょっとゆっくりな特急”です。

また、東日本では、伊豆へ向かう特急「踊り子」が3月にリニューアルしています。「サフィール踊り子」号です。「大人の伊豆を感じられる旅」ということで、事実上の“1等車”である「プレミアムグリーン車」が伊豆に向かう下り側の1号車に組み込まれ、“上質な移動”が体験できるものになっています。

今回取り上げた4つの列車は、いずれも『体験』と『移動そのもの』に価値を見ているものばかり。この他にもJR九州でも新たな観光&リゾート列車が続々と登場しています。今後も日本各地でこういった考えの企画が出てくると思います。今回の“Goto”はやはり時期尚早でしたが、 旅の“お楽しみ”は暫くとっておいて、みんなで協力して窮屈な生活も乗り越えていきましょうね!
収束したら「日本再発見」で各地を訪ね歩きましょう。

(鯨井)

#014  2021/1/12
クルマが空を飛ぶ世界

空飛ぶクルマ(©Boeing)


新年最初のコラムになります。今年も宜しくお願い致します。

交替で執筆しているこのコラムですが、私の分担回では昨年はいくつか技術開発に関する話題を書かせて頂きました。本年も技術開発の話題でスタートさせて頂きます。

年末に、ある講習会に参加した際、参加者の方々に私が自動車業界で働いていたことをお話ししたところ、あるご婦人から「空飛ぶクルマ」、特に材料に関するご質問を頂きました。「まだまだSFの世界」と古い先入観のままの私は、「軽量化の技術が鍵ですね。しかし、安全の担保が難しく、当面は実用化が難しいですよね。」と、一般論しかお答えすることが出来ず、恥ずかしい思いをしました。

そこで、新年元日の日経新聞の記事を探ってみると、「空飛ぶクルマ」に関する多くの記事が出ていましたので、今回はそれらの記事の一部を集めて並べてみました。一読頂ければと思います。

11日付けの日経新聞、日経産業新聞からの引用です。

<おさらい>

 SF映画の世界だった空飛ぶクルマが実用段階に近づきつつある。実現によって何ができるようになるのか、またどんな課題があるのか。(中略) 日本では2018年8月に国土交通省と経済産業省が主導し「空の移動革命に向けた官民協議会」が発足。企業や団体が参加し、同年末に23年までに空飛ぶクルマの事業化を目指すロードマップを策定した。海外でも米ボーイングや欧州エアバスをはじめ、大手企業やスタートアップなどが開発競争を繰り広げている。

(空飛ぶクルマ、どう実現?――三菱総合研究所主任研究員大木孝氏に聞く、制度整備急ぎ安全性確保。: 日経産業新聞 

<スタートアップ>

 名鉄豊田市駅から車で約1時間。愛知県豊田市の人里離れた山中に、空飛ぶクルマスタートアップ、スカイドライブ(東京・新宿)の開発拠点がある。 空飛ぶクルマは垂直離着陸できる次世代の電動モビリティーだ。「eVTOL(イーブイトール)」とも呼ばれる。滑走路がいらず小回りがきき、ヘリコプターより一回り小さな機体で1~5人程度を運ぶ。
 拠点には60人ほどのメンバーが集い、一部は山の麓で寝食を共にしながらものづくりに打ち込んでいる。トヨタ自動車やパナソニックなど大手メーカー出身者の姿もあり、空力や機体形状など自由闊達に技術を談議し合う。ネットに覆われたテニスコート3面分の試験場では低い高度で短い距離を飛ばしたり、プロペラの推力を検証したりと地道な作業が続く。(中略) 世界競争を前に福沢氏(注:スカイドライブ代表)は「当社が狙うのは小型機の市場。開発費が1桁少なくてすむ」と冷静。米中のような長距離型ではなく、都市内の移動など国土が狭い日本や東南アジアに適した機体を目指す。空飛ぶクルマは自動車同様、部品・素材からサービスまで産業の裾野が広い。総合力で勝負しなければ制空権は握れない。

(空飛ぶクルマ、広がる翼、安全確保・航続距離がカギ、新常態の制空権、競う先陣: 日経産業新聞)

<材料、部品>

 「空飛ぶクルマ」の実現には、安全性と車体の軽量性を追求することが不可欠になる。そこで候補に挙がる素材が鉄より硬く、アルミより軽い炭素繊維だ。その炭素繊維の最大手、約5割の世界シェアを握るのが繊維メーカーの東レ。(中略) 米欧で事業化が進展していることから、東レは将来の成長の柱となる事業として見込み、20年春から部門横断の開拓チームを発足した。7月には機体を開発する独リリウムと炭素繊維の供給契約を締結。12月には、スタートアップの米ジョビー・アビエーションとも長期供給契約を締結した。同社は垂直離着陸する「空飛ぶタクシー」を開発し、トヨタ自動車も出資している。 実際の飛行には、米欧の航空当局の法規制への対応が不可欠になるとみられる。「米ボーイングに部品を供給している実績は他社にはない強みになる」と東レの吉永稔・複合材料事業本部長は語る。
 一方で米ヘクセルなど競合も炭素繊維の供給拡大に積極的だ。空飛ぶクルマの実用化には長い時間がかかることも予想される。収益化には、長年の研究開発で花開いた東レの炭素繊維事業の底力が改めて試されそうだ。(軽く強く、レースカーの技注ぐ、東レの炭素繊維、精密に成型:日経産業新聞)

  「空飛ぶクルマ」の実用化を見据え、センサー類や外装などの部品に企業の参入が相次ぐ。関連する世界市場が1兆5千億ドル(160兆円)に膨らむとの試算もある巨大市場に、自動車や航空機関連の部品メーカーが商機を見いだす。「完成車」を手がける企業はスタートアップが多いだけに、ものづくりで実績ある企業が加わると実用化が早まりそうだ。(中略) 自動車業界で電動化の波が訪れていることも背景にある。EVシフトが進めば、ガソリン車で使われるエンジンやトランスミッション関連の部品が不要になり、ガソリン車をつくる数万点の部品が3割減るとの見方もある。自動車部品メーカーにとって死活問題であり、電動化対応のなかで商機を広げようと空飛ぶクルマに参入する企業は今後も出てきそうだ。

(航空・車部品、強み生かし参入、複合材加工やセンサー応用:日経産業新聞)

<運用>

日本航空(JAL)は2025年をメドに、「空飛ぶクルマ」を使った貨物や人の輸送を事業化する。現在の航空事業と同様に運航の管理組織づくりを進め、利用料収入を得るビジネスモデルの構築を目指す。機器メーカーや自治体との実証実験や保険の整備などを並行して進める。新型コロナウイルスの収束後もビジネス需要が元通りには戻らないとみられる航空産業で新たな経営の柱に育てる。
 JALが空飛ぶクルマで目指す事業は「空飛ぶタクシー」の運航管理やIT基盤整備、販売管理といった運用部分だ。必要に応じて大手通信キャリアやシステムの開発事業者と連携。メーカーから調達した機材を使ってあらかじめ定めたルート、または利用者の要望に応じて複数の地点を結ぶといったサービスをパッケージ化する。

(JAL、「司令塔」で稼ぐ、25年メド事業化、知見生かす:日経産業新聞)

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今回挙げた「空飛ぶクルマ」だけではなく、私が目にしてきたSFの世界の技術の実現と実用化が驚くほどの速度で進んでいます。そこには、今までの技術やビジネス基盤、ビジネス経験を活かせる大きなビジネスチャンスが拡がっています。

みなさん、新年にあたって、世の中で現在進められている技術開発を俯瞰してみませんか。
そして、ご自身の事業を活かせる新しいビジネスチャンスを考えてみませんか。

(H)

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